フェミニズム批判

 

20 「ジェンダーフリー」政府が否定

    (平成14年11月14日初出)

    (平成14年11月15日加筆)続報 内閣府、徹底する文書を送付

 

 12日の参院内閣委員会で、質問に答えた福田康夫官房長官と内閣府の板東真理子・男女共同参画局長が、ジェンダーフリーを明確に否定した。これは一部(大部分?)のフェミニストたちが進めるジェンダーフリー運動を政府がはっきりと否定したことを意味しており、男女平等運動の歪みを正すための大きな前進と言える。

 この政府見解を学校教育はもちろん社会教育・生涯教育の関係者、また都道府県・市町村での共同参画条例化を進めている関係者は謙虚にかつ真摯に受けとめ、行き過ぎや歪みを是正してもらいたい。

 マスコミも「バックラッシュ」として書き立てるのではなく、行き過ぎを素直に認めて正しい男女平等を後押ししてもらいたい。

 以下、この事実を報じた『産経新聞』の記事を全文引用する。(なお今までのところ『朝日新聞』『読売新聞』にはこの事実は報道されていない。これほどの重要なニュースを報道しないのは、情報操作または情報隠蔽ではないか。)

 

「ジェンダーフリー」国会で論議

「性差否定ではない」

福田担当相ら 教育現場にも徹底

 

 国や地方自治体の男女共同参画行政や「ジェンダーフリー教育」は男らしさ・女らしさや性差そのものを否定するなど偏っているのではないか、という批判が高まっている。12日の参院内閣委員会でこの問題が取り上げられ、男女共同参画担当相の福田康夫官房長官らは「性差を否定するものではない」と答弁、一部の学者やフェミニズム運動家の見解を排除した。

 

基本法の精神

 

 亀井郁夫氏(自保)の質問に答えた。千葉市の男女共同参画条例案に盛り込まれていた「男らしさ・女らしさを否定しない」とする趣旨の文言が「男女共同参画社会基本法の精神に反する」と一部の団体の反発で削除された。亀井氏はこのケースを挙げ、「男女が互いの違いを認めて尊重しあうのが基本法の精神ではないか」とただした。

 福田官房長官は「男らしさ・女らしさを強調しすぎるのは問題だが、時代や社会情勢が変わっても男女の性別に起因するものは否定できない」と、基本法は性差を否定しない立場を示した。

 性差否定とは矛盾するが、「公務員や審議会の委員、企業の幹部などは男女同数が望ましい」などと「結果の平等」を求める主張がフェミニストの間にある。

 これに対し、福田官房長官は「男女共同参画のために機会を提供し、男女が選択できることが重要」と、目標は「機会の平等」であり「結果の平等」ではないことを強調した。

 

非公式な用語

 

 「社会的・文化的な性差の解消」の意味で「ジェンダーフリー」という言葉が定着しつつある。亀井氏は「米国では使われていない言葉。基本