「浮世床」に登場する人物達

 

 

娯楽が少なかった江戸において床屋と風呂屋は人々の寄り合い所のような活況を呈していた。

風呂屋の二階には大広間のようなスペースがありまして、囲碁・将棋や本などがおいてあって、

暇つぶしをするという。金のない連中がただで遊ぶことが出来たのでしょう。昼間から大勢押しかけていた。

 

        将棋をする人物

別に勝敗を競うというわけではない。暇をつぶせればいいので、手を考えるようなわけでもない。

駒も無くなったりしているものがあるから、紙で作って置いてあったりしている。諸儀のルールを

わかっていてやっているわけでもない。あくまで暇つぶし。王手飛車取りで飛車が逃げたり。

自陣の王様をとられないように手の中に隠したりしている。王手がかからないので楽かも。

駒を進める時に癖のある者がいて、必ず将棋版の横に駒をピシッとぶつけるしぐさをみて、そっと

油を塗っておくいたずらをする者がいてね、夢中でやっているから駒が張り付いているのがわからない。

駒が無くなったと大騒ぎしている。

煙管にいたずらする者もいて、吸い口と雁首を入れ替えましてね、吸い口だけの煙管と雁首だけの

煙管をこしらえた。雁首にタバコを詰めて火をつける。吸おうと思うと雁首だから、片方を吸おうとする

火がついているから熱い。また片方を吸おうとする。雁首だから吸えない。この繰り返し。

夢中だからわからない。吸い口だけの方はいつになってもタバコを詰めることが出来ないてなわけ。

        囲碁をする人物

囲碁などという難しいものはできようもなく、暇にあかして白石と黒石を端から交互に並べるという

わけのわからないことで遊んでいる。

        髭を抜いている人物

いよいよ遊ぶものに飽きてくると、自分の髭を抜いて壁にはりつけ絵のようにしている。

しばらくすると富士の山ができたりしている。髭をあたりに来たのに順番がきたときには、無くなっていた

という。

        惰眠をする人物

何もすることがないから寝ている者。あんまりよく寝ているので仲間におこされてね、近頃面白い話は

ないかてなことになり、間男をした一件を話す。仲間のものはその話に引き込まれていくが、やがて

それは夢の中の話と判る。

        本を読む人物

実はこの御仁。字が読めない。なのに、本を読んでいる。読めないのを知っているので、仲間のものは

からかい始める。本の内容を読んで聞かせろというわけ。見栄を張っている男は、適当に内容を

でっちあげたりしている。

 

兎にも角にも、いろいろな人間模様が繰り広げられています。

 

 



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