バドミントンプレーヤーの誕生月に関する考察

 私は1月20日生まれである。バドミントンを始めたのは中学1年生である。以後中断はあったが、現在に至るまでしつこく続けている。なぜバドミントンを始めたかと言えば「楽そう」「自分にもできそう」という安易な気持ちあった。ではなぜそう考えたのか、そのときの心理を分析して次のような結論に達した。

 バドミントンプレーヤーには1月〜3月のいわゆる「早生まれ」が多い

 その理由は、バドミントンというスポーツの性格と、競技を始める年齢にある。現在の学制では入学年度が同一なのは4月2日〜翌年4月1日までの誕生日の者である。(正確には4月1日生まれはどちらの学年に入学してもよい)つまり小学校には6歳で入学し12歳で卒業することになる。小学1年生として入学した子どもの中には、まだ6歳になったばかりの子どもと、すぐに7歳になる子どもが連続的に混在している。この時期の子どもは成長が著しく、小柄な6歳の子どもと大柄な7歳の子どもには明らかに体格、運動能力に差がある。
 同じ学年の子ども達は、学校や学級という枠の中で成長していくのだが、体育の授業や友達どうしのケンカなど格闘や接触を伴う行動では、あきらかに小柄な者は不利である。相撲はいうにおよばずサッカー、バスケットボールなどコンタクトスポーツも同様である。小学校低学年で「体が小さく運動能力に劣る」というレッテルを貼られた子どもは、体育が好きでも団体競技ではベンチウォーマーに甘んじなければならない。小学校低学年で早生まれはハンディなのである。
 運動系の部活動を本格的に始めるのは中学からである。その頃には体格差は目立たなくなりつつあるが、小学校低学年で受けた精神的な傷・・・コンタクトスポーツは苦手という気持ち・・・は完全に治癒しているわけではない。そういう子どもはサッカー、バスケットといったコンタクト競技より、団体競技ならバレーボール、個人競技ならテニス、卓球、バドミントンといったネットをはさむ競技を選択しがちになる。ネットをはさむスポーツなら自分の側にいる他人は必ず味方である。
 バドミントンを競技として始めた人から必ず聞く言葉は「これほどキツイとは思わなかった」である。これはバドミントンが競技ではなく羽根つき遊びのイメージで一般に浸透しているからである。「簡単で誰にでもできそう」「楽そう」「女の子のスポーツ」と考える人が多く、レクリェーションの一部程度、ちょうど温泉卓球に似た感覚で始めるからである。逆に言えば「運動に自信のない」中学生が選択するのに適したスポーツであるといえよう。
 「運動に自信のない」子が本当に運動ができないのか、あるいは本人が勝手にそう思いこんでいるだけなのか分からないが、後者である場合隠された才能が開花する可能性が充分にある。また、それほどでもない程度の子でも、周囲に本当にできない人がいる場合落ちこぼれにならずにすむというメリットもある。自信ができるということは本人のやる気にも影響するので、技術・体力の向上につながる。年齢を加えていくにつれ、成長によるハンディが消滅すると、一定レベル以上の子だけが高校に進学しても競技を続けることになる。
 高校生にもなれば、早生まれというハンディはほぼ存在しない。したがって高校生からバドミントンを始める子どもは、「簡単そうだ」のイメージにつられて入部してくるのだが、中学時代に体育が苦手だった子が多い。あるいは他の部活動で適性がないと自分で判断しているようなのだが、運動能力のある子の存在率は低いと言わざるを得ない。高校で「運動に自信がない」子は本当に運動が苦手なのである。
 以上の考察を経たうえで、バドミントンを大人になっても続けている人の一般的イメージは、中学校でバドミントンを始めた早生まれの人となる。

 さて、この考察を裏付ける調査が必要である。チーム内の女子(現在は在籍していない者も含めている)で調べてみると、左は高校からバドミントンを始めたいわゆる初心者組、右は中学でバドミントンを始め高校でも続けているいわゆる経験者組の誕生月による分類である。経験者組に3月生れが多いのは事実である。子どもの誕生日は4〜5月が多いので、母数の多い5月生れが多いのは当然だが、さてこの統計に意味があるのだろうか?

初心者グループ

経験者グループ

●●●●●

●●●●●●●●●●

●●●●●●

●●

●●●●●●●●  ●●●

●●●●

10

●●●●

11

●●●●●●●●●●   

12

●●●●●●●●

●●●●●●●

●●●●●

●●●●●●●●●●

 私自身を考えると、小学生の頃は体育は好きな元気な子だったが、体格には全く自信がなかった。クラスでは身長順に常に前から3番目くらいで、跳び箱や鉄棒は筋力がなくて苦手であった。短距離走にはそこそこ自信があったが、もちろんクラスで1番などになったことはない。中学に入り身長では見劣りしなくなったが、ひょろひょろした体格であったと思う。バドミントンを選んだのは、野球やサッカーではとてもレギュラーになる自信がなかったからである。バレーボールはバレー独特のチームワークが自分に合いそうになかったし、突き指しそうで嫌だったからである。
 やってみるとバドミントンは奥の深いスポーツであることがすぐにわかった。狭い体育館で2面しか使えなかったが、それなりに自分で考えてやってみたことが今につながっているように思える。