石けんリスト 手作りの良さとは? 100パーセント牛脂石けんの作り方 ご案内 参考書籍 工房風景 ひとりごと Link profile HOME

ハンドメイドQ&A ブルールーム


ハンドメイド戦略におけるさまざまな疑問は果てしなく発生します。
でも大丈夫。失敗を恐れずチャレンジし続けることに大きな意味があります。
一番大事なのは材料を無駄にしないこと。
想像どおりの石けんが出来なかったとしても、油脂、アルカリ、水が混ざっていさえすればりっぱな石けんです。

News! 初めてさんのための、超簡単手作り石けんのレシピ「私の手作り」(「美しい部屋」別冊¥1200主婦と生活社刊 )ぜひご参考ください。


使用済み油でのジェル状石けんの作り方で、コツはあるの?

きんとん状態でも使えます 耐熱容器に移して蓋を閉める 切り込み混ぜを続ける。水分が飛んでいく 切り込むようにして混ぜていく 石けんの2倍の水を入れて弱火にかける 手で簡単につぶせます ケン化させても中が軟らかい状態の石けん 私は「きんとん石けん」と呼んでいます。まるで「きんとん」を作る要領に似ているからなのです。
多めの水分を蓄えた軟らかい石けんと言った方が良いかもしれません。作り方はとても簡単ですが、分離させずにトローンとしたジェル状にすることが何よりも大切なので、そのコツをお伝えします。特に暑い夏の季節はこの石けんを簡単に作れます。
まず使用済み油をきちんとケン化させてから、というポイントを忘れないでください。500グラムの使用済油、その13%にあたる65グラムの苛性ソーダ、そして190グラムの水を用意します。簡単レシピの要領で苛性ソーダをまず水に溶かし、煙が出なくなったら、油を入れてリズミカルによくかき混ぜます。約1時間かき混ぜて、石けんのたねが重たくなってきたら、型に流し込み、発泡スチロールの保温箱に入れ、24時間置きます。温度がなかなか下がらないので、石けんの内部に高温がたまります。この温度も利用してじわじわとケン化反応を起こさせるのです。
さて、24時間後見てみましょう。するととても成功したとは思えない状態になっています。汗をかいて、周りはかすかに固まり初めて石けんらしい白い固形物を確認できます。が、とても型からはずせるような固さではない上に、ちょとナイフを入れてみると真ん中あたりにとろーんとしたクリームのような場所があるはずです。
手袋をしてとにかく切り出してみましょう。そしてちょっときつく握ってみてください。ぐんなりと形がゆがむはずです。この状態になるまで24時間では足りない場合もあります。その場合は保存箱から型のまま出して、外気温でさらに1日か2日置いてください。柔らかいながら、切り分けられるような状況になるまで待ってください。次にこの軟らかい石けんをステンレス製の鍋、もしくは丈夫なホーローやガラス製の鍋に入れ、石けん量の2倍を目安に水を入れ、弱火にかけます。ぐつぐつしてきたら、切り込みながらかき混ぜ、まさに「きんとん」のようになるまで練り上げます。そんなに力を入れずに、石けんをつぶす要領で混ぜていけば大丈夫です。
さらに2倍の水で煮てしばらく置き、ちょうどよい液状石けんになったら、好きなディスペンサーに入れて使う「きんとん」状態になったら、火から下ろし、耐熱性の入れ物に移します。熱くなっているので気をつけてください。蓋をしておいておくと残った水分はまた石けんに戻っていきます。2,3時間後ドロリとした濃厚な液状石けんができています。この石けんはかなりドロリとしていますので、さらにこの2倍の液状石けんを作る場合は同じ要領で水を加えて、弱火にかけ水と石けんが馴染んだら火から下ろし、(完全に溶かす必要はありません。お湯の部分と石けんが分かれていても、浸っていれば大丈夫です。)3,4時間ほど置いておくと、もっとスムーズな液状になります。
このように水分が多いスムーズな液状にしておくと使う時にとても便利ですが、使う分量だけ液状にしておくことをお奨めします。なぜなら長時間水分に石けんをさらしておくと、どんどん脂肪酸とグリセリンの結合である石けんは水に溶けていってしまうからです。時間がたてばたつほど、最終的に泡立ちが悪い液状石けんになってしまいますので気を付けてください。
「きんとん石けん」は、水の量が多すぎて失敗したかな?という時、また、温度が高すぎて、なかなか石けんの固い結晶が出来あがらない時、それから切り落としや削り落としの石けんをリサイクルする時に水を加えて熱を加え、水と馴染ませ使いやすい石けんに変えるというものです。大切なのはケン化をまず終えることです。油の量が極端に多すぎる、苛性ソーダが極端に少なすぎるという場合を除いて、ケン化反応が失敗することはありません。

