甲状腺疾患とコンブ
  


  甲状腺の診察を希望してくる患者さんの過半数はこれまで治療を受けていたにもかかわらず、
自分の病名を知っておらず、ただ甲状腺としか知っていない。
コンブについても甲状腺では食べてはいけないと誤解している患者さんが多い。

 ヨードは日本人が口にする食品のなかには大なり小なり含まれています。特にたくさん含
まれているのは海藻類で、なかでもコンブ(昆布)が群を抜いていて、次がひじきです。わか
め、海苔はこれらと比べるとはるかに少量です。日本人は海藻を好んで食べるので、世界で一番
ヨードを摂取している国民です。このほか魚、肉、穀類にもわずかですが含まれています。
  甲状腺にはヨードをとり過ぎても問題の起こらない仕組みがありますので、普段はヨードの
ことを気にかける必要はありません。
  甲状腺ホルモンの原料は食品中のヨードです。日本人は、ヨードを多量に含む食品(昆布、
海藻)を摂取する機会が多く、ヨード欠乏になることは、まずありません。問題があるのは、
むしろ過剰摂取の方です。健康食品と称して根昆布を煎じて飲むのがはやっているようですが、
これは甲状腺にとって百害あって一利なし。ヨードの大量摂取となってしまいます。ふつうに
味噌汁に海藻をいれたり、吸い物のだしを昆布で取るのは、全く問題ありません。



※バセドウ病とヨード※  
 ヨードを制限しないとバセドウ病の薬が効きにくかったり、バセドウ病が再発しやすくな
ったりするとの意見がありますが、これが事実かどうか、また一体どれぐらい制限したらよ
いのかなどは分かっていませんし、実際に効果のあるほど制限するのは日本にすんでいる限
り不可能ですので、気にせずに普通にとっていてかまいません。 

 バセドウ病の患者さんはヨードのたくさん入った食物(わかめ、コンブなど)を食べてはい
けないのですか? 
A;  ヨードは甲状腺ホルモンの材料であり、人間の体に必要なものです。1日に必要とされ
る量は、無機ヨードにして200〜300μg(マイクログラム=ミリグラムの1000分の1です)と
言われています。これだけのヨードはやはりとる必要があると考えられます。問題はもっとた
くさんヨードを食べた場合どうなるかということですが、バセドウ病の患者さんではヨードを
たくさんとると(一日2mg以上)甲状腺ホルモンが作られにくくなります。このヨードの作用を
利用してバセドウ病の治療にもヨードは使われます。
 では何故、ヨードを食べることを禁止する病院があるかと言いますと、ヨードを食べないほ
うが薬を中止できるという報告があるからです。しかし、和食には海草がふんだんに使われて
おり、もしヨードを制限した場合、一生海草類を食べてはいけないことになります。これでは、
食生活が著しく制限されることになり、かえってストレスがたまるかもしれません。こういう
ことから当院では、特にヨードの制限をしていません。ただ、放射性ヨードを使って甲状腺の
検査や甲状腺の病気の治療をする場合のみ、1〜2週間ぐらいヨードを食べることを制限するこ
とがあります。 

 


※橋本病とヨード※  
 橋本病の患者の中には、昆布類などのようなヨードを大量に含んだものをとり続けると、まれで
すが甲状腺のはれが大きくなったり、正常な甲状腺機能が低下したりする人がいます。しかしこう
した人も、これをやめると元に戻ります。いずれにしても極端にヨードを摂取する習慣がなければ
まず問題はありません。

 Q; 海草を食べていいのでしょうか? 
A; 橋本病の患者さんに大量のヨードを食べさせると、甲状腺ホルモンが作られにくくなり甲状腺
機能低下症になったり、甲状腺が壊れて一過性に血液中甲状腺ホルモンが高くなる(無痛性甲状腺
炎と言います)ことがあります。しかし、一日に一回海草類を食べるぐらいでは、このようなこと
は起こりません。健康にいいからと、昆布やわかめを毎食たくさん食べたり、根昆布を毎日食べた
りしなければ問題ありません。 

   日本では海草類(昆布、ワカメ、ノリ、ヒジキなど)のとり過ぎで甲状腺機能低下症になっている人
がかなりいます。海草に多く含まれるヨードは甲状腺ホルモンの原料ですが、慢性甲状腺炎の人の
一部にこのヨードをとり過ぎると甲状腺ホルモンが作れなくなる人がいます。過ぎたるは及ばざる
がごとしです。
  この場合には、海草を食べないようにするとまた甲状腺ホルモンが作られるようになり機能は正常
になり、甲状腺ホルモン剤を飲む必要はありません。
  どれ位海草を控えるとよいのかについては、昆布だし、昆布、ヒジキを控えるのみでよいと考えて
います。ノリ、ワカメ、寒天などは週のうち2〜3日は食べてよいです。昆布、ヒジキに含まれるヨ
ードは他の海草類と比べて非常に多いためです。
  日本は海に囲まれていますので、日本でとれる食物を食べていれば、いくら海草を控えてもヨード
不足には絶対になりません。どうしても海草を控えるのが難しい人には甲状腺ホルモン剤を飲んで
もらいます。
  


情報の一部はインターネットから収集し、管理者が手を加え編集しました。

トップページへ