【01年春山合宿 内蔵助平】その2

北ア・黒部立山、内蔵助平

 今回、佐宗が食料計画から装備、渉外連絡を一手に引き受けてもらい、その上、新人の入山に合わせて別動隊を組み1日遅れで荷を上げてもらう予定だったが、不測の事故で途中引き返すこととなった。この件については、留守本部の土岐、田代、高橋には心配を掛けるとともに、連絡直後佐宗の状態を危惧し高橋卓、津田、曽我が現地へ駆けつけてくれ、状況を判断し翌日、津田、曽我が吉田をつれべースまで上がってくれたことに感謝します。佐宗については、幸いに軽傷ですんだものの事故後の状況が近くにいるベースに伝わらなかったこと、本人の多少技術的な部分も含めて反省しなければならないところがある。

 5月12日(土)午後7時山口菓子店にて春山合宿の反省会を開く。

◆先行し、当日ベースで到着を待っていたものの行動。
 立山からベースへ着いたが、15時頃とっくに到着すべき時間であることから、早川、飯塚が丸山東壁付近まで行き出合のところまで見渡すがそれらしい姿がなく、飯塚は無線機を試みるが応答がなく、それぞれべースへ引き返す。ベースでは連絡手段がないことから、様々な状況を想定したが、明日5時に府川、飯塚が下山し黒4ダムで連絡し、大きな問題があるようなら再び11時30分までにベースへ引き返し状況を報告することとした。
 ベースでは多分山の事故は考えにくく、来る途中の車両事故か家庭の問題で急遽来れなくなったのではないかとする所見にまとめられた。食料もここ2日分は十分あり、天気が明日悪ければ下山することも検討したが、翌日の午後は天気が回復する見込であり、府川、飯塚が11:30分に戻ってくる時間まで待機し、その後、立山に登ることにした。

◆佐宗、吉田の行動
 予定通り入山する。佐宗の荷がかなりの重量であったのと、新人の吉田と2人の行動であったことを除き、普段と変わるところはない。
 出合から内蔵之助谷に入ったところで大きな岩に出会う。佐宗はトップを歩き、その岩を乗り越そうとしたが滑りそのまま3メートル位下の沢へ落ちてしまう。沢は雪解け水が30cmの深さで流れていたが、荷が背中に被さり1時顔をその流れにつけている状態であった。咄嗟に態勢を整えたが落ちたときの衝撃で足を打撲するとともに、ピッケルと眼鏡をとばしてしまう。荷も水浸しになったが何とか脱出することができた。
 ピッケルがないこと、足を打撲したこと、目の前で起きたことでショックを受けている吉田を考慮し下山し留守本部へ連絡した。

←事故約1時間前に佐宗が撮った期待の新人・吉田(黒四ダム下にて)

◆留守本部の行動
 高橋卓、津田、曽我が状況を掌握するため現地入りすることを佐宗へ連絡し、佐宗と吉田は大町に一泊するように指示する。
 翌日、津田と曽我は初めて春山合宿に参加した吉田をベースまで引率することとし3人は入山した。午前11:30分ベースへ到着し本隊へ佐宗の状況を報告した。

◆その後の状況
 津田、曽我が着いたことから事態がわかり、天候も回後し、到着した吉田をつれ黒部別山に向かうことにした。また、小野、曽我、津田、三宅は高橋卓と佐宗に合流すべく下山する。
 翌日、残りの錦織、高野、高橋和、早川、本多、吉田の6名は午前中に立山稜線まで行動後、下山する。

◆反省点
 1・ 無線機と携帯電話を持って行ったが十分な機能を考えずに定期交信や別動隊の携帯等が決められて
 おらず、使用できず連絡手段がなかったこと。今後は、無線機の資格取得者を増やし、常備品とすること。
 2. 別行動をするものへの配慮が足りなかったこと。装備・食料等
 3・ 参加者の意識、特に入山する心構えとして健康、体調の管理を充分することが必要。激しい運動への
 準備を日ごろの訓練等でそなえること。

 最後に、我々は、山に登る共通の目的をもって行動をともにする。しかし、社会人、学生として様々な日常を過ごし、普段どのような生活をしているのか、事前の練習はどうしているかは個人に任せられている。当然山での行動を思い準備するが、直前まで社会人の場合は特に忙しい毎日で十分な準備が出来ないこともあると思われる。しかし、何か起きたとき、心配をかけ、迷惑をかけることがあったとしたら、山に入る資格は無いものと言える。
 今回の場合、留守本部諸兄に多大なご迷惑をお掛けしたこと、佐宗君が足に打撲ということだけでは済まなかったかもしれないことを思い多々反省する次第です。これからのOB会山行に対する教訓として生かしてまいりたいと思います。楽しいはずの春山合宿がそのとおり素晴らしい思い出に残りますように皆さんのこれからの精進を期待するところであります。
 今回の合宿に学習院山岳部OBの高野、錦織両氏が参加され、山に対する思いや姿勢に触れ、当OB会にとり大変有意義な山行になったことに感謝する次第です。今後の両氏のますますのご活躍を祈念いたします。