サモア通信Vol.1

はじめに

 本会会員で昨秋の東北山行にも参加された石塚準次さん(高22回生)が、2003年5月、南洋の楽園・西サモアに旅立たれました。
勤務先である国際協力事業団(JICA)の命を受け、約3年間(予定)の単身赴任であります。

 西サモアはポリネシアの島国、日本とは赤道・日付変更線で隔てられ、小田原から約7600Km離れた非常に遠い場所にあります。
が、電子メールはしっかりつながっております。

 そこで石塚さんより現地からのお便り&写真を送っていただき、このコーナーで随時紹介していきたいと思います。

小田高OB会の皆様

 22回生の石塚です。諸兄におかれては変わらずお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。
 ポリネシアの楽園にきてから1月経ち、すっかり落ち着きましたところ、南国サモアから第一報をお届けします。

 サモアという島は南緯12度、西経170度に位置し、ニュージーランドの隣といっても3000km余り離れており、南太平洋の孤島です。南十字星が天頂に輝いています。日本とは時差がー20時間となっており、世界で最も遅い時間を刻む地域の一つです。

 大きな島はウポル島とサバイ島というのが有り、小生は首都アピアのある前者の島に居ます。
面積は両者合わせて神奈川県ほど、人口は20万人に満ちません。

 気候は熱帯湿潤で要するに常時暑いですが、乾季と雨季が有り、今は乾季です。ただ結構雨が降ります。降雨量は年間5000mmと言いますから日本のざっと倍の雨が降ります。雨季にはサイクロンが襲来します。

 地形は両島とも火山島で小生の居るウポル島でも幾つかのクレーターが有り、かっての火山活動の跡を残しています。
最高点はウポル島で約1500m、サバイ島で1800mとなっており、郷土の丹沢山塊と同じくらいの山体です。
最近の噴火でも紀元前のようですから今では全山熱帯林で鬱蒼と覆われており、高山域は大体何時も雲に覆われています。

 白いさんご礁の島と思っていたらイメージと違って起伏に富んでおり、谷や沢も有ります。滝なども有ります。
謂わば箱庭的自然が在ります。

 最も近い文明圏はNZ(ニュージーランドのこと)で飛行機で4時間の距離、太平洋の絶海の孤島とはよく言ったもので島は周辺がさんご礁となっていますが、沖合い20kmも行くと周囲は6000mの海洋底です。
正にサモアは海底から屹立する大海原の巨大山岳と言うべきでしょう。

 人はポリネシア系で数千年前に東南アジア方面から渡ってきた人々が住み着いたのが始まりの由です。
サモア語というのが話されていますが小生が昔居たことのあるインドネシアの言葉と似たところがあります。遠いルーツが同じなのかも知れません。

 他方40年前までニュージーランドの委任統治領であったこともあり、英語が公用語となっており、子供でも小生などより流暢な英語を話します。
人は一般に温和で陽気、小錦のような人が男女沢山居ます。

 斯かる僻遠の地でも日本人は住み着いており、在留している人は登録者で100人弱。
内JICAの援助関係者が半分近く居ます。ボランティア(今では若い人から60過ぎた方まで)が多く、皆さん元気で飛び回っています。仕事は彼らを活かした開発援助ですが、小さい単位ながら開発課題は多く、暇を持て余すことはありません。

 生活物資は土地柄輸入品が殆どで、値段は高いですが贅沢心を起こさねば(日本食は有りません。)
幸いにも大抵のものはスーパーで入手でき、日常生活には困りません。
一つ驚きはマグロの生肉が入手でき、新鮮な刺身が味わえます。勿論北海のトロは有りません。

 昨日持参した葱、韮、茄子、キウリなどの野菜の種を蒔きました。
気温が高いので直ぐ成長して収穫出切る事を期待しています。

 もう一つの恩恵はIT技術の進展のお陰で、PCに電話線を繋げて前に座っていれば日本は勿論世界中とネットを結び、リアルタイムの情報が取れることです。公私共にこの文明の利器には世話になっています。
NETから世界情勢がリアルに流れてきますが、国際政治のダイナミズムで揺れ動く世界情勢に対比してこの島は全く関わり無く静かで平和です。今のところテロもSARSも有りません。

 こんな海の彼方の隠れ里ですが多分3年近く居ることになると思います。
生活に余裕のある人も無い人も人生に疲れたらこの南の楽園を訪問してください。

NZの南島逍遥の序でに立ち寄ることをお勧めします。
当地を訪れる機会に恵まれた幸運な人には当地の宿代、タクシー代は只であることを保証します。

 ちょっと第一報は長くなりましたがこの辺で止めます。
又何れ第二報を発信しますが其のときまで皆様御機嫌よう。諸兄も夏山を随分と愉しんでください。

 写真を2枚添付しました。
因みに添付の写真はウポル島の国立公園の一つの火口湖を探索したときの図、もう一つはとある浜辺のワンショットです。

(2003/6/5付メールより。一部ホームページ向けに編集)