今戸人形

 今戸人形は江戸後期より明治にかけて江戸浅草で作られていた人形です.大正時代に一時期,尾張屋春吉により復活され,また現在も復活品は作られています.しかしながら,非常に有名な人形でありながら関東大震災および戦災の影響で,江戸期の伝世品はきわめて少なく,江戸時代の屋敷跡の発掘現場から色落ちした埋蔵物として出土することはあっても,完品はほとんど見ることがありません.東京がまだ江戸と呼ばれていた時代の,おおらかで粋な古今戸人形を展示します.
布袋

 高さが19cmもあり,小品が多い江戸期今戸人形の伝世品の中では,ととても大きな作品です.オレンジ色に近い丹と緑青のとりあわせがとても美しくおもえます.全体から福々しさがにじみでています.おそらく,震災および戦災を逃れた関東地方のいづこかで大切に保管されていたのでしょう.ほとんど剥脱を認めない完品です.