棟上祭

 2001年4月20日、大安吉日、棟上祭ムネアゲサイが行なわれました。建前とも言いますが、「棟」とは、屋根の最も高い水平部分のことで、棟木を上げ、家の最高部に破魔弓と破魔矢を立てて厄払いします。

 棟上げの際に大切なのが「刻み」。柱や梁になる木に前もって凹凸をつけておき、組み合わせていくのです。この刻みが間違っていると刻み直さなくてはならず、1時間、2時間と時間は経っていってしまいます。普通の大きさの家で数百カ所の刻み部分があり、大きい家になると1000カ所近いとか。

 荒井棟梁(写真手前)は「コンピューター」と言われているだけあって、この刻みにほとんど間違いがないため、作業がテンポよく、非常にスムーズに運びました。

 棟上げが終わるのは薄暗くなってからと言われていたので、まだ始まったばかりかと思いつつ午前10時過ぎに現場へ行くと、すでに1階部分が終わって皆さん休憩中。2時間で、こんなに…すばらしすぎます。

 様子を見にいらした社長さんも驚いていらっしゃったほどの速さでした。こちらとしてはうれしい悲鳴で、上棟式後の祝宴のために手配してあったお食事やお酒の配達時間を早めてもらうために、自転車を飛ばして急いで家に帰りました。

 



 2階部分の柱や梁はクレーンで上げます。この操作が下手だと、隣の家に材木をぶつけたり、電線を切ってしまいます。このとき操縦された方は、特に腕がいいとのことでした。実際にやってみないと本当の難しさはわからないのでしょうが、ともかく材木が揺れることなく、着々と定位置に上げられていきました。シロウト目にも職人芸という感じです。そばで写真を撮るのは危険、というより邪魔なので、遠くからの撮影。

 



 紙でくるまれているのが2階の「大黒柱」(写真左)。7寸(約21センチ)角の無垢のヒノキ柱です。棟梁の息子さんの伸之さん(写真右)は25歳の若さで見るからに力がありそうなのですが、「7寸だけは重くてふらつきました。こんなこと初めてです」と。「これに比べて集成材は軽くて楽なんですよ」とも。集成材は、例えば10センチ角の柱なら、2センチ×10センチの木を5枚はり合わせてあります。そのため、湿気でボンドがはがれていく可能性があり、さらにボンドが与える体への悪影響は否めません。丈夫さ、安全性とも無垢には遠く及ばないようです。大黒柱の上の梁の重さは180キロとか。頼もしい基礎を作ってくださったわけがよくわかります。

     



 すべての柱が立ち終わると、最後に棟の一番高いところにお飾りを立てます。

  
 荒井伸之さん。通称「のぶくん」。



 上棟式は、棟梁と施主が家の隅に東南西北の順で、お塩とお酒、お米を撒きます。

  
 写真左から、棟梁、父、夫、社長



 上棟式が済んだあと、4時過ぎから祝宴が始まりました。社長(中央)の隣が息子さんの隆馬さん(右)。家が建っていく様子を写真に撮って記録に残してくださるのが、カメラマンの別所さん(左)です。

 写真左下と隆馬さんの頭上に斜めに見えるのが、窓部分に打ちつけられた仮の筋交いです。普通は杉などを使うそうですが、神崎建設ではここもヒノキを使っています。大きな開口部に打ちつけられ、窓を入れるまでの「仮」のものですが、他の柱と材質を同じにすることで、木の狂いを最小限に押さえようとする社長のこだわりです。

 



 設計後の内装、外装、設備といった、家に関係するいっさいの「コーディネーター」であり、現場監督でもある小川さん。テキパキと仕事をこなし、抜群のセンスと経験で素晴らしいアイディアを出して下さるので、全幅の信頼を置いています。

 



 すべての柱が無垢のヒノキというのは壮観で、香りのよさもひとしおでした。なぜ柱にヒノキがよいかといえば、ヒノキが害虫や湿気に強いこと、さらに他の木に比べて成長が非常に遅いため、目がつまっていて丈夫だからです。ヒノキの柱はピンクがかっているのがよいとか。

 人間さまもほんのりピンク色になったところで、鳶トビの方たちが木遣りを披露してくださいました。木遣り保存会に入って日々研鑽をつまれているだけあり、すばらしいお声でした。

 最後は3本締めで、棟上祭が無事終了。

 



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