堤人形 壱

 宮城県仙台市の北部、堤町で江戸中期より作られている土人形で、浮世絵の立体化とよばれる名型が多数残されています.特に江戸時代の作品は、沈んだ渋い色調の植物顔料の赤が特徴的で、憂愁の美と称されています.面書きも手慣れた筆でいきいきと描かれ、郷土人形の最高峰です.江戸期の作品を並べてみました. 
一人舞

 舞姿の官女でしょうか.長い時の流れの中で酸化して深みを増した植物染料による彩色,細かく丁寧な花柄模様,気品に満ちた面書き,古堤人形最高水準の人形です.特筆すべきはその大きさで,高さ26cmにおよび,単体では江戸期堤人形最大級の作品です.このように大型の江戸期の人形が今の時代まで,ほぼ完全な状態で残されていたことに驚きを禁じ得ません.下手な解説を読むより,じっくりと人形を鑑賞してください.

熊抱え金時

 熊金といえば大きな乗ったり,抱えたり,金太郎の強さを強調した作品が多いのですが,この金太郎は子分のように小熊をちょこんと脇に抱えた,変わった型です.伏見や博多のように筋骨隆々とはしてませんが,古堤らしい渋い作品です.

敦盛

 一の谷の源平合戦を題材としています.合戦に破れた平敦盛が海の中に進み入るところです.顔の描かれかたも最高に近いできです.江戸期の人形にもかかわらず、ほとんど剥脱を認めず、できたばかりの、そのままの状態が保たれています.意味はよくわかりませんが海の中に法螺貝と思われる貝が描かれています.

達磨担ぎお福

  胸をはだけた二人のお福が達磨を担いでいるおめでたい構図です.何かいわれでもあるのでしょうか.