このページの作成は 2004年 9月 26日 (日) です



    文部科学省からリリーズへ                   
    
「子どもの体力向上に関する提言」の依頼が届きました      

       
中央教育審議会(中教審)「スポーツ・青少年分科会」宛へ下記の文章を提出いたしました。
                                                                
                         平成13年10月   熊谷リリーズ・スポーツ少年団


      ●●● 今回の依頼の背景について ●●●

 9月末に文部科学省から団長宛に電話で上記依頼が届きました。現在、文科省の中央教育審議会に於いて審議している4つの分科会の1つに「子どもの体力向上のための総合的な方策について」という委員会があるそうで、今回、全国の教育者、研究者、元トップスポーツプレーヤー、などの個人や団体35名へ提言依頼を実施したそうです。その35の中に2つのスポーツ少年団が選ばれており、その1つが我ら「熊谷リリーズ」でした。
 日本スポーツ少年団には全国に34,500ほど(団員数は約90万人)の団がありますが今回の指名は誠に光栄なことであり、国レベルからも「熊谷リリーズ」の存在・活動が話題になっているのでしょうか? 原案作成に当たっては団長の考えおよびリリーズ関係者からの意見も求め、下記のように作文して10月8日にe-mailで原稿を送付しました。なお、原稿締切は10月10日、そして10月24日には依頼した35件の提言を基に文科省・中教審の第7回分科会が開催されたとのことです。


(1) 向上を図るべき子どもの体力をどのようにとらえるか。


 9歳〜12歳頃の年代はゴールデン・エイジ(Golden Age )と呼ばれ、またその前段階の5歳〜8歳頃の年代はPre-Golden Ageと呼ばれている。これは「スキャモンの発育・発達曲線」で示されるように神経系が著しく発達し、更には、神経系がほぼ完成する時期であると認識されている。これは長い人生の中に於いて、たった一度しか訪れる事のない特異な時期であるとして知られており、努めて「遊びスポーツ」に親しんで体力向上の生活化の基礎を築く重要な時期と捉えている。


(2) 子どもの体力が低下している原因や背景は何か。


 ハッキリ言えることは子ども達が運動しなくなって(身体を使わなくなってしまって)いるということ。その原因としては様々なことが考えられる。例えば、身体を使って遊ぶ手段が少なくなってしまったこと。これにはコンピュータゲーム遊びのように家の中でも楽しく遊べるという選択肢が増えているということ。また子どもが塾や習い事などの時間で管理され、そのため友達同士の自由時間が互いに逢わずに細切れになってしまい、思う存分遊べない。外へ出れば何でも禁止。また事故が起こった場合の責任問題のために、遊べる場所が少なくなってしまっていることや、車が増えて裏道まで入ってくるため、外遊びが出来なくなったなどが考えられよう。また、「週末くらいは子供に構わずに朝はゆっくりしたい」と考える共働き世帯が増え、あるいは、溜まった家事をこなしたり、子どもと一緒に出掛けたい・・と考える親が増えて来ているのか・・、週末に活動するジュニア・スポーツクラブへの子どもの入会を親が歓迎しない事などが挙げられる。

 一方、現状のジュニア・スポーツクラブを覗いてみると、球技系に於いては競技力追求や勝利優先にこだわる余り、トレーニングの高度化や週末ごとの遠征や試合の過密日程に追われ、運動能力や家庭の環境に恵まれた一握りのメンバー構成になってしまう傾向にある。その為に一般家庭からはジュニア・スポーツクラブが嫌われる社会現象が起こってしまっている。結果として子ども達のスポーツ離れ、そして体力低下という悪循環を生じてしまっている。子どもの体力の向上という面から考えると、これらスポーツ離れしている多くの子ども達を如何に「遊びスポーツ」へ近ずけるかという法を考えるべきである。


(3) 子どもの体力の低下は、将来我が国の社会にどのような影響を及ぼすと考えられるか。


 子どもの体力低下は間違いなく大人の体力低下へと移行すると考えるのが自然である。体力が低下してゆけば身体を使わないで済む移動法を社会が求めるはずである。車社会は益々助長されるであろうし、身体を使わなくてもよい環境が考え出され、体力低下に拍車がかかると予測される。更に、身体を使った生活化が不十分の為に生活習慣病を患う人達が日常化してくるのではないか。また体力の低下は精神力や気力の低下へも影響を及ぼしかねないと思われる。反面、健康に憧れ、強靱な身体を求めるアメリカ社会のように、体力低下が及ぼす社会への影響は2局化していくのではないか。


(4) どのようにしたら子どもの体力が向上するのか。


 子どもが一人でも気軽に利用できる場(身近にあって利用手続きの極めて簡単な)の提供が必要ではないか。すなわち身体を動かして自由に「遊びスポーツ」の出来る環境の整備である。現在ではスポーツ少年団などが子ども達の受け皿にはなっているものの、そのようなスポーツクラブへ入会出来る子どもは比較的に恵まれた環境の子達で、現状では僅か20%程度の割合である。圧倒的にスポーツクラブに属してない子たちが多いのである。逆に言うとスポーツクラブに属さない限り「遊びスポーツ」が出来なくなってしまっているのである。そして、現在ある各種のスポーツ施設はこれらのクラブに占領されてしまっているのが現状である。

 もっと自由に、やりたいときに一人でもスポーツできる環境と、それをサポートする適切なスポーツアドバイザー・システムが有ってこそ、子ども達の体力向上が期待できよう。週休2日制が来年度からスタートするそうであるが、そうなれば尚更で、週末の1日くらいは、地域の組織化されてない子どもや大人へ施設の使用と積極的な開放を計るべきである。また、最も重要と思われるのはスポーツ体験の乏しくなっている親たち(子ども達に最も身近な存在の)に対して、「遊びスポーツ」の大切さを理解させるための意識改革の必要性も訴えるべきなのであろう。 



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