8月のコラム

夜のプール・悲しみ

   
     
  モリガメは所詮亀である。今は真夜中、火照ったからだと、のぼせた頭をただ水に浸している。
 それはひとまず、おいといて。Bettyちゃんは、いい子だ。そして彼女も「モリガメちゃんかわいい!」と言ってくれる。「うれしいけどこまっちゃうなぁ」というのは必ずしも真ならず、といったところでしょう。 「好き」イコール「Love」、とは限らないのですね。その通りです、少年よ大志を抱け、とクラーク博士は言うが、「亀」と「人間」の違いは超えられない。こうして独り夜をむかえると冷静さがもどってきてしまう。
 夜のプールで独り気ままにプカプカと、気持ちいいねぇ。昼のプ−ルの楽しさにはかなわないけどね。今頃Bettyちゃんはどうしてるかなぁ。亀が立ち入ることの出来ない領域にいるんだよ。モリガメ少年の大志は萎んでしまう。せいぜい水で頭を冷やすことさ。こうして楽しくも短い夏は過ぎてゆくのさ。何時も。
 
     
     
 
登場人物
  1. ぼく
  2. 現実主義
  3. クラーク博士
  4. Bettyちゃん
   
  わたし  
 
わたしは一個の宇宙である