30. がん予防十五カ条の解説

 

7. 肉(牛・豚・羊肉):1日 80 g 以下.魚肉・トリ肉の方がいい.

 がんにかかる危険性の点からは,牛肉や豚肉の摂取を控え,魚・トリ肉にしたほうがいいようである.
国別一人当たりの牛肉消費量と大腸がんにかかる率とはほぼ相関しているというデ−タがある(図20).ニュ−ジ−ランドやアメリカの人々は日本人の何倍も牛肉を食べる.体がでっかいことも原因の一つだが,牛肉が安いことが最大の原因である.気候の良い時には広い庭の芝生の上やちょっとしたピクニックに出かけては,ビックリするほどでかい肉をバ−ベキュ−・スタイルでビックリするほど沢山食べる.肉を焼くのは主夫の役目,妻や子供達は食べながら遊び,遊びながら食べている.これが蓄積して大腸がんが多いと言われている.

日本でも食生活が欧米化し,焼き魚や塩漬けの魚が減り,肉類が増えてきている.このことが胃がんが減少につながり,大腸がんの増加の原因になっていると考えられている.

 

▼早期の大腸がんが,定期健康診断などの血液検査で貧血を指摘されたことをきっかけに見つかることがある.

貧血には色々な種類があるが,鉄欠乏性貧血というタイプが最も多い.このタイプの貧血は食事が原因のこともあるが,食料事情の良い今時そんなことはほとんどなく,大抵は女性の月経による失血や妊娠時,胃・十二指腸潰瘍や胃切除後の人などに起こり,時に体のどこかに”がん”が潜んでいることがある.

貧血と同時に便の潜血検査(肉眼では見えない消化管出血の発見)も陽性であれば,大腸がんや前がん病変の大腸ポリ−プ(キノコ状の病変)である可能性は高まってくる.

大腸X線検査や大腸内視鏡(カメラ),生検(大腸内視鏡の時に病変の一部を採取)などを行って確定的な診断をする.運良くポリ−プであれば内視鏡でチョッキンチョッキン切り取ってやればよく,手術の必要はない.運悪く大腸がんであっても早期がんであれば手術によって助かる可能性が極めて高い.進行がんなら人事を尽くして天命を待つのみである.

 

▼こんな不景気な世の中で,”肉を食べると大腸がんになる”なんて事を書くと肉屋さんに恨まれて,月の出ていない夜に外を歩けなくなると困る.そこで,次週は肉屋さんと,どうしても肉を食べたい肉好きの人のために一言も二言も言わせてもらうので,是非ともそれを読んでから行動に移していただきたい.

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最終更新日 : 2011/04/10