中国と陸続きの朝鮮半島に碁が伝わったのは、なんでも紀元前、箕子朝鮮の時代だという説があるとのこと、加えて高句麗・新羅・百済による三国鼎立の時代にまで下ると、王様が爛柯の世界に親しむお話なども出てくるようで、とにかくその伝来が古い時代にあり、また漢字によって表されない…すなわち朝鮮半島の固有語である「」という言葉がそれと同じくらい古い歴史を持っていることは疑いようがありません。
しかしながら、朝鮮半島のパドゥ打ち達に棋譜を残そうというアイデアがなかったのか、どういうわけか現存する最古の棋譜はなんと1886年、金玉均が本因坊秀栄と打った6子の置き碁のそれなのだそうです。
金玉均は1884年末、甲申政変を主導したものの清軍の介入の前に失敗、船底に隠れて日本に亡命してきたばかりでした。一方の秀栄の方も人生の難所にさしかかっていました。方円社分裂以来の対立を超え、村瀬秀甫と和解して本因坊名跡を譲り、単なる「土屋秀栄」へと戻ったのがまさに1886年のこと。まったく舞台は違えど共に時代の荒波に飲まれた二人が碁盤上で交差し、それが韓国初めての棋譜を生んだ…というのは何とも面白い歴史の一ページといえましょうか。

(以上一部は韓国棋院のページを参照しました)

悲しいビットマップイメージによるハングル囲碁用語講座』
第4回『碁を打つからには石を取ろう!その2:小石取りの色々編』の巻です。


《今回の単語》
1 タンス アタリ
2 チュ シチョウ
3 チュンモリ シチョウアタリ
4 チャムン ゲタ
5 ッタネタ (ポン)抜く
6 ッパテリ ポンヌキ
7 ファンギョ ウッテガエシ
8 チョチョ・ス オイオトシ
9 フェドリ グルグルマワシ
10 ホリビョ 鶴の巣篭もり


○●
石取り、それは(笊)碁打ちのロマン、いや、むしろ生甲斐。小さくても大きくても、石を取れば、少なくともその一瞬だけは幸せなものです。しかし、いくらなんでもいきなり大石を取るのは難しいので、小さな石からコツコツと。さあ、石を取るからにはまずアタリにしてみたい。そのアタリは…
 「タンス」
この「タンス」には「単手」なる漢字が当てられます。「呼吸点」が一つしかないからでしょうか。


○●
さあ取るぞ取るぞ!と鼻息を荒くしたら相手は当然の如く逃げてきました。ふっふっふ、どうやら相手は自分の石がシチョウ
「チュ(「逐」??)」
であることに気付いていないようです。


○●
しかしどうも何かがおかしい、相手は自信満々に逃げていきます。オヤ?ジグザグジグザグと読んでいくと、どうやら相手の石がぎりぎりシチョウアタリ
「チュ・モリ」
(書いたとおりに読むと「チュ・モリ」なのですが、実際の発音はちょいと変わって「チュモリ」になります。「モリ」は頭の意、前回「ソチョモリ」(三目の頭)という言葉がちょいと出てきましたね)
にかかっているらしい。嗚呼、勝手読み…。


○●
しかししかしこんなところでめげているようでは笊碁打ち失格です。もしかしたら方向をちょいと変えてユルミシチョウ
「ピン・チュ
(「ピン」は「空いた」の意、「ピン・サ」というと「アキ三角」の意になります)
で取れているかもしれない。いやしかしこれまたダメそう。ところが!


○●
「シチョウかと思えばなんとゲタやった」ゲタは
「チャムン」
といいます。

○●
これだけの(どれだけの?)石がゲタにかかってはもう碁はオワとしたもの。というわけで安心して気を抜いたその瞬間、ジャラリジャラリと、盤から石が取り除かれ、相手の碁笥の蓋に注がれてゆく音が…ふと見ると、当方の石がポン抜かれている最中、しかもゲタにかかって成仏したはずの石の尻尾がその石群の呼吸点を一つ塞ぐのにしっかり貢献している!!!
「嗚呼、セ・ラ・ヴィ…」
あなたは心の中で一人人生の無情を呪うのでした…と馬鹿なことはさておき、「ポン抜く」という動詞は
「ッタネダ」
といいます。勿論、前回習ったように「取る」「チャタ」という言葉も使えますのでご安心を。この2つの動詞を少し活用すると…
  「ッタネン・ド」 もしくは   「チャブン・ド」 
で「アゲハマ(抜いた石、取った石)」という言葉を得ることができます。
また、古畑任三郎でネコの名前として使われ全国区の知名度を得た(?)「ポンヌキ」は、韓国版擬音語『ポン』(?)であると先ほどの「抜く」という動詞「ッタネタ」の名詞形を併せて…

「ッパタネ
もしくは
「ッパテリ
とやや筋肉痛になりそうな名前になります。

○●
ポンヌキに触れたからには『亀の甲』を忘れるわけにはいきません。こちらは

 「コブ・ドゥ 『亀の背』」
といいます。

○●
石を取るときに使うこの他の用語を見てみましょう。ウッテガエシは…
「ファンギョ
といいます。あるいは「還撃」という漢字を当てるものでしょうか。

○●
続いてオイオトシは…
「チョチョ・ス」
といいます。「促促手」の意か?シチョウの「チュとやや紛らわしいかもしれません。

○●
だんだん出現頻度が下がり、次はグルグルマワシ。
「フェドリ」
といいます。「フェ」は「回」、「ドリ」の方は「 ドダ…回す・巡る」なる動詞があるのでその関係でしょうか。

○●
最後は「鶴の巣篭もり」で〆ます。
「ホリビョ
「瓢箪」の意だそうです。日本と韓国で随分表現が違うものですね。 小さい石の取り方はこれで完璧、次回は、より大きな石を取りに行きます。

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