2.眼のはたらきと仕組み
 

1.眼は何を視ているか                   
(1)1つの点か2つの点かを識別する(視力)               
 視力とは、2つの点または線を見分けられる能力をいいます。  
  中心視力:視力が1.0以上あるのは網膜上の黄斑部中心窩のほんのわずかな部分。          
中心外視力:黄斑部中心窩から外れた視力は急激に落ちる。  
 中心から10°離れた網膜上では視力は0.05程度
       
*視力が低い(矯正しても視力が上がらない)場合は、    2つの点の間を広くする(つまり拡大)とわかりやすくなる。  
 *中心視力が弱くても中心外視力の活用ができれば生活や学習
がしやすくなります。                      

(2)色合い、色の変化、陰影を見分ける(色覚)              
 ・色の感覚は、視力と同様に、網膜上の黄斑部中心窩で最も鋭く、
  周辺部ほど鈍くなり、微妙な色の識別はできなくなる。
 
 

眼の視細胞 錐状体細胞 杆状体細胞
主な分布領 網膜中心部 
とくに黄斑部中心窩
網膜の周辺部
機 能 視力・色覚に関与
色彩感覚が強い
視力・色覚に関与
色彩感覚が強い

 ・色の3要素                                
    @色相(色調):赤、橙、黄、緑、青、青紫など狭義の色のこと。       
  A明度:各色彩に対する自覚的な明るさの違い。      
   B彩度(飽和度):色の純粋さの程度を表す(.白っぽい薄
い赤)。                  
色はこの3要素の組み合わせによって微妙な感覚を呼び起こす。

 ・色の認識の生理学的解釈                         
  錐状体細胞3種説:赤・緑・青の光に感じる細胞がある、とする説。
  視物質3種類説:それぞれの物質の分解と合成により反対の色が生まれる、とする説。 

 
以上の説は現在はもう採用されていないというご指摘を、『今日の温度』カラーバリアフリー案内のたなかさんから、ご指摘をいただきました。最近の説は次の通りだそうです。たなかさん、ありがとうございました。
    

最新の学説:網膜上のレセプター(光受容細胞)が、キャッチした光波長に応じて電気的な信号を送り、脳のV4部分が色情報として送信しなおす。


 ・色覚障害:先天的障害(色盲)あるいは黄斑部中心窩での何らかの後天的障害         
  色 盲 :色覚が正常でないもの。                
  全色盲:色覚が全くなく、明るさだけを感じるもの。
  部分色盲:色覚を一部欠如するもの。
       赤緑色盲がもっとも多い。赤盲、緑盲を区別する。
  色 弱:色覚はあるが、正常より劣っているとみられるもの。
 *対策→色の違いをどう伝えるか(違いの強調、識別能力の訓練)

色覚の関連リンク
   今日の温度:カラーバリアフリー案内
   カラーハンディキャップ 色盲色弱色覚異常 もう一つの色の世界



(3)暗いところ・明るいところに眼を馴らす(明順応、暗順応)。    
  光 覚:弱い光を感じる眼の機能いう。             
   暗順応:ふつう20〜30分でほぼ一定、つまり暗さに馴れる。
          光刺激が弱くなると、網膜の光受容性視細胞は視覚
           閾値を低下させて(言い換えると感度を上げて)、暗さ
          に対応する機能がある。この反応は初め錐状体細胞、 
           ついで杆状体細胞で起こる。後者の関与が大きい。

  明順応:ふつう約5分間で順応。暗順応の消失による。 
   ・暗順応と夜盲(網膜の感度が上昇しないため暗所での視力が不充分)         
   ・明順応と昼盲(通常の光量でも強いまぶしさを感じ視力が下がる)         
   ・羞明 直射日光下の明るい場所で、光を眩しく不快に感じ、
          頭痛がしたり、涙が出たりする。白児眼・全色盲・先天性緑内障に訴えが多い。       

*対策→光量の増加あるいは低減、反射光の抑制、コントラストの強調など                           

(4)像の大きさ・広がり・位置関係・動きを知る             
   視 野:眼を動かさないでで見ることのできる範囲のこと。          
・視野は色がつくと青→赤→黄→緑の順で狭くなる。
 

 
 


左右の眼の健常視野
白い色を見る場合 緑色を見る場合
上 側 60° 30°
下 側 70° 40°
内 則(鼻側) 60° 30°
外 則(耳側) 100° 70°

・左右とも健常視野では、それぞれ内側2/3は重なる(両眼視)。

周辺視野検査:視野の広がりを知る検査。             
  中心視野検査:視角30°以内の部分での暗点を検索する検査。     
(5)はっきり物をみる(ピント調節・輻輳                  
  ピント調節:対象物の距離に応じ、自律的に、レンズの働きをし ている水晶体の厚みを変えている。    
 近くを視るときには 水晶体を厚く
遠くを視るときには 水晶体を薄く

  *屈折異常への対策(補正):一般の矯正用レンズでの調節、   
                既製の弱視レンズの作り替え 
 
 輻 輳:近くのものを見るとき、両眼の視線が対照的に内側に寄ること。                        

近くの物をはっきり見るためには調節と輻輳が協同して働いていることが必要。

(6)立体的に見る・目測する(遠近感と立体感)             

  ・両眼視機能:両眼が正しく協同運動をすること。           
  ・右眼と左眼の網膜に映っている像には微妙な違いがある。    
   脳ではそれを重ね合わせて一つの像として処理している。      
 ・視覚的な立体感や距離感は、右眼と左眼の像の違い(ズレ)と 
   活経験を通して得られた立体感・距離感の統合で得られている。
  ・この両眼視機能は、眼筋の機能が正常両眼の視機能が同等に有ることが条件。
 

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