Linux導入、ハードウェア構成、最新動向
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▼ Linux徒然コラム

第二回「玄箱改造、Debian Linux(CFブート)」


自宅でサーバーを運営していく場合、多くの管理者が行き着く先は、電気代と騒音問題である。 一般家庭において収入や生活へのメリットの少ない常時運用のサーバーは最もふところを直撃し、睡眠を妨げる。 モニタの電源を落としていてもデスクトップパソコンではおよそ50KWhの電力を消費し、一ヶ月におよそ1000円前後の電気代がかかる。。 しかも特殊なCPUを選択しない限りはもれなくファンという無用な騒音がついてくる。

最近はVIAが投入したeden(C3やC7と呼ばれるプロセッサ)を使ってファンレス可能なサーバーを構築してみたり、Pentium Mや Celeron M、Nano-ITXやAMD GeodeTM LX800を使ったSizkaシリーズなどが低消費電力で人気があるようだが、筆者的にはいくつか 不満があった。

1.自宅サーバーでありながら初期投費が4万以上かかる。
2.ファンレスとはいえ、HDDの振動音は防げない。
3.ファンレス=低発熱プロセッサということになり処理能力が低くGUIが思うように動かない
4.インストール時には必要なモニタやマウス、キーボード、ドライブなどが安定運用後は必要とは言えない
5.自作部分が多いため結局は最小構成でもアダプターやケーブル類、筐体が場所をとる。

それぞれが矛盾していたり構成やパーツのチョイスによっては防げる問題もある。また、ある程度の問題をクリア する中古ノートパソコンという選択肢があることも知っている。しかし、Linuxの原点がそうであるように、不必要な機能を 極限まで削減し、故障の原因となる不要なハードは究極までそぎ落としたい、というのが運営者にとっての卒なる願いである。

ここで登場するのが玄箱である。玄人志向から発売されているHDDレスのNAS組み立てキットだ。KURO-BOX/HG(ギガビット版) と 通常版がある(厳密にはアダプターを外に出したタイプやBUFFALOから発売されているLinkStationもある)。

KURO-BOX/HG(ギガビット版) 仕様
CPU:PowerPC 266MHz
RAM:128MB、Flash ROM:4MB
1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×1ポート
USB2.0×2ポート
Linux(Kernel-2.4.17)搭載
ファイルサーバー機能搭載(Samba、netatalk、telnet、ftp、thttpd、perl等)

実はこの製品、NASという分類ではあるものの、少し改造すると完全なLinuxサーバーとして動作するのである。通常版であれば実売価格1万円+HDD代 でサーバーが完成する。0.26kW/h程度の消費電力なので一ヶ月の電気代はおよそ180円程度だ。Vineやdebianといった有名なディストリビューション がほぼそのまま組み込めるのでCPUなどのパワーを除けば大型のデスクトップサーバー顔負けの能力を持つサーバーを構築できる。当然ながらVGAは持っていないためtelnet などを介し設定していかなければならないが、WebminやVNCといった強力なサポートツールが使えるのでさほど問題ではないと思う。

さて、この辺りまでは既知のことであり様々なサポートページを閲覧すればほとんどの情報が得られると思う。実は筆者が玄箱に触れてみたのは 発売当初でその後はあまり触れていなかった。なぜなら普通のサーバーケースのような筐体と違い、プラスチックの薄い層に覆われた玄箱はHDDの 低周波の回転音をそののまま直に伝えあまりここちのよいものではなかったからだ。hdparmやnoflushdといったツールを使えばそれなりに低減できる が逆に駆動し始める音が気になってしまう。

つい最近、i-RAMなる技術やCFなどを利用したRAMディスクアダプタの記事を目にすることが多くなった。ここでふと、玄箱もCDイメージブートや メモリ、CFブートも可能か??と思い始めた。当初USBスティックメモリにブートイメージを入れそこから起動をかけようかと思ったが、構造的に 無理なので断念。ある程度安価に調達できるCFディスクの玄箱を作ってみることにした。調達したパーツは下記のもの。

CFカード(1GB)7000円
IDE-CF変換 3500円
電源変換ケーブル150円

改造とはいってもハンダゴテを右手に、というのではなく、ただ挿すだけ。通常HDDにつながれるATAのケーブルを変換基盤に、5V電源にも変換をかまして IDE-CF変換基盤に接続。あとはCFカードを挿して起動、と思い試しに玄箱のファームウェアアップデートプログラムを実行してみたところ、 「ファームウェアのアップデートに失敗しました」と・・・。無理?しかし、それほど特別な変更を加えたわけではなく、記憶媒体を変更した だけなのだから動かないはずはない。再度調べてみると、しっかり説明書に「HDD全容量のうち、システム領域に2GB、スワップ領域に256MB使用 します」と。1GB程度では無理・・、システムに2GB?と色々と考えつつHDDで起動した時のパーティーションを見てみるとこれが しっかりとスワップも含めて2GBとってある。NASってシステムに2GBも使うのか?という疑問を抱きつつ中身を見ているとこれがしっかりパーティーション 用のツールも入ってるではないですか。早速telnet→ログイン→mfdisk -c→mkfs→mount /dev/hda→イメージを展開→再起動という流れで無事起動 (詳細は別ページに記述予定)。完全ファンレス、無音の玄箱が起動しました。

さて気になるところはパフォーマンスと安定性。能力的にはHDDよりもやや早く起動し、完全な無音状態。ただ、気になる部分としてはCFカードの耐久寿命 である。CFカードは固有の差はあるものの、およそ30万回の書き込み上限がある。10分に1回書き込むとおよそ一年間で5万回書き込むことになる。 この程度なら2年程度の寿命と考えるのが妥当であり、HDDとさほど差はないが、少しでも寿命を長くするためにはtmpfsなどを使うのがよいのかも しれない。

2005年12月29日

次回は1月中を予定しております。
タイトルは「アファリエイトとサーバー運営費」です。