紀長伸銅所
所在地:江東区白河2ー22/建設年:明治33年〜/設計者:?/解体年:平成
14年/撮影年月日:平成12年5月11日/日本近代建築総覧No.
地下鉄清澄白河(きよすみしらかわ)駅から歩いてすぐ
の場所にありました。・・・もっともこの物件が存在していた頃は駅はまだありませんでしたが。(ほんの一時期重なるくらい)
文献によると、明治33年(1901年)創業の「紀伊
国屋三屋本店 深川工場」が前身で、「伸銅所」の名前の通り銅製品を作る工場でした。昔は銃弾や砲弾の製作もしていたそうです。

敷地の北側を流れる小名木川(おなぎがわ)の対岸から
撮っています。いかにも古い工場ですね。ここに写っている建屋のほとんどが戦前からのもので、左側の文字通りの「くろがねの煙突」は鉄製で、中ほどに「大
正◯年 石川島造船所」の銘版がついていました。
この写真を撮った位置に架かる「西深川橋」は昭和初期の鋼トラス橋で、橋と工場の組み合わせがロスト・ワールドのおもむきでした。

敷地西側に残っていた創業当時のレンガ建築です。永い
年月で痛みがひどく、アーチのレンガは欠落と修理の跡だらけでした。
この辺りは地盤が弱く、地盤沈下につれてこの建物もだいぶ沈んでいたそうです。
高度経済成長のなかで周辺の工場・倉庫は移転し、いつ
しか住宅地に囲まれるようになった紀長伸銅所ですが、平成12年に都営地下鉄大江戸線、平成
14年に営団半蔵門線が相次いで開業し、新駅をとりまく周辺の環境は一変、それにあわせるように紀長伸銅所も平成14年に取り壊され、跡地にはマンション
「パークハウス清澄白河」が建ちました。