日本ダービー(東京優駿)
東京競馬場芝2400m・Bコース使用
日本競馬界最高峰のレース。一度勝てばその関係者は一生その名誉にあずかる。馬も「ダービー馬」という名誉(というより箔)がつく。ちなみに日本のダービーは今年で67回。アメリカは126回。イギリスは226回。本場はすごいねぇ。
コースは府中の2400mコース。スタートしてからしばらく直線が続き、緩く息の入らないコーナーを4つ回って最後に坂のついた500mもある長い長い直線。ごまかしは一切きかない。勝ち馬に求められるのはスタンド前の発走でもいれ込まない精神力、スタミナ、瞬発力、根性…と競走馬に必要な全ての要素。
脚質は差し優勢。ただ直線一気の追いこみ一手(4角10番手以下)の馬は勝つまでは至らないことが多い。勝ったのはタヤスツヨシとアドマイヤべガだけ。2着までなら届かなくもない。やはり自分から動ける好位かその後ろあたりにつけられる器用さも勝つなら必要。逃げは基本的に不利だが皐月賞を逃げ切り勝ちするようなら狙ってみよう(ミホノブルボン・サニーブライアン)。
ステップは皐月賞が圧倒的に優勢。それ以外なら青葉賞、プリンシパルステークス(旧NHK杯)のトライアル。H8年はそれ以外のステップをふんだ馬がワン・ツーしたがこれは例外中の例外。京都新聞杯(京都四歳特別)からきたのはシルクジャスティスだけ。基本的に軽視していい。
騎手は現在武豊騎手が二連覇中。その他でもリーディング上位の中堅・ベテランの活躍が目立つが地味なベテランもときどき活躍する(大西・安田隆)。
さて、ダービーを分析する最大のポイントは皐月賞との関連であろう。実は皐月賞もダービーに劣らずスタミナを要されるレースで、このレースをスタミナにものを言わせて勝った馬がそのままダービーでも好走することが多い。
具体的にはペースとの関係で見て行くことにしよう。皐月賞がハイもしくは平均ペースだった場合、先行して粘った馬は素直に信用しよう(サニーブライアン・ミホノブルボン)。反対にペースが速かったかそこそこだったのに差し損ねた馬が「直線長い府中に変わって…」などの理由で人気になるようなら危険(ライアン・ブライトのメジロ親子)。
皐月賞がスローペースだった場合は危険。そこで先行して勝った馬はダービーで消えることが実に多い(セイウンスカイ)。逆に差し損ねた馬を狙おう(ウイニングチケット・スペシャルウィーク)。ついでにスローでも差しきってしまうような馬に注意(タヤスツヨシ)。
Check In Blood(血統による解説)
◎(これはいい!!)…カーネギーダイアン
父カーネギー母Teibun Angel母父Mr.prospector(Mr. Prospector系)
父はこのコーナーで散々早熟だの言ってきたが、どうやら本来のSadler's Wells系らしいズブさが強く出た産駒がこの馬に出たよう。母父のミスプロもここにはいると距離というより少しピリピリとした繊細さと騎手の意のままに動く素直さを伝えるよう(フサイチエアデールが典型例)。この双方がいい方に出れば肉薄できるかも。
○(けっこういける!)…エアシャカール
父サンデーサイレンス母I Dreamed a Dream母父Well Decorated(Bold Ruler系)
父は説明不要のスーパーサイヤー。内にササるところもこの父の特徴。この馬もきっちりそこを含めて遺伝している。
母系は皐月賞のとき底力の面で不安、と書いたがよく見るとHerbagerやらRibotやらスタミナ、底力に定評のある血脈がズラリ。ダービーはおろかスローで流れる最近の菊花賞でも不安のない強力な血統。騎手の教育もぬかりなし。
△(ちょっと不安)…ジョウテンブレーヴ
父ダンシングブレーヴ母タクノギャル母父ロイヤルスキー(Bold Ruler系)
父ダンシングブレーヴは意外にも府中コースが大苦手。このコースで重賞勝ちしたのは本馬とキングヘイローだけ。
母系もマイラーばかりの血統だけに強調できない。
×(コリャダメだ)…オースミコンドル
父コマンダーインチーフ母アラホウトク母父トウショウボーイ(テスコボーイ系)
父コマンダーは未だに古馬GT勝ちなし。母もマイラーだけに底力、スタミナの面で不安ありあり。
勝ち切れないモタモタぶりも気になる。
枠順と見解
左から馬名、騎手、脚質、個人的コメントの順(今回は同斤のため割愛)
結果と感想
今回ほど競馬の、血統のロマンというものを感じさせてくれるレースは最近なかった。日本競馬史上初の親仔三代にわたるクラシック制覇を、その全てに手綱を取ってきた河内騎手が悲願のダービー制覇で達成。今年で45才デビュー27年目、17回目の挑戦で競馬界最高の栄誉を手にした。しかも2着は弟弟子の武豊。一番喜んでいるのはおそらく故・武田作十郎師(両騎手の師匠)だろう。
勝ち馬は終始エアをマーク、相手の追い出しを待って万全のタイミングでスパート。ラスト1ハロンは完全に2頭の一騎討ち。最後は僅か7センチ差の勝負だった。小柄なこの馬にとって、晴れて馬場が良化したのも大きかった。
エアシャカールも2着に敗れたとはいえ、馬体も、精神面も、レースも完璧だった。ただ、それをも凌駕した馬がいただけ。
レース全体を見てみるとテンのペースが三頭の牽制し合いで結構速いラップを刻んだのにかかわらず、去年より0秒9も遅いタイム。2頭はともかく、全体のレベルは?がつく。
とにかくいいレースでした。やっぱり「競馬はロマンだ!?」