与六人形

 山形盆地の周辺には,堤人形の影響を強く受けた複数の土人形産地があったと推察されています.この産地の人形は胡粉が厚めにたっぷりと塗られ,蘇芳の赤も黒ずんで濃いめで,最も堤人形らしくない堤系人形と評されています.日本郷土玩具研究会の詳細な調査で,山形市の西部地区で奥山与六により作成された与六人形に分類されました.
内裏雛

小さな作品は、少々型くずれがあり、彩色が大雑把でも、稚拙で味わいが深いと評価してもらえるのですが、大型の内裏雛ともなると、さすがにひな壇の主役だけあって、できが悪いとなかなか許してもらえません。この与六作の内裏雛は、田舎風ではあるものの、表情に気品があり、ただ本家の物まねに終わっていません。近くに堤があるため評価が低いのかもしれませんが、この内裏雛などは、どこに出しても恥ずかしくない力作だと思います。男雛、女雛共にさし首となっており、雛の髪は毛植がされています。幕末から明治初期頃の作品です。