リフォームをお考えの時こそ耐震診断・耐震補強のチャンスです。計画的な補強工事で工事費用を節約しましょう。
 奈良県・橿原市で住宅・店舗をお考えの方ぜひご相談ください。 建築設計事務所は建て主さんの最良のパートナーです。 【木童建築工房】は奈良県橿原市の一級建築士事務所です。

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 ―  耐震補強とコストの考え方 (1) ― 

最終更新 2006.11.20


耐震補強とコストとのバランスの考え方

耐震補強ではあてにならない経験、計算が全てを握る

耐震補強をご依頼いただく際に感じるのは漠然と補強しなくてはいけないとは思ってはいても実際にどのように補強するかや建物にどの程度の耐震性能をもたせれば良いかなどの事は建て主さんには把握できているとは思えません。

当然そのような事を知らないのが当たり前ですから、しっかりと説明し理解してから補強の計画に取り掛かるのが当然です。

しかし、何せ補強計画はあっちを立てればこっちが立たず。といった相反する要素の調整が必要な上、費用対効果の問題も有りベストの答えを見つける事はとても複雑です。一般のリフォームに比べ手間がかる上、話も難しいくなりがちです。

そのため「これを付ければ大丈夫」と、さも分かり易く自信ありげに胸をたたく耐震補強の知識も技術もない詐欺まがい業者の効果の無い耐震補強工事を信じ込み実施する事態に陥ることが多々あります。

現状では効果的な耐震補強計画を立てられるのは一部の木造に強い意匠・構造設計事務所のみと言ってよいでしょう。工事業者の場合は最新の技術・知識を十分に身に付けているとは言えず、設計事務所であっても主たる業務が代願業務であったり、一般の構造設計事務所は木造建築の知識に乏しく計算は出来ても補強工事の計画は立てるのが苦手という所も多々ありますが、設計事務所選びでさえ間違えなければ最もコストパフォーマンスの高い計画・施工を実現できるのは設計事務所に依頼することが現実的です。

ところで当社では補強計画の目標設定に関して補強計画を立てる際に建て主さんに3通りの目標設定を提案します。その内容は次の通りです。

耐震補強方針とコストの実際

建物がある地域の地震リスクから補強目標を決定する事が重要

1) 阪神淡路震災と同等の震度7程度の地震に遭遇しても中規模から大規模の補修で建物を引き続き使用可能な物とする事を目標とする。

これ関しては壁の強化・追加、屋根の軽量化、基礎の補強といった有りとあらゆる手段を使って建物の評価を高めていきます。ある意味コスト的には天井知らずの状態です。

予算額

300万円〜

目標上部構造評点

1階・2階共 【 1.5 】 以上 。

屋根

原則 軽量化を実施する。

小屋組

水平構面の剛性確保の為、設置可能な部位には火打ち金物やブレース等の設置を実施する。場合によっては一部天井の撤去により実施する。

躯体

原則、外部よりの補強とし不足分を内部よりの補強で補う。必要であれば壁を新設し配置バランスをとる。また、H12建告の仕様に準じた構造金物を設置する。

基礎

有筋基礎の場合 アラミド繊維(基礎引きホールダウン金物の代用品)等による基礎と躯体の結束を実施する。 無筋基礎の場合 基礎の有筋化等の補強又は新設を実施しホールダウン金物を使用する。

地盤

別途検討する。

共通事項

構造金物は国土交通省の強度認定を取得した物を原則使用する。

2) 阪神淡路震災と同等の震度7程度の地震に遭遇しても瞬時の倒壊を免れ、避難する為の時間を十分に確保する事が可能である物とする事を目標とする。

これは建物の上部構造に特化した補強方法の選択になります。この場合では基礎仕様が無筋コンクリート基礎以上の仕様の場合は基礎の補強は無視します。仮に基礎が破壊して建物が基礎から外れても上部構造体が十分強く変形しないのであれば少なくとも倒壊はしないという考え方です。この場合建物の中で家具が冗談ではなく飛び跳ねる事が予想されるますが、建て主さんの中には、地震の際に2階は倒壊しにくいから2階に逃げるとおっしゃる方が多いので、まあ1階が崩壊して3m近く落下する事を良しとするので有れば建物が50cmばかりずれるのも許容範囲内ということでしょうか・・・・。

