庄原人形

 広島県の山間部,庄原市でかつて土人形が作られていたことをが初めて報告されたのは昭和47年のことです.作者は樽岡甚作.三次十日市人形の職人であった樽岡甚作が,明治の後期に庄原市に移り住み,三次人形の影響を受けながらも,あえて独自の型を起こし,大型で顔が大きく,なんとなく間の抜けた人形を作り始めました.一代限りで廃絶したため,現在ではほとんど採集されません.個人的には,この強烈な個性を持つ人形が,宮の峡や十日市などより断然魅力的だと思います.郷土玩具関係の本にも現物はほとんど載っていないので展示しました.
立娘

 十日市人形の立ち娘がモデルであることはまちがいありませんが,単なる物まねでなく,あえて異質な人形に仕上げられています.顔が大きく,間が抜けており,彩色も下手で,お世辞にも美人ではありませんが,顔立ちの整った十日市人形よりはるかに魅力的です.高さ45cm.明治末期から大正時代.