「らくだ」という人物

「らくだ」という仇名をつけられた男。体が大きくてのそっとしている。乱暴者で悪いことなど平気でやる。

長屋に住んでいるが家賃など払ったことがない。近所のものは盗んでしまうし、弱い立場の屑家さんなどは

いじめられつづけている。この悪党は落語の中で色々な悪事を働いている。

「文七元結」の中で、文七に体当たりしてスリをやろうとした男がいるが、これが、らくだの仕業。

一時期、このらくだが商売をしていたことがある。場末の小さな居酒屋をやっていた。女房まがいの女性もいて

らくだと付き合っているのだから、同じ穴のむじなですね。

ある夜に、みすぼらしいおじいさんが店に入ってきた。このおじいさん、お酒が好きらしく、桝に半分づつ

酒をたのんで。美味しそうに飲んでいる。「もう半分だけ下さい」と言いながら何杯もおかわりをした。

いい心持になったのか、おじいさんは金を払って店を出ていった。

それから、おじいさんの座っていた席をみると包みがおいてあった。中を開ける五十両という大金が入って

いた。らくだは当然のことながら、ねこばばをきめ込んでしまう。すぐに戻ってきたおじいさん、包みがなかった

かなど聞くが、本当のことを言うはずもない。消沈したおじいさんは悲惨の運命をたどる。

またある日、塩原太助が江戸に出てきてこの店に寄った。旅に疲れていたのか少しの酒で酔いつぶれて

しまった太助の懐に入っていた大金を狙ったりもした。

こんならくだも、若い頃にはどじな失敗をしている。まだ悪党として一人前になっていない(?)頃だ。

  

■貧乏長屋に泥棒に入った。盗むものなど全く無い長屋に入ってしまう。住人がいないのかと思ったら、暗い

  部屋の中に座り込んでいた。この男、生きているのか死んでいるのか解らないくらい憔悴しきっていて

  これ以上どうやっていくのか何の望みも無い人物。部屋の中には何にも無い。家具も無いし畳も無い。

  床さえないのだ。つまり部屋の様相を呈していない。らくだは、この男に同情してしまう。盗むはおろか

  逆に小遣いをやってしまうという始末。

 

■新人の頃は、壁を破って進入したのだが、その壁は寺の外壁だったというエピソードがある。

■商家に入ったのはいいが、どうやら宴会をやった後の部屋に入ったみたいで。店の人はどこかに出払って

  いるようだった。部屋には酒や肴が残っていて、いじきたないらくだはさっそく御馳走になっていた。

  上酒や刺身などを堪能しているうちに、店の人に見つかってしまい。庭の穴の中に逃げ込んでしまう。

  そして出てきたら三両やると言われて自分から出ていった。

■これにこりたらくだは、女性の住む家を狙う。この女性が気丈な人で、らくだが駆け出しとみてか、

  やおら開き直ってね、らくだに気があるような素振りをして、夫婦気取りをみせる。らくだはその気に

  なって泊まっていこうなどと言い出した。こまってしまった女性は、二階には書生さんが住んでいてだめだと

  か言ってていよく撃退してしまう。

  ところが、この家は平家だったという…・ドジ。

ともかくも、博打に勝って、その金でフグを買い、自分で料理して毒にあたって生涯を閉じた。彼の死を

悲しむものなど誰もいなかったのである。

 



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