落語ネタの不思議なお話:「次の御用日」

 

「しゃっくり政談」ともいいます。実に不思議な内容の落語でしてね、落語らしいといえば、そうなのですが。

この噺は、筋運びを聞きながら、その情景を思い浮かべられないと、少しも面白くないものです。

ざっと紹介しますと、このような内容になります。

 

 

ある暑い夏の昼間。お店が並ぶ表通りを商家の娘子と連れの奉公人が歩いている。昼過ぎにもなりますと

不思議に人通りが途絶えるという時間帯があるものです。表通りには二人のほか誰もいません。

都会の中でも、こんな経験をされた方がおりますでしょう。何か怖いような気がしてきますのも、当然でしょう。

二人が歩いていきますと、向こうのほうから男が、ふんどし一丁で赤い顔をして歩いてくる。

どうやら昼間から酒を飲んでいるらしく、ふらふらしている。

すれ違いざま、この男、何を考えたのか。お嬢さんの頭の上で「あっ」という奇声を発しました。

この光景を思い浮かべてみてください。人通りのない路上。酔っ払った男が、頭の上で奇声を上げた。

お嬢さんは失神してしまいますよ。精神的なショックを受けたというところでしょうか。

さあ、商家の方ア大変ですよ.大切な娘が変なことをされたのですから、黙っていられません

奉行所に届出をします。こんな奇怪な事件を取り上げるはずは無いのでしょうが。落語では関係者一同

お白洲へということになります。お奉行様と男の取調べとなるのですがね。

「そのほう。真昼間の路上を通行するに、向こうからきし娘子に対し、あっ、という奇声を発し娘子を

失神せしめたのは真であるか。」

「いえ。めっそうもございません。路上にて、あっ、などと申したことはありません。」

「何。訴えによれば連れの奉公人が、その方が、あっ、と申したのを聞いているそうじゃが。」

「いえ。.あっ、などと申しておりません。」

「奉公人に尋ねる。この男が路上にて、あっ、などと申したこのは真じゃな。」

「はい。本当でございます。」

「そうか。では、そこの男、ぁつ、と申したであろう。」

「いえ。.あっ、などと申しておりません」

 

このやりとりの繰り返しで一向に認めようとはしません。

そのうちに、お奉行様の喉がかれてきてしまいます。あっ、という声が出ないなってしまいます。そこで

「取調べは、次の御用日にする。」となるわけですね。

じつに、変なお話でしょ。どなたが作られたのかしりませんが、よくもまぁこんなストーリーを考えついたと

思います。

亡くなられた円馬師匠や松鶴師匠がやられています。



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