そもそもケン化価って何?どうして56分の40なんて数字を掛けるの?

化学辞典や化学の本に「石けんとは原料となる油脂、水酸化ナトリウムそして水を混ぜ、化学反応を起こして作るものであり、脂肪酸とグリセリンの結合体なのである。」とあります。ふーん。それで化学式はこう、化学記号の図解はこう、とあります。ふふーん。
中学生向け化学の読み物にはケン化反応とは、脂肪とアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液)が結びつく時に起きる化学反応である。とあります。これは試験の為の丸暗記だけに使われる一文です。実際どうなの?ホントニ石けんができるの?と疑問に思うけど、時間がないから、頭で文章だけ覚えとく。となってしまいます。
そこで、実際に生徒の目の前で「ほらね!」と実験してくれた先生に会えた方は超ラッキーな人です。昔々の女学生であったHarueさんもその超ラッキーな生徒であったと言えます。頭が疑問だらけで好奇心の塊であったころに実験結果を見つめられるということは、相当に幸せな経験です。物が不足していて、油なんて貴重そのものであった時代に、なんてすばらしい教師と出会えたんでしょう...でも、そんな出会いに恵まれなかった人の方が世の中絶対多いはず。それなら自分でやっちゃいましょう!たくさん本を読んで実際試してみてデータを残す。私oapmakerもそんな自己流独学人間の一人です。
石けんをつくる為に用意された油脂にはさまざまな種類の油が考えられます。(昔ならクジラの油などもありました。)それぞれには油を構成している脂肪酸の種類により、油脂独自の特徴があり、常温での状態、匂い、色さまざまです。そして動物油脂も植物油脂もどちらも人間にとって必要不可欠なありがたいものであります。
油脂が石けんになるには、アルカリ溶液を加えなければなりませんが、必要なアルカリの量はどうやって決めたのでしょうか?原料の油脂それぞれにはケン化価という数字がすでに算出されているわけです。油脂1グラムが石けんになるために必要な水酸化カリウム(皆さんが固形石けん作りにつかうのは水酸化ナトリウム)が何ミリグラム必要かという数字がすでに、石けんづくりの本の中に表になっているわけです。(例えば一番身近な手作り石けんの本である、やさしい手作り石けん入門-アン・ブラムソン女史作、合同出版刊行p94)
なるほど水酸化カリウムの量は一目瞭然なわけですが、水酸化ナトリウムの量はどうやって求めるのでしょうか?
それが、表の下の公式にある56分の40を乗じて...というところです。水酸化カリウムの分子量が水酸化カリウムの約56分の40だから(さらに正確には56.1分の40です。つまり水酸化カリウムの方が重いということ。)油脂の総量に各ケン化価(水酸化カリウムの量)をかけて、さらに56分の40をかけるという公式が適用されます。
例えば、オリーブオイルのケン化価は185から197とされています。これはオリーブオイル1グラム(1000ミリグラム)を石けんにするには185ミリグラムから197ミリグラム(0.185グラムから0.197グラムの水酸化カリウムが必要ですという意味です。ここで、ミリグラムの単位はふつうの量りでは量れないし、想像がつきにくいので、もう少しわかりやすく、100グラムのオリーブ油で、かつ、単位をグラムで記すと、
オリーブオイル100グラムには18.5グラムから19.7グラムの水酸化カリウムで液体石けんができるというわけです。
では水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)はオリーブオイル100グラムに対して何グラム必要かというと、必要な水酸化カリウムの量に56分の40を掛けないとならないわけですから、
18.5×56分の40=13.214グラム
つまりオリーブオイル100グラムに対して13.214グラムの水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が必要
なのだということが計算できるわけです。 オリーブオイル100グラムに13.2グラムの水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)溶液を作って混ぜれば、脂肪酸とグリセリンに変化して石けんが出来上がる!すごいなあと思いませんか?そうなると賢い方は、なーんだ、ケン化価として出ているそれぞれの油脂ごとの数字に、予め56分の40を掛け算しておいて、各数字を表にしておけば、使う油の量(グラム)をその数字に掛けて、さらに1000で割れば必要な苛性ソーダのグラム数が出るじゃないの!となりますね。本の中のケン化価表に一工夫して、56分の40の掛け算後の数字を書き込んでおいて、これからは必要な油のグラム数を掛け算し、出た数字のミリグラムをグラムに変えるだけ。いつも簡単に計算しちゃいましょう!尚、水の必要量の計算のしかたはイエロールームの記事をご参考ください。

