なぜ「」ドラマ化は失敗したか

 自分が連載初期のまだそれほど知られていないころから応援してきたマンガがアニメ化なりドラマ化されるというのは誇らしいものです。それは、そのマンガが面白い作品だと認められたという勲章であり、新たに多くの人にそのマンガの良さを知ってもらうチャンスだからです。
 テレビというメディアの威力の大きさは半端ではありません。例え視聴率が5%の番組(←時間帯にもよりますが、決して良い数字とは言えませんよね)でも、全国1億2千万人の国民のうち、500〜600万人の視聴者に一度に訴えかけることができるのです。ほかのメディアでこの500万人という数字を確保するのは大変なことです。例えば新聞なら、500万部という部数をクリアしているのは朝日新聞と読売新聞だけです。もちろん、1部につき1読者というわけではないので、もっと500万人という読者数を割り出すには複雑な計算式が必要ですが、新聞に書かれていたところで、読者全員がそこを読むなどということもあるはずもないわけですし、まあ、どう見積もってみたところで、500万人の読者に訴えるなら、最低でも100万部は発行されていないと無理でしょう。それをクリアしている新聞だって10数紙といったところです

 これまで、私がテレビアニメ化、あるいは映画化される前から応援してきたマンガには「ちびまる子ちゃん」「幽☆遊☆白書」「スラムダンク」「電影少女」「H2」「はじめの一歩」…といった作品があります。自分が応援した作品が出世していくというのは、自分の子供が成長していく姿を見ているようで誇らしくもあり、また自分のマンガの見る目の確かさを誇示(「おれ、このマンガは最初の頃からずっと読んできてたもんね」と周囲に自慢しまくり)し、悦に入る絶好の機会でもあります。これまでは、素直にこれらのアニメ化、ドラマ化を喜んできました。もちろん、「」がドラマ化されるときも…

 ところが、その破壊力のあるテレビという世界で、原作とはかけ離れたデタラメなものが垂れ流されたとしたら…どうなるでしょう。
 もちろん、マンガの世界で表現できることと、テレビで表現できることに違いがあるのは当然で、こと細かいところにいちいちケチをつけるのはいかがなものかとは思います。私だって細部になんてケチをつけるつもりはありません
 でも、その作品の一番素晴らしいところ、作品の生命線というところを台無しにされたとしたら…
 それをされたのが、この「いいひと。」というテレビドラマなのです。

 以下、テレビドラマ「いいひと。」というのが一体何をやらかしてくれたのか、検証していこうと思います。
 ぜひ、あなたがある(まだ世に広くしられていない)マンガのファンなら、そのマンガがアニメ化されたり、テレビドラマ化されるとなったときは、能天気に喜んでばかりいずに、眉につばをつけて、その動向を見守りましょう。テレビ側がおかしなことをし出したら、断固戦いましょう。自分たちの作品の素晴らしさを貶められないためにも…
第26巻巻末言より2003年1月3日更新
私が言う「風評被害」とはどういうことなのか、どれほど深刻な問題なのかは、こちらを読んでいただければお分かりいただけるでしょう。関係部分を引用しました
2003年1月3日の巻頭言より2003年1月3日更新
このサイトの巻頭言は普段、過去ログを取ってありません。取る必要性を私が感じていないからです。
でも、さすがに、この日の分だけは、取らざるをえないと思います
「最終兵器彼女」アニメ化騒動2003年1月3日更新
「サイカノ」のアニメについてはここで多くは語りません。でも、アニメ化するかどうかさえ決まっていない段階でのあの騒動については、語らずにはいられません、それはとりもなおさず、多くの「」ファンが、テレビドラマ「いいひと。」を忸怩たる思いで見ていたかという何よりの証拠だからです
」正誤表2003年1月3日更新
マンガとテレビドラマの違い(違うところが沢山あるのは当たり前)のうち、「」ファンとして、ならびに札幌市民としてどうしても許しがたい点だけに的を絞って列挙します。
それでも、私が最後まで「いいひと。」ドラマと付き合うことができれば、かなりの膨大な量になるはずです。
とりあえず、第1話分だけアップしましたけど…もう熱出そう(^^;;;
地に落ちたテレビドラマ準備中
一義的にはそういうドラマを作るテレビ側が悪い。でも、それを喜んで受け入れる視聴者側にも責任はあります。

最後にオマケのひとりごと
 しん先生がしっかりとけじめをつけて「」の連載を終えてくださったことは素直に評価しています。投げやりに連載を終えた、ドラマ化失敗で嫌気をさして、作品を放棄などとはこれっぽっちも思っていません。
 でも、一連のこの心の傷以外にも、一つ重大な問題があります。それは、もし、テレビドラマがちゃんとした作品で、「」人気を高めることに成功し、連載が長く続いていたなら、きっと描かれていたであろう、「」のこんなシーンが読みたいな、というところを描いてもらう機会を失ったことです。中でも「ライテックス号とはどんな靴?」「ゆーじの父親とライテックスの関係は?」(第26巻35ページ、第1巻166、167ページなど参照)といった、「」ファンなら誰もが気になることが、歴史の中に、そして、しん先生の心の中に封印されたままになることは、ファンとして残念でなりません(ま、「書いてはいけないもの」なのかもしれませんがね。書いてしまった途端に、その神話は終わりを告げますから)
 このことを惜しむ「」ファンは決して私一人ではないはずです。このことだけでも、へっぽこなドラマを作ったテレビ側の重罪は、たとえスタッフに死んで詫びてもらっても許すことはできません。

「いいひと。」風評被害復旧対策委員会