落語ネタの不思議なお話「弥次郎」

色々なところに旅に出るのが好きな男がいた。
旅から帰ると旅先での色々なことを話すのが好きだった。それもね、ありもしないことをです。
俗に言う「千三つ」というもので、千のうち三つしか本とのっことを言わないというじんぶつ。
その名を「弥次郎」といった。おりしも北海道から帰ってきて、またも話をでっち上げている。
内容はこうだ。
■ あまりの寒さに小便が凍ってしまう。出る先から凍るので小便を続けることができない。しかたがないから
そばに棒を置いておいて割りながら小便をする。
■ 道路を隔てた隣同士の家。冬になると道路には軒先まで雪が積もってしまう。行き来などできない。
そこで、雪の壁に穴をあけて隣まで開通させる。雪のパイプみたいなものである。
そうすると隣同士でその穴を覗き込んでは、朝の挨拶をやる。「おはようさんで」というと、向こうからも
「おはようさんで」が帰ってくる。それが穴の途中で凍ってしまうというのだ。
これが毎日続くので、「おはよう玉」というのが何個もできる。
そして春になって暖かくなると「おはよ玉」が溶け出すのだ。
あたりは、「おはようさんで」、「おはようさんで」がこだましているという。
■ 冬の北海道では火事が凍る。火事がおきると水をかけて消すわけだが、その水がすぐに凍ってしまう。
さらに水をかけ続けると氷が火事全体を覆って火事が凍ってしまうというのだ。
これを割るとと、氷の「火の子」ができる。
暖かくなって、これが溶け出すと火になってしまうので、気をつけなくてはならない。
北海道の人にはマッチはいらない。これを溶かしてマッチの代わりにするという・
ある時、これを二、三個袋に入れて牛に乗って道を行くと、牛の体温で溶けたのか、牛の背中に火がついた
あわてて水をかけたので「焼け牛に水」だとさ。
■ 山の中を歩いていると、大きな雄のイノシシがとびでてきた。弥次郎さんはすかさず、イノシシの背中に
飛び乗ったという。そして持っていた小刀でイノシシの腹を裂いた。すると、なかからイノシシの子が
でてきたという。あれっ・・・・・・・・・・・・・・・たしかイノシシは雄ではなかったかな?
このように荒唐無稽な話をする弥次郎さん。さぞかしアイデアマンであるに違いない。
悪く言えば「ホラ吹き」ということになるのでしょうが。ホラであることは直ぐに判ってしまうような内容でしょう。
罪はないですよ。