「落語ネタの不思議なお話……厩火事」

落語の中で席亭の好きな女性の一人である「お崎さん」。髪結いの仕事をしている。

年下の旦那がいていわゆる髪結いの亭主という身分。年上の女房というのは若い

頃はいいが年増になってくると若い亭主の心変わりが気になってくる。

亭主が自分をいつまでも愛していてくれるのかという女性らしい猜疑心が沸いてくる。

本心を確かめたいが真実を知るのも怖いような気がしている。そこで叔父にあたる人に

相談をすると、「亭主が大事にしている茶碗を、羽目板を踏み外したようなふりをして

割ってしまえ。その時に怪我をしなかったかとお崎さんの体の事を心配したら本物で

そうではなかったら偽者だ。」という策を教えた。

昼間から刺し身で酒を飲んでいるような亭主なので、試してみる事にする。

お崎さんは働かずに酒をのんでいる亭主の事を嫌っている訳ではない。末永く自分の

ことを大事にしてくれればいいと思っている。

お崎さん家に帰って叔父さんの指示どおりやってみた。亭主の答えはこうである。

「あたしの体が大事かい?」というお崎さんに……・

「あたりめえだろ、おまえに怪我されたら遊んでいて酒が飲めねえ。」

   

さてさて、これをどう考えますか?

どうでしょうかね。

もし下げが…・・

「あたりめえだろ。お前にもしものことがあったら俺は生きちゃあいられねえよ。」

なんていうことにななったら落語になりませんよね。

愛だの恋だのいってるより、遊んでいて酒が飲めねえというのは本音ですよ。

むしろ、お前にもしものことがあったら俺は生きちゃあいられねえなんていう男よりは

お崎さんにとって良いのかもしれません。

本音だから長続きするとも言えるでしょうね。