ブレーキ(スライドピン)グリスアップ 2003.Apr

今年車検を迎えるあたり、リアブレーキのキャリパーがどーも気になっていたので、ここら辺で見てみる気になり生まれて初めてブレーキをバラしてみました。(バイクのディスクブレーキは経験済み)

このために用意した物
・シリコングリス  信越シリコンG-40M 高温用シリコングリス 100g 2000円位
(けっこうなお値段ですが一生分くらいあります)
・ブレーキクリーナー  ホームセンターとかで安売りしているやつです。

予備知識
以前に読んだ本に「ディスクブレーキはスライドピンのメンテを怠らなければまずトラブルは起きない」と書かれており、妙に納得した覚えがあります。スライドピンとはキャリパー自体を車軸方向に自由に動けるようにするためのシャフトで、ブレーキローターに対してパッドが自由な位置に居られるようにする機構であります。プレリュードのように1ポット(パッドを押すピストンが1個で構成されるブレーキ)の場合、ピストンの反対側にいるパッドへも均等な圧力を加えるのに必要な構造と理解しています。
 このシャフトはグリスによって潤滑され制動中も全てのエネルギーを2本で受け持つなど過酷な仕事を受け持っています。グリスが切れたり劣化するとキャリパーの動きが妨げられパッドの片当たりや引きずりなどを引き起こすことになります。

ここに使われるのがシリコングリスってやつで、高温下でも流れ出さないような特性を持っているはずです。(データーシートによると-30度〜200度)はーっ、はーっ、よく調べたな。

本来ばらしと言うとピストン廻りのゴムカップやシール類の交換までを言うのかと思いますが今回はそこまでやってられませんので、ゴム部品の劣化具合の確認までで終わりにしときたいと思います。(車検がとれれば良しとする)

結果
苦労の甲斐あって今まで感じていた制動時におけるブレーキペダルへの周期的な反動(振動)や朝一発目のブレーキ鳴きが緩和されて、見違えるようなブレーキタッチになりました。多少ローターの歪みはあるのでしょうがキャリパーが吸収してくれているようです。
今回はパッド裏面に塗るブレーキグリスは用意してなかったので塗ってありませんから、そのうちに鳴き出すと思います。鳴きはさほど気にしない性格なので良いのですが、次回のグリスアップには入手しておきたいですね。(とても高いグリスなので嫁さんの機嫌のいいときにお願いしてみましょう)
この作業はホイールを外さないとできないので、春のタイヤ交換時に併せて行うと丁度良さそうです。


尚、今回のメンテで外したボルトは安全上とても重要な部品で、ゆるみが発生すると事故に直結します。各自の責任において作業していただき、自信のない方はプロにお任せいたしましょう。

FRONT BRAKE
フロントブレーキ
キャリパー裏の14mmボルト2本を緩め抜き取ると左方向へキャリパーをずらすように取り外すことができます。パッドはローター側に残ります。キャリパーはとても重たいので針金などでアッパーアームにつり下げておくとブレーキホースに優しいと思います。
写真ではスライドピンがローター側に残ってますがジャバラを外しながら引き抜く事ができます。引き抜いたらグリスの汚れ具合や錆の有無を確認しておきました。スライドピンは上下2種類あり色が違うのでハッキリ解ります。黒いシャフトが上側だったと思います。
フロントキャリパー
右側の丸いい筒がピストンでその周りをピストンブーツが覆っています。ブーツの中にはシールがありますがブーツを外さない限りシールのオイル漏れは確認できません。
ブーツを見る限りヒビ割れなどは確認できなかったので今年の車検はこのままでいけそうな予感です。
過去に交換をお願いした覚えは無いのですがいつかの車検で交換されていたのでしょうか?まったく記憶がありません。
来年あたりオーバーホールにチャレンジしてみようかな?かなり好奇心をかき立てますよねブレーキは…
スライドピン
抜き取ってクリーニングした後のピンです。
ご覧の通り右側のピンは真っ黒!これは何かのコーティングかと思います。(潤滑のための)2本とも若干の摩耗がありました。
お掃除はブレーキクリーナーでジュワーっと洗浄すると古いグリスが吹っ飛んでくれます、そのあと新しいグリスを指でべっちょりピンに塗りつけて元に戻します。
ゴムのジャバラも取り外し内側の古いグリスを拭き取り元に戻しておきます。そこへグリスアップ後のシャフトを突っ込みます。
その時シャフトがスムーズに動くか指で押してみます。途中で引っかかったり動きが重いときは孔側もブレーキクリーナーで洗浄して再度グリスアップします。
私の車は右側の上のピンが若干動きが悪かったので再洗浄しました。あまり改善されなかったような気もしますが?

