苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)はどのように作られるのでしょう?
手づくり石けんには欠かせない、苛性ソーダ。この劇薬にして重宝、かつ人間に不可欠な化学薬品の秘密
秘密を知れば、初めてさんでも取り扱いはもう怖くないはず。まずは製造過程、そして取り扱い時の注意へ 取り扱い事項をよく読んで安全に利用しましょう!



○●。苛性ソーダの製造過程を確認しましょう。●○

水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)の原料は、ナトリウムという名前から想像できるように、海水からとれる天然の塩が原料です。日本は海水にも恵まれているので、この自然の恵みとも言うべき苛性ソーダを、比較的簡単に製造できるのです。

まず天然の塩は食塩水にされます。この食塩水そして純水の二つが用意され、イオン交換膜で仕切られた容器にそれぞれが入れられます。

次に純水の入った容器にはマイナスの電気を、食塩水の入った容器にはプラスの電気を流します。

そうすると電気分解が行われ、純水の入っている容器の中は水酸化物イオンと水素に分解され、食塩水の容器ではナトリウムイオンと塩素に分解されます。

水素と塩素は塩酸を作ることができるので、それぞれ水素と塩素は別の容器に取り出して利用されます。

一方、残りの水酸化物イオンとナトリウムイオンが水酸化ナトリウムになるわけですが、ナトリウムイオンはイオン交換膜を通って、純水の容器に入っている水酸化物イオンにくっついていきます。これがまさにイオン交換の技術の賜物なのです。

純水の入った容器の中で出来た水酸化ナトリウム溶液は、フレーク状に加工され、私達が手作り石けんに利用している、苛性ソーダとして薬局に売られていきます。

水酸化ナトリウム溶液は製紙工業において、パルプを作る為に重要な薬品です。木材チップを溶かして、パルプを作る為です。紙は人間にとってなくてはならない存在ですので、パルプを作る為に不可欠な水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)の重要な役割が実感できますね。

よく苛性ソーダって劇物だから塩素系が入っていてとにかく危険なのではないか?と心配される方が多いと思いますが、製造過程が解ると、それは間違った見解であると納得してもらえると思います。

水酸化ナトリウムとはナトリウムイオンと水酸化物イオンがくっついて出来たもので、食塩水に含まれる塩素は分解されて取り除かれている、強いアルカリ性の物質です。そして人間の生活に、もはやなくてはならない重要な薬品なのです。


○●。苛性ソーダの主な特徴。●○

手作り石けんを作り過程で、苛性ソーダを水に溶かして作る水溶液は前述のとおり、強いアルカリ性の溶液となります。

例えばこの水溶液に葉っぱを浸しておくと、葉の細胞が溶けて葉脈だけが残ります。この葉脈はきれいな栞作りに利用できますが、アルカリの力のすさまじさを物語る実験です。

小さなスペアミントの若葉を石けんの型の底に敷いて、石けんの種を流し、1週間のちには緑色がすっかり失われ、黄土色の葉脈が浮き出て、葉っぱの形が残せて面白い模様の石けんを作る事ができます。
でも若葉自体のきれいな緑色が石けんのアルカリ性に負けてしまうので、葉の新鮮さはアピールできません。

このアルカリに負けない葉をいろいろ探して、石けんを緑色に演出できたらとても楽しいはずですよね。多くのハーブや緑茶など身近な材料のほとんどはアルカリに弱く、黄土色に変化してしまいますが、アルカロイドの強い性質をもつハーブ、コンフリーの葉は比較的にアルカリに強く変色しにくい性質があります。薬局で売られている液体のクロロフィルを利用した時ほどきれいな黄緑色の石けんにはなりませんが、自然の材料が大好きな方にはもってこいの実験材料ですから、ぜひお試しください。

コンフリーは和名がヒレハリソウ。ブルーズワートとも呼ばれシップ薬に利用する人がいます。若葉は少しだけなら食べられますが、アルカロイド毒がありますので多量に食べてはいけません。(しかしながら、てんぷらが結構いけるのです!)ムラサキ科の植物で肌には潤いを与えてくれるハーブです。



Beware of the caustic soda!! 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の取り扱いについてのまとめBeware of the caustic soda!!
the handmade soap book の著者であるメリンダ・コスさんからの提案も参照しつつsoapmaker自身の経験より

その1
保存,保管場所に十分な注意を!
苛性ソーダが入っている容器のフタはきっちりして、危険物であることのシールを貼り、湿り気のない高い棚の中などに保管すること。子供やペットに十分気をつける。
その2
扱う時には手袋をして!
苛性ソーダを手で扱う時には、必ずゴムの手袋をすること。油脂とアルカリ溶液を混ぜ合わせる時にも必ず手袋をして作業すること。
その3
目に苛性ソーダの煙などが入らないように十分な注意を!
アルカリ溶液を作る時や油脂と混ぜる時など、目を守るゴーグルや大きなサングラスなどで目を守る。
その4
ゴムの手袋をしても、さらに苛性ソーダに気をつけて!
ゴム手で苛性ソーダに触れた後、ゴム手に付着したわずかな苛性ソーダの粉末が危険。顔や目をこすったり、他の所を触ったりしないで!
その5
とにかく換気を十分に!
窓や換気扇を回して、新鮮な空気を絶えず吸える状態で作業をすること。水と苛性ソーダを混ぜる時(アルカリ溶液を作る時)容器からは煙が数秒間ぐらい上がります。完全に苛性ソーダを溶かすため、かき回している間も煙が立ちこの煙を吸い込んだりしたら大変!マスクをして、目を守って、十分な安全姿勢をとること。
その6
苛性ソーダと苛性ソーダを加えた油脂(石けんミックス)の置き場に十分気をつける。
作業中も作業していない時も家の中の誰が足を引っ掛けたりするか解らないので、置き場所や作業場は必ず安全確保をしてとり行うこと。特に小さい子やペットに気をつけて!
その7
一見美味しそうにも見える石けんミックスにご用心!
苛性ソーダと苛性ソーダを加えた油脂(石けんミックス)はほんとにゆるいホットケーキの種にそっくり。ぜーったいに間違えないようにくれぐれもご用心を!見た目より美味しくないもん。確かに。とメリンダさん。当たり前でしょう...
その8
最低でも2週間の我慢を!
石けんを型から外して、完全に石けんに仕上がるまでは強いアルカリ成分が肌を荒らして危険。じっくり寝かして熟成させてから、最低3週間後にようやく手をあらうテストをしてみる。それまでは決して素手で石けんを触らないようにしよう!
その9
万一肌に苛性ソーダがついたら?
アルカリ溶液の場合は流水で長時間よく洗い流し、お酢をつけてさらに水で洗い、後でアロエを塗ると痛みは和らぐ。まずはよくよく水で洗い流す事を忘れないで。また苛性ソーダの粉が手などに着いてしまったら、まずお酢で中和して水で流す。(映画「ファイトクラブ」をご覧の方は良くご存知ですね?)この劇物がやけどのようにチリチリした痛みを伴い、肌が変色してしまうぐらい危険な劇物であることを忘れないで。目に入ったら最悪失明もありうるのです。応急処置はとにかく流水で洗い流しつづける事。それからすぐにお医者さんへ。
その10
後片付けも十分注意を払う
石けんを作った鍋、アルカリ溶液用の耐熱ピッチャー、かき回し用の菜ばしや泡だて器など、熟成されていない石けんが付着しているので、必ずゴム手袋をして扱う。熟成していない石けんは強いアルカリと油の性質のまま。だから、鍋は乾かした後に周りを削り落としてから、すでに出来上がっているキッチンソープで洗いよくすすぐ。または新聞紙やボロ布できれいにふき取ってから洗うと良いです。この時もベトべトだから十分気をつけ絶対肌に付着しないよう注意して。一番無駄にならないのはそのまま1週間ほど置いて、こびりつき石けんにしてしまい、手袋をしてスポンジで拭い取りながら、キッチンや洗面所など、このこびりつき石けんでついでに掃除してしまうのがおすすめ。

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