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予告編
   
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やがて教師は語り始めた。
   封印された暗い過去の秘密を、
      故郷で起こった衝撃の真実を---。

 2003年春、パキスタン・ペシャワール郊外のアフガン難民キャンプ。アリ・アクバル(51歳)とその家族は、難民生活を送っている。教師のアクバルは、難民キャンプの学校で子どもたちにアフガニスタンの歴史や地理を教えて細々と暮らしを支えていた。一見平穏な日常生活の中で、彼は、暗い過去の記憶に苦しんでいた。その胸中に去来するのは、戦争に翻弄された無念の人生、亡くなっていた人々の思い出、そして、今なお還ることのできない祖国アフガニスタン、故郷ヤカオランへの望郷の想いであった。また、拷問などで痛めつけられた身体は思うように動かず、目も少しづつ見えなくなりつつあった。

 これ以上、教師を務めることは困難と悟ったアクバルはある日、子どもたちを前にこれまで自分が生きてきた人生を語り始めた。故郷で、祖国で何が起き、何が変わっていったのか。村の人々や自分の兄弟、親戚がどのようにして生命を落としていったのか。妻や娘たちがなぜ、教育を受けることも出来なかったのか。祖国の明日を担う子どもたちに、どうしても伝えなければいけないと考えたアクバルの特別授業であった。

 授業は次第に熱をおび、子供たちとのやりとりは、緊迫していく。やがて、教師アクバルは、決して語るまいと心の奥底に封印していた暗い過去の秘密を吐露し始める。それは、故郷で起こった衝撃の真実だった。

ヤカオランとは、ダリ語で「ひとつの美しい大地」
   そのヤカオランを吹き抜けた風の中に人びとは還っていく。

 ヤカオランは、アフガニスタンの首都カブールから西北に約350km離れた地方であり、アフガニスタンを南北に貫くヒンズークシ山脈の山岳地帯にある標高2500mを越える高地である。ヤカオランの行政府ナヤクは、2001年3月にタリバンによって破壊されたバーミヤンの石仏から西へ約100キロの地点にある。首都カブールからバーミヤンまでは車で約8時間、さらに、ガタガタの道を走ること数時間でナヤクに到着する。2002年10月に初めてナヤクを訪れたとき、戦火の爪痕が生々しく、ゴーストタウンのようだった。ナヤク周辺には小さな村が数多く点在するが、道らしい道もなく、電気も通じていない。