竣工 2006年11月 延床面積 89.12平米(29.96坪)
JRの駅に隣接し、東京湾を望む築30年のマンションの改装を引き受けた。部屋は中央の公園を取り囲んだマンション棟のひとつにあり、窓の外には公園の樹々が眺められる好環境である。
施主であるご夫婦は、子供たちが巣立った後に残された空間を、今後の自分たちの生活に有効に活用したいと考えている。
まずベランダに面した居間の両側にある和室と書斎の間仕切り壁を取り払うことにした。間仕切り壁の上に残った大きな梁は下がり天井で覆ってやることで存在を隠し、なおかつ天井高の違いが広い空間に減り張りを与えるように考えた。
ベランダに向かって左手の和室は改装して食堂とし、奥の壁面には収納と飾り棚を設けた。向かって右手の書斎は、居間の造り付けのソファーの背面を目線の高さまでの書棚にして、居間からはデスクの上を見せずに同じ部屋でありながら適度に独立した空間とした。居間と食堂の照明は、電球照明と合わせて下がり天井の上部に間接照明を入れた。
キッチンは製作することにし、背面にも収納を工夫した。浴室はユニットバスに、トイレの便器も交換した。玄関側の外廊下に面した寝室は広い和室をベッドが置ける洋室に改装、もうひとつの6畳の洋室は来客が宿泊するための和室に改装した。
玄関は梁を隠す意図もあって、あえて天井高を低くし、居間に入った時の開放感を演出した。また玄関を含む全ての居室に同じカーペットを敷き込んで表情を統一し、居間は米松材を多用することにより暖かい印象を作り出した。梁による凹凸を造作で隠すことで無機質なマンションの印象が、戸建て住宅のような落ち着いた室内空間に変わった。
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