フロントブレーキパッド 右側のセット
左側のセットは良かったのですが右側は2枚の摩耗量が違ってます。左が外側、右が内側のパッドになりますが右は真ん中の溝が無くなるまで摩耗しています。恐らくキャリパーの動きが悪かったのでしょう。グリスアップで改善されればラッキーです。そう言えば制動時にブレーキペダルにいやな振動が伝わってきていましたが、ディスクのゆがみで起きていると思ってました。

走行75000キロでまだパッドが5〜6ミリ残ってました、なんとブレーキに優しい運転でしょう(典型的なエンジンブレーキに頼りっぱなしの運転です、あまりフットブレーキを使わないので後続車のかたは苦労されてると思います)

パッド・キャリパーもブレーキクリーナーで汚れを落とし全てを組み付けてフロントは終了。


REAR BRAKE
リアブレーキ
リアブレーキにはパーキングブレーキと兼用するための機構が盛り込まれていてちょっと複雑。キャリパー裏側を覆っているプラスチックカバーが10ミリのネジ2本で固定されているので外してカバーを取らないと始まりません。
12ミリのボルト2本を抜き取ればキャリパーが左方向へ外れます、この時パッドはローター側に残ります。
写真はまだ何もしていない左リアブレーキ。
リアキャリパー
この写真がキャリパーを外したところです。
ピストン部分をよく見ると十字に溝が切られていると思いますがここがフロントとの違いでピストンを戻す(引っ込める)時はこの溝に何か引っかけて時計方向に回すと引っ込みます。また、パッド側には丸い突起が出ておりキャリパーを組み付けるときはこの突起とピストン溝が一致するように組み込まないといけないのが注意点です。

リア側もブレーキダストを取り除きシール類の点検をしましたが問題は無さそうです。一安心ってところです。

スライドピン
フロントと同様に2種類のピンで構成されてます。キャリパー横から見て上がメッキで下側が黒いピンだったと思います。

これまたシリコングリスを塗りつけてブーツ・シャフトの順番で組み付けていきます。

フロントに比べてかなり細いですね。

【後日談】
この黒いコーティングの正体は「ACコート処理」らしい。テフロンや二硫化モリブデン

スライドピンの準備運動の図
写真はグリスアップ後にスライドピンの動き具合を確認してるところです。

ブーツの中の空気が密閉されているので押し込んだ後自然に戻ってくるのが正常。戻ってこないようなら原因を突き止めるしかないでしょう。

ローターの振れ・回転確認
せっかくキャリパーが外れているので空回ししてみました。
パッドが付いていると引きずりがありベアリングの音は解りにくいのですが、この状態であればハッキリ解ります。
結果、左リアのハブベアリングはかなりやばい状態でした(大汗)ごーっとゴロッた音が響きます。まだガタつきや負荷にはなっていないので音だけの問題ですが近い将来交換が必要と思います。
夏タイヤに履き替えてから感じていた左側から響いてくる周期的なノイズはハブベアリングが原因かも知れません。

勢い良く回っている所に指で触れて、振れの有無も見ておきました。大ざっぱですが人間の指はけっこう敏感なもので