***身近な油の速攻苛性ソーダ分量公式***

オリーブ油の場合-------0.132から0.135×油の総量(グラム)
混合サラダ油の場合-----0.126から0.134×油の総量(グラム)
牛脂の場合------------0.135から0.144×油の総量(グラム)
なたね油の場合−−−−−−−0.121から0.127×油の総量(グラム)
大豆油の場合−−−−−−−−0.133から0.141×油の総量(グラム)

上記の計算によって作られた石けんはほぼ完全ケン化に近い石けんとなります。未ケン化オイルを残して、スーパーファットでオイリーな石けんを作りたい方は下記の記事をご覧下さい。

ディスカウントして石けんを作るってどういう意味?

手作りの良さは自分でレシピを工夫して、自分に合ったものを作り出せることにあります。石けんの好みも人それぞれ。とにかくさっぱり汚れを落としたい!多少あとから肌が乾燥した感じがあっても自分の肌のオイルで乾燥に対してコントロールできちゃう人もいれば、どちらかというと、肌の乾燥にはめっぽう弱くて、洗顔の後にはスクアランオイルやホホバオイルをつけなくちゃダメという人もいるはず。
そこで使用する水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)の分量を完全にケン化させる量よりも少なくして石けんを作ることができます。ケン化させない油脂を石けんの中に残すことによって、原料の油脂の良さを肌に利用させてもらってしまおうといううれしいものです。
では実際どうするかというと、苛性ソーダの分量を計算する時、いろいろな分量の苛性ソーダで石けんを作り、データを残し、自分に一番あった量を決めるという方法が一番現実的で、確かな実践方法ですね。
でもなかなかデータを取っている時間がない。その場合は過去に実験を行っている方のデータをお借りして、自分で計算すればいいのです。過去に私soapmakerは無謀にも牛脂を50パーセントディスカウントして石けんを作ってみました。
つまり苛性ソーダを半分に減らし、あとはいつもの手順どおり作りました。残念ながらその石けんはほとんど泡が立ちませんでした。半分に減らすというのはあまりにも極端すぎましたが、牛脂の固まる力そのものはすごいもので、ちゃんと固くなり、見た目は白い石けんそのものです。しかし泡がほんのちょっぴりしか立たない石けんとなってしまいました。
では牛脂の場合はどれくらいまでのディスカウントが許されるか?好みにもよりますが、いろいろ試した結果7パーセントから12パーセントがちょうど良い使い心地です。牛脂100グラムに対して必要な苛性ソーダの量は本来なら約13.5グラムが完全にケン化する分量ですが、13.5グラムを100として12パーセントディスカウントしたいなら、13.5グラムのうちの88パーセントの分量を使うということになります。13.5×88%(0.88)=11.8グラムの苛性ソーダ
この分量が、12パーセントディスカウントの石けんを作るよ。ということになるわけですね。
では各身近な油のディスカウントは大体どれくらいまで許されるのでしょう?
soapmakerの体験では不飽和脂肪酸を多く含む混合サラダ油なら、5パーセントから8パーセントが限界でした。ただ、不飽和脂肪酸でもオレイン酸を多く含んでいるオリーブ油の場合は10パーセントから12パーセントディスカウントできます。 それ以上だとどうもべたつく感じです。不飽和脂肪はケン化にも時間がかかるためさらに普段の温度では液状の脂肪ですから、あまりディスカウントし過ぎない方が固形石けん作りには良い条件と言えます。
一方、先にも述べた、牛脂のような飽和脂肪の仲間は普段の温度でも固体のままです。そして分子の形態が安定していますのでケン化反応の過程でも安定しようとする力を持っているので、すぐに固くなり固形石けんの原料にはぴったりなわけです。だから50パーセントまでディスカウントしても一応は固まるという現象がおきたのでした。
余談ですが、日本ではなかなか身近ではないココナツ油(ヤシ油)やパーム油などはパルチミンサンやラウリン酸という飽和脂肪酸を多く含む油はまさに固形石けんにはまさにうってつけなのです。イエロールームの身近な材料のところでも述べましたが、ケン化価も高く、海水でもあわ立ちの良い固い石けんができる材料というわけですね。
でも身近なサラダ油でも十分よい固形石けんを手作りできるというところが豊かな日本の幸せなところです。
オイルリッチでサラダ油のもつビタミンを肌に取り入れることができる苛性ソーダのディスカウント計算は、皆さんそれぞれのオリジナルの分量を試してみてください。