(実際は震度7では立ち上がる事もできませんし、無補強の建物が倒壊するばあいは地震発生から数秒で倒壊します。)

いや、それは困るという場合で基礎の補強を行うほどの予算が無い時は後付けホールダウン金物等が既存基礎に損傷を与える可能性を考慮しながら設置を検討するかアラミド繊維の圧着等の基礎に負担の少ない方法で上部建物を基礎に固定します。

予算額

180万円〜300万円

目標上部構造評点

1階【1.25】以上、2階【1.0】以上

屋根

軽量化して補強箇所を減らすか、軽量化せずに壁を多めに確保するかを選択する。

小屋組

水平構面の剛性確保の為、設置可能な部位には火打ち金物やブレース等の設置を実施する。天井の撤去による施工は原則行わない

躯体

原則、外部よりの補強とし不足分を内部よりの補強で補う。必要であれば壁を新設し耐力壁の配置バランスをとる。また、主としてHD-10以下の金物で補強を行い基礎補強を行わない場合は基礎引きHD金物を評価しない。

基礎

著しい問題が無い限り補強対象としない。 アラミド繊維(基礎引きホールダウン金物の代用品)等による基礎と躯体の結束を実施する。

地盤

著しい問題が無い限り補強対象としない。

共通事項

構造金物は国土交通省の強度認定を取得した物を原則使用する。

3) 予算の範囲内で最低確保したい耐震性能を確保し1階の倒壊防止に主眼を置く。

建物の1階部分に予算を集中する事によりコスト削減を図った考え方です。一般に耐震性能の低い建物は1階から倒壊することが多く、これに的を絞った補強を行います。基本的な考え方は2と同じで建物本体を十分に固め基礎が崩壊しても建物は倒壊しないという状況を作ります。 (数年前の古い耐震補強の考え方では2階を無視する事も有りました。)

予算額

120万円〜180万円

目標上部構造評点

1階【1.0】以上、2階【0.8】以上

屋根

著しい問題が無い限り軽量化は実施しない。

小屋組

水平構面の剛性確保の為、設置可能な部位には火打ち金物やブレース等の設置を実施する。天井の撤去による施工は原則行わない

躯体

原則、1階は外部よりの補強とし不足分を内部よりの補強で補う。主に耐力壁の強弱により耐力壁の配置バランスをとる。また2階は主として収納スペース部分を中心に内部から補強する。主としてHD-10以下の金物で補強を行い基礎補強を行わない場合は基礎引きHD金物を評価しない。

基礎

著しい問題が無い限り補強対象としない。 アラミド繊維(基礎引きホールダウン金物の代用品)等による基礎と躯体の結束を実施を検討する。

地盤

著しい問題が無い限り補強対象としない。

共通事項

構造金物は国土交通省の強度認定を取得した物を原則使用する。

実際の補強方法の組み合わせはもっと複雑ですが基本的な方針は上記の通りです。例えば屋根の軽量化の場合2階部分の屋根だけ軽量化するといった選択も可能ですし、リフォーム予定の部屋があればその部屋を全体のバランスをとりながら補強するという方法もあります。数通りの補強計画を立てその中から低コストで高い効果が期待できる補強方法を探しなが設計を進めていくのが実際のところです。

補強の基本は建物の耐震上の弱点を見つけ出し排除すること

建物の耐震性能や補強後の建物の性能、またそこに至る補強費用は建物の最初の状況に大きく左右されます。一般に大きな弱点が建物にある場合はその弱点を集中的に是正することで費用対効果の高い補強を行えます。 例えば建物の評価点が同じ0.4であったとしてもAの建物は1階南北方向が0.4東西方向が1.0、Bの建物は南北東西共に0.4の場合ではAは南北方向の補強のみで1.0まで補強が可能なのに対しBは東西南北全ての方向に対し補強が必要になります。


―  耐震補強とコストの考え方 (2) ―

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