「落語ネタの不思議なお話………・唐茄子屋政談」

親の金を使っては吉原に入り浸り、いつもごとく大店の若旦那、案の定、勘当という

ことになる。

「米の飯とお天道様はついて来る」などと大見得をきった若旦那。吉原の女の所に

繰り込むが、金の切れ目が縁の切れ目とやらで、ていよく追い出されてします。

あちこち歩き回っては神社の縁の下などに寝泊まりするようになる。着物は汚れ

垢まみれになって、三日も何も食べていない若旦那、とうとう川に身を投げて死のうとまで思いつめる。川に飛び込む寸前に止めたのが若旦那叔父にあたる人…・・

どうもこの辺が何か出来すぎてはいませんか?いくらなんでも偶然に叔父さんが

通りかかるなんておかしいですよね。

実はここには第一弾、第二段の「若旦那更生計画」が大旦那によって執行されていた

のである。

まずは第一弾…………・・

勘当した若旦那の行動を一部始終、叔父にあたる弟に見張らせ、事あれば助けて

やるとい手はずになっていた。

この叔父さん、できた人でね、ちょっとやそこらでは若旦那を助けない。感極まって

死のうとした瞬間に止めたのである。人間、死のうというのは本物である。更生する

目がでてきたと判断したのだ。

そして第二段の計画はこうだ………・

叔父さんのもとで唐茄子を売り歩く「担ぎ商い」をやる事になった若旦那。初めから

商売が上手く行くはずもないから策を講じた。

天秤棒を担いでフラフラ往来を歩くのだから色々なトラブルが想定できた。

どこかにぶつかったり、人に怪我をさせる事もありうる。

そこでトラブル解消のために威勢のいい兄いをつける事にした。

道端の石に躓いて転び怪我をしてしまう。すかさず若旦那を助ける兄い。

予め打ち合わせをしていたように仲間をとおりがかせて、唐茄子を買わせたりする。

ただしこの軽妙な計画にも予期せぬ出来事が加わる。

長屋での事件である。これは想定していなかった。大店で鷹揚に育った若旦那の

やさしさが人助けを行わせたわけである。

大旦那の計画は見事に成功した。しかしこの若旦那、更生して真面目に働くように

なったのだろうか。

―続―