天日干し? それとも日陰干し?お部屋の中で熟成させる?

ベランダに並べて天日干し中です!オイルを石けんの中に残して、それぞれの油の良さを生かすディスカウント計算のお話をさせていただきましたが、オイルが残っている石けんなら、直射日光は油に対してよくないということは理解できると思います。
春江工房では、ケン化反応をほぼ100パーセントにさせている石けんなら、ベランダなどで、とにかくどんどん乾燥させていくようにしています。良いお天気の中よく干した石けんは表面のソーダ灰も薄くなり、良いつやをしています。直射日光もなんのその、できあがりの良さは変わりありません。特に無香料の洗濯石けんは戸外でガンガン約3ヶ月干すと、石けんの滑らかさとあわ立ち、そして石けんそのものの香りとお日様の匂いがします。
もしかしたら、よく干された石けんの香りは、人間が一番好きな匂いなのではないでしょうか?
いろいろな製造過程には環境条件がつき物です。それぞれの工夫とやり方でのんびり熟成させていいと考えます。とにかく時間をかけてよく寝かせること=干すこと=熟成させることです。最低3週間。できれば数ヶ月干すと、よりマイルドな良い使い心地が実感できます。使い比べてみると良くわかりますので、ぜひ実験してみて下さい。
自分の作ったレシピに合わせて、干す環境条件を工夫し、雨にぬらしてしまうなんてことのないように、また家族やペットにもしものことがないように、十分気をつけて管理しましょう!

手作り石けんはどれくらい長持ちするの?

目の前に3年前の洗濯石けん、1年前の牛脂石けん、そしてサラダ油と牛脂をブレンド、カモミールティを入れ、約10パーセント苛性ソーダの量を少なくして作ったハーブ石けんが各々3つあります。洗濯石けんと牛脂石けんは、匂いも見た目も変わったところはありません。暑い夏、寒い冬、部屋の中の本立てに並べられていました。両方ともOPPというセロファンに近い包装用ビニールに入れ、軽く口が閉めてあり、空気の穴が開いています。
一方、同じ状態のカモミールティ入りサラダ油と牛脂ブレンド石けんは、ラベル用紙が張り付いてどれもインクがにじんでいます。そしてちょっと角がやわらかくなっています。急いでパッケージから出し、ラベルをはがして裸にしました。先日このカモミールティ石けんをお風呂で使いましたが、よーく泡が出て、使い心地は満点でした。混合サラダ油をディスカウントして作った石けんは、不飽和脂肪酸のもつ特徴から、変質しやすい特徴をもっていると考えられます。
オイルリッチに作られた手作り石けんはなるべく1年以内に使うのがいいと思います。その他の手作り石けんはよほどいろいろなものを入れすぎていない限り、良く熟成させていればかなり長く持ちます。洗濯石けんと牛脂石けんは、ほとんど使用期限はない様子です。保管場所に気をつけ、ラベルなどの梱包物が劣化しないように、できるだけ風通しの良い涼しい場所に保管しましょう。


なぜ使用済みてんぷら油は手作り石けんに適しているの?

経済的でとっても重宝な使用済み油で石けんづくりを!とてもケン化しやすい廃油石けんを作って驚きの方が多いと思います。買ってきたばかりのサラダ油よりずっと石けん作りを楽に進められるからです。でも何で?どうしてすぐにとろとろの石けんのたねの状態になるのでしょうか?新しい混合サラダ油で石けんを作ると、翌日分離していて、またかき混ぜる作業をしないとなりません。これは大豆油や菜種油のもつ特質がケン化しにくい不飽和脂肪酸を多く含んでいるからですが、ちょっと面倒です。
使用済みてんぷら油には何か特別な変化が生じているからではないだろうか?といろいろ調べてみました。てんぷらにするには油を170度ぐらいに温度を上げて、その中に衣やパン粉のついている具を揚げるわけですから、油にはいろいろなものが混ざりあった状態に一時的にもなるわけです。そして油は一般に言う酸化していく状態になるわけで、油の劣化がはじまるのです。大豆や菜種、とうもろこしの油が本来持っているビタミンはどんどん少なくなっていきます。これらビタミンは人の肌にも良い影響をもたらし、スキンケアにももってこいなのです。このビタミンはどうしても少なくなってしまうのですが、石けん作りには向いているというどっちつかずの悩ましい状況がまさに使用済みてんぷら油です。
化学的には、油に高熱を加えたりする酸化を進ませる過程では、空気中の酸素との反応で水素が脂肪酸の分子から離れやすくなり、またそれを補う為に近くの脂肪酸の水素をくっつけたりと、油脂の中でより安定する形をとろうとする働きがおきます。
特に不飽和脂肪酸が多く含まれるサラダ油(てんぷら油)等は、より安定した分子の形であるハイドロパーオキサイドに変化していきます。そしてハイドロパーオキサイドはさらに安定した形のカルボン酸化合物へとどんどん酸化が進んでいくということです。(油脂化学入門−黒崎富裕氏、八木和久氏共著-産業図書刊参考)
ここからは推察ですが、一般の家庭で2度ぐらいのてんぷら使用のあとに残った油がここまでになるのは相当な時間と温度や光の条件などが油にとってひどく悪い状態で保管していない限り、最終の酸化状態にはならないと考えられます。
初期の酸化ぐらいの状況で、水素がくっついたり離れたりの不安定な状態の中に、水酸化ナトリウム溶液(苛性ソーダ)を加えると、安定しようという結合の作用が起きやすい状況にあるわけなので、結果的にケン化しやすいのだと考えられます。おまけに先にも記したように、いろいろな乳化剤の役目を果たす物質など(衣やらパン粉やら)が天ぷらを揚げると油に加わることになるのだから、元の油の性質とは違う状況になるのは仕方がありません。
それではどれくらいのビタミンが失われてしまうのでしょうか? 天ぷら屋さんではわざわざ何度か繰り返し使用した油を使った方が風味のある天ぷらができるといいます。また、さし油をして大切に天ぷら油を使い、さらに炒め物にも使い、きちんと油を使い切る方も大勢います。要するに廃油と言うには一般家庭ででる天ぷら油などはあまりにも新しすぎるというわけですね。美味しく食べるための目的で食用油はあるのですから、スキンケアの考え方と組み合わせるのはちょっと無理がありますが、油の劣化はそんなにすさまじい勢いで起きるものではないという実験結果をテレビ「NHK試してガッテン!」で見ました。
初期の酸化により失われるビタミンがどれくらいなのかはわかりませんでしたが、 真新しい油が持つビタミン量は望めないけれど、十分使えることのできる状態で、かつ酸素と水素のおかげでケン化しやすい状態の油である。というのが使用済み油の特徴と言えるのではないでしょうか?うーん貴重な手作り素材ですよね。ぜひともどんどん再利用して、石けん作りを行っていきましょう!

使用済み油で作った手作り洗濯石けんの洗浄力は本当にすごいの?

とにかくすごいと言って過言ではないと自慢してしまっています。
なんでもピカピカにできちゃうとも言えます。そして衣類はふわふわに気もち良く洗えるのです。例えばセーターや絹のシャツ。40度ぐらいのお湯によく溶かしておき、よくかき混ぜるとブクブクの果てしない泡が立ちます。その中に漬けて押し洗いをし、3回よくすすぐ。とにかくふんわりと仕上がり、汚れもきれいに落ちます。絹のシャツは黄ばみも消えます。木綿のシャツももちろんです。絹のシャツには驚きました。絹の場合はお湯の温度が高いほどいいです。
次にワイシャツです。襟や袖の汚れにこすりつけてから、歯ブラシでこすります。やはりぬるま湯によくシャツをなじませてから、石けんを塗りこみ、こすります。やっぱり落ちるんです。すごく驚くほど!洗濯屋さんも一押しなのがわかります。アルカリの力は強し!
そして洗濯石けんはまさに万能。食器もピカピカに洗いあげます。滑りやすいという場合は、少しアレンジしてコーヒー豆キッチンソープにしてみて下さい。コーヒーの粒粒のおかげで摩擦が起こり、スポンジと食器がつるりんと滑り落ちることはありません。おなじみのうどんのゆで汁やお米のとぎ汁、スパゲッティのゆで汁とのコンビネーションで洗濯石けんを使うのもお勧めです。おまけに手は荒れないし、恐ろしいほど良いことだらけなのです。
また固形洗濯石けんだけではなく、プリン石けんもよく汚れを落とす優れものです。半端な苛性ソーダが容器に残ったら、ぜひぜひ作って利用してください。
私soapmakerのプリン石けんは油に熱を加えない、いわゆる固形洗濯石けんの水の分量を多くして作るもので、先に耐熱プラスチックの中に半端に残った苛性ソーダを入れておき、使用済みてんぷら油を適当にいれてかき混ぜ、あとから熱いままのスパゲッティのゆで汁やスペアミントティーを加えて毎日かき混ぜていくというものです。様子を見ながらプリンプリンの状態になるまで水分を加えかき混ぜて1月置くと、苛性ソーダの量によりけりですが、泡立ちはあまり良くない、やわやわプリン状の石けんができます。これがおどろくなかれ、食器洗いに抜群な威力を発揮。鍋の焦げ付きなどもきれいに落ちます。
とにかく苛性ソーダはすごい。そして恐るべしゆで汁。
こんな楽しい実験を日々繰り返しているとますます手作りが好きになっていきます。はっきり言って、ハマります。ぜひぜひ挑戦してみてください!



[HOME | このページのトップに戻る | ハンドメイドQ&Aイエロールームへ | 石けんリスト | 手作りの良さとは? | 100パーセント牛脂石けんの作り方 | ご案内 | 参考書籍 | 工房風景 | ひとりごと | Link | profile]

最終更新日:2001年8月14日  (C)春江工房 Sawada Chie=soapmaker