19. できたら避けよう高齢出産−生まれてくる子供のために
▼1997年の厚生省の統計によると日本では婚姻は41秒に1組,離婚は2分22秒に1組なのだそうである. こんなにもたくさんの人々が結婚−離婚を繰り返しているにも関わらず,出生率は将来も回復する期待はもてないようだ.なぜなら, 初婚年齢が高くなり,結婚しない, あるいはできない男性・女性が増え(表8),結婚しても子供を造らない夫婦(DINKS ; Double Income No Kids) もいるからである.平均初婚年齢は1970年代半ば以降,男女共に上昇を続けている.しかし,夫婦が出会った時のそれぞれの平均年齢は, 1970年代後半からほぼ横這いとなっており,最近の晩婚化の進行は出逢いから結婚に至る交際期間の長期化により生じていると言える. しっかり相手を見極めて,理想の相手と結婚しようという傾向が伺える.適齢期などなんのそのである.ちょっと極端かもしれないが,芸能界の 一部の人々の様な,気に入らなければ離婚すればいいとか,夫はいらないが子供がほしいなどという考え方は,高齢出産を避ける意味合いからは 望ましいことかもしれない.
▼婚期が遅れるとどうしても
高齢出産が多くなる.高齢出産は胎児にとって危険である.できることなら生まれてくる子供のために,避けてほしいが,理想と現実は食い
違うことが多い.世界産科婦人科連合は”高年出産を初産で35歳以上,経産では40歳以上と定義している”.医学の進歩によって,母胎の
高年齢が妊娠,分娩,胎児に与える異常や危険性を減少させることが近い将来は可能になるだろうが,現在では,母胎の高年齢は,異常妊娠
(流産,胎児奇形,胞状奇胎,種々の合併症など),異常分娩(早産,遅延分娩,胎児仮死,急速遂娩など)の頻度を増加させる危険因子である.
適齢期と比較し,高齢出産では染色体異常児の出生頻度は数十倍から数百倍にまで上昇する.そんな胎児の悲劇に直面するたびに,わが子達が
五体満足であることにあらためて気づき,キリスト様に,お釈迦様に,仏様に,アラ−の神に,妻に感謝の気持ちを伝えたくなる.
▼若年妊娠では社会医学的問題点が指摘されている.欧米では”15歳以下の妊娠”を若年妊娠ととらえているが, 日本では15歳以下の妊娠は,問題視しなければならないほど多くない.従って,日本では一般に”10歳代の妊娠”を若年妊娠としている. その数は1960年頃から横這いである.
データでヘルスの目次へ 最終更新日 : 2011/04/10