「耳は贅沢」

 

人間の五感、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚は色々環境によって状態が変わります。

最近はイラクへの自衛隊派遣などの話題がありますが、イラクやアフガン、北朝鮮などの国々において

人々が置かれている状況を見ますと、五感に差がでております。

平和な日本においては五感全てが満たされているといってよいでしょう。

といっても、視覚は自然なものを見るという時間が少なくなってしまい、デジタル化されたものを見るという環境に

なってしまいました。嗅覚はどうでしょう。自動車の排ガスなどの空気汚染で悪くなっているのでしょう。

聴覚はどうなのでしょうか。満足できる状況にあるといってもいいでしょうね。

でも、戦時下や貧困の中にいる人々は、食料に困り、目に入ってくる光景は悲惨なものばかり、街には不浄なものが

あふれて。聴こえてくるのは銃声や爆音、粗末な服や寝具で生活をしているということです。

先の大戦で全てを失った日本国民が同様の状況に置かれておりました。

進駐軍であったアメリカ軍は全てではなかったにしても人道的な支援をしております。

この面では現在のイラクとは違っております。

「脱脂粉乳」などという牛乳もどきのものが給食となり学校に送られました。

手を清潔に保つなんてことは知らない子供たち。畑の作物を失敬しては食べていたものです。

肥やしで作られた作物には回虫などの卵がついておりますから、子供たち体内には虫がいました。

そこで、薬を含んだチョコレートが小学校に配られたのですね。チョコレートなんて珍しかった時代です。

子供たちは喜んで食べたものです。

そんな時代に、耳だけは贅沢なことができたと感じている人がおりました。

「ジャズ」(juzz)ですね。軍歌ばかり聞かされていたところに、あの華やかというか賑やかな明るいジャズが入って

くるのですからね、突然目の前が明るくなったようなものですよ。

それも洗練された音楽が聞こえてくるのですからねぇ。

暗い世相に沈む人々に耳から入ってくる明るい音楽が活力となったに違いありません。

お腹はすいていても、服は汚れていても、街の光景は寂れていても耳から入ってくる音楽は贅沢なものであり

贅沢が出来た時代だったのです。

 



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