花ごよみ

11月13日

sazanka

花 松(マツ)・山茶花(サザンカ)

器 時代籠

原種に近い山茶花です。咲き始めはポッとぼんぼりのようで、咲き進むと花びらが細長くなり、乱れます。

いちおうお稽古の復習ですが、何から何まで違うということで。。。



よろしきおもかげ

川瀬先生は「よろしきおもかげ」を知っていなければ、「なげいれ」はできないとおっしゃいます。花そのもののよき姿ということももちろんですが、先生は時折、ご自身でいけられた花をご覧になりながら、「こういう人を知っているからいけられるんですよ」とおっしゃいます。ジョルジオ・アルマーニもその伝記の中で、女性の服を作る時は、必ず母の姿を思いながら、母に似合うであろう服を作ってきたと語っていて、まさに「よろしきおもかげ」を抱き続けてきたようです。

お稽古で使わせていただいている素晴らしい竹筒の一つに、藤村庸軒が所持していた竹を、庸軒流中興の祖と称される明福寺住職の観山によって置筒にされたものがあります。観山は、庸軒が亡くなった16年後に生まれていますから面識はないのですが、茶人にとって竹は分身のようなものなので、観山はその竹の中に庸軒の「よろしきおもかげ」を見たのでしょう。竹筒に仕立て、つけた銘は「面影」。初めてこの銘を目にした時は、こみ上げるものがありました。

私が松をいけたいと思えるようになったのは、つい昨年のことです。日本人なら、松を知らない人はいないと言ってもよいくらい身近な木ですが、ふだん目にする松は、「いかにも」という姿であったり、意匠化されたものがほとんどですから、かえって「松」というものがわからず、ずっと思いあぐねていたのです。とはいえ、「よろしきおもかげ」は胸の内に持ち続けていました。9年前の川瀬先生の初心者講義クラスで、『神の木 いける・たずねる』に載せられた松をたてて見せて下さり、これもまた「松」なのか、こんな素晴らしい松がこの世にあるのかと、その感動を忘れることはありませんでした。上の松は、去年よりはよい姿に見えますが、庭に生えてくる実生の松はまだまだ本気モードではないようです。少しでもわかりあえ始めると、花は年々「バージョンアップ」していってくれますから、精進しましょう。


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