
〜正義の味方は勝つ?〜
ボクは自宅の最寄りの駅の近くに駐車場を借りている。
というか、借りていた。
前は電車で通勤していた時期もあって、
とても便利に使っていたのだが、
今はほとんどがクルマ通勤で、
駐車場を利用するのが月に1〜2度の時もあって、
これじゃあタクシーの方が安いんじゃないか
という理由で解約してしまった。
その駐車場での出来事。
いつものようにグッタリ疲れて会社から帰ってくると、
自分のクルマの前のスペースがやけに狭い。
土地の形がイビツなので、
片方の列が北向き、ボクの列が東向きになっていて、
奥から2番目のボクのクルマの前には
他のクルマの横っ腹が見えるという配置なのである。
そのお向かいさんまでのキョリが2mほどしかなく、
どう考えても出られないのだ。
結局「あーもう!」などと叫びながら
何度か切り返してやっとのことで道路に出た。
きっとお向かいさんの連れが遊びに来て勝手に置いたんだろう
との結論に至ったのだが、
ちょっと考えればわかることがわからないバカもいるもんだと、
人間の質もマチマチだと思っただけで、
すぐに忘れてしまった。
ところがである。
なんとその日から毎日のように
そのクルマはそこに停まっていたのである。
さすがに温厚で争いを好まないがんばくんも、
何日か後にはキレて、張り紙をした。
「迷惑です。他の人のことも考えてください。」
と紙に書いてワイパーに挟んでおいた。
これで今日の夜は快適にクルマが出せるかも知れないと、
ちょっと安心しつつ、後味の悪さを感じながら会社に向かった。
ところがである。パート2。
帰ってきたボクの目に映ったのは、
「けっ!お前につべこべ言われる筋合いはねぇんだよ、このドアホ!」
とでも言いたげに、デーンと停まっている
いつものにっくきクルマだった、
「なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ!」
と心の中で叫び返しながら(?)、
思わず、ホントに思わず石を拾い上げて投げつけてしまった。
しかし、あろうことかそいつは石を跳ね返し、
ボクのクルマにぶつけやがった。くそっ!
思わずぶちギレて、もう一発投げつけると、
跳ね返った石は、隣の墓地の方に飛んでいった。
「ヤバい!」と思ったが後の祭で、
石はカチンと音をたてて墓石に当たったようだった。
大迷惑を被った上にバチまで当たっては目も当てられないと、
その日はそそくさと逃げてきた。
次の日には蹴っ飛ばしてみた。
しかし、ボクのオンボロ靴はあっけなく鉄板に負け、
足の痛みだけが残った。
そんな日々が続き、慣れとは恐ろしいもので、
次第に気にならなくなってきたある日、
会社の飲み会で軽く飲んでいい気分で帰ってくると、
その日もそいつは定位置に停まっていた。
酔っていたためか、いつもの倍クルマが出しにくく、
ムカムカと怒りが込み上げてきて、
思わずクルマを降りて思いっきり蹴っ飛ばしてやった。
2日ほど前に買った新しいくつの頑丈さと、
酒の勢いが合わさって、
見事に後部ドアに直径50cmほどのへこみが出来上がった。
「てやんでぃ、ばかやろ〜!思い知ったか!」
とエンジン音も高らかに帰って来たが、
ふっと明日仕返しされるかも知れないと不安がよぎったりもした。
ところがである。パート3。
次の日から急にそいつはいなくなった。
正義の味方がんばくんの必殺キックが、
見事に功を奏して勝利を納めたのである。
正義は必ず勝つんだ!やったよ、兄ちゃん!
てな感じである。
なぜ兄ちゃんなのかと言うと、
昔、やはり実家の近くの駐車場で、
入り口付近にめちゃくちゃな停め方をしている数台のクルマのために
入れにくい思いをした兄ちゃんは、
そのすべてのクルマのアンテナをへし折ってしまったのである。
血は争えないというか、この兄にしてこの弟ありというか、
いやはや…。
ちなみに仕事がらよく路上駐車をしてしまうがんばくん、
迷惑駐車にならないように、差し支えない場所に停めて、
10分以上重いカバンを担いで歩くこともしばしばで、
正義の味方は疲れるなぁと痛感する今日この頃である。
2005
