「落語ネタの不思議なお話……佃祭りと文七元結」

親切で情け深い人が、ある日のこと、橋から身を投げようとしている女性を助けた。

事情を聞いてみると、三両のお金に困っているというので、持っていたお金をあげて名も

告げずに立ち去った。

そんなことがあって数年後、この人が佃祭りを見物に出かけた。家人には“しまい船”で

帰ると言い残してきた。佃大橋などなかった江戸時代には佃島への行き来は船でした。

祭り見物も終わって“しまい船”で帰ろうと船に乗り込む寸前に女性に引き止められる。

「橋から身を投げて死のうとしたところをお助け戴いたものです。」という。

よくよく見るとあの時の女性だと解った。

「どうぞ、家にお寄り下さい。あの時の礼を致したく、また主人からも、名前もわからない人

だけど、どこかで会うかもしれない。その時はぜひ、お連れするようにと言われて

おります。」

そこまで言われてはと、その女性の家に言ったこの人は、あわてて帰ってきた主人から

“しまい船”が定員オーバーのために転覆して全員が助からないという事件を知らされる。

あの時に呼び止められなければ今ごろは……・・と。

女性に感謝する。

しばらくして自宅に帰ってくると、なにやら葬式の準備がされている。家人はこの人が

亡くなったと思っているのだ。そこに現れたのだから大騒ぎになる。

既に来ていたお坊さんなどもキャンセルとなるが、動じない。

「人の情はめぐり巡って自分にかえってくるものだ。」と説教をされる。

この話を聞いていた、うっかりものの男。

「人を助ければいいことがある。」と、日に日に橋から身を投げようとしている女性を

捜し歩く始末。はなから御利益を充てにしてはいけないだろうに。

ある日のこと、橋から身を投げようとしている女性ならぬ、男性を見つける。

訳を聞いてみると五十両を無くしたという。三両ならぬ五十両だ。大金である。

名前を聞いてみると、「元結屋の手代で文七」という……………・・さあこれからが人情噺

「文七元結」の始まり始まりとくるか…………………………………・・

まさかねぇ。そんなわけないよね。

でも落語ってどこかで繋がっているような気がしませんか。どこかでね……・

この頃、落語マップみたいなものをつくると、色々な噺が互いに相関関係をもっている

のではないかという、少し無理矢理な継ぎはぎをすると浮かんでくる。

上の話などは、かなり強引なのだが、やってみると面白い。

そんなことを、このシリーズでやっております。

落語を壊しているのでしょうけど、これもまた一興ということで、お許しを戴きたく。