kaz8のこの台詞にしびれた
しびれた、というのは人間の多種多様な感情のうち、「感動」を現す言葉の中の一つに過ぎません。このコーナーでは、単純な感動というだけでなく、喜怒哀楽を問わず、それぞれ、心を動かされた「いいひと。」中の台詞についてまんべんなく取り上げながら、簡単にその理由を書きとめていこうと思います。台詞によって添える文章が長かったり短かったりするとは思いますが、あまりに長くなりそうなものに関しては、コラムとしてしっかりと取り上げるつもりなので、こちらに登場するものは、わりと簡潔なものが中心となりそうです
その1
「先にオレが好きになるから、向こうも好いてくれる」
ゆーじ 第1巻 11ページ
この漫画におけるキーワードは、ひとつは、タイトルにも登場する「いいひと」であることに異論はないでしょう。
これはまあ、改まって言うと何だかちょっとピンとこないが、まあ、今後、どれだけゆーじが「いいひと」なのかについて語る機会はあると思うので今回は改めて言及はしないでおきましょう
もう一つは、本文中にはあまり出てこないのですが「いいツキ」。要するにゆーじは、とても幸運な男なのです
とにかくこの人、
「犬も歩けばなんとかってやつよ。あの子がいる所には、めんどーなことが降りかかるよーになってんのよ」
(1巻40ページ、松ちゃん談)という友人談を取り上げるまでもなく、大小を問わず、ありとあらゆる災難が降りかかりつづけるのだが、そのいずれも、誰かが助け船を出してくれ、その災難をクリアしていきます。そして、その災難をクリアしてくれる人は、以前困っているところをゆーじに助けられた人が多いわけで…
このWORK1だけで見ても、迷子になっていたみっちゃんを助けたお蔭で飛行機に乗り遅れたものの、何とかスムーズに次の飛行機に乗れたのはみっちゃんの母親・真理子さんのお蔭。そして、面接に遅刻し、城山部長の判断で試験は不合格になるだろうと思われていたところ、それを翻意させようと城山部長を説得してくれたのが、みっちゃん、真理子さん、部長の母、二階堂主任、そしてタクシーの運転手…そのうちタクシーの運転手以外は全員、そもそも、ゆーじに助けられ、その結果としてゆーじが面接に遅れる原因となった人間ばかり。
このパターンは、「いいひと。」の定形パターンとして、今後も何度も登場しますが、ゆーじは、困っている人を見れば、迷うことなく自然な形でその人を助けてしまうという、いわば本能的なものが働いているようです。そして、ポイントとなっているのは、ゆーじがそのことに対して少なくともその場では
見返りを要求しない
ところ。必ず後になっていろいろな形で恩恵を受けているとはいえ、その恩恵が受けたいがために親切な行動にでるのではない。だからこそ、真の「いいひと」として認められ多くの登場人物、そして読者から愛させるキャラクターとなっていったわけです。
正直なところ、この台詞自体で、そんなに強く感激したというわけではないのですが、第1話に登場する、さまざまな「いいひと」を示すエピソードの中から、代表的な、今後の起点となる言葉という意味であえてこれを選ばせていただきました。
これから先は、もっと色々な意味でぐっと来る台詞がどんどん登場するはずですが、それは次回の更新以降でまた
執筆 2004年1月5日
第1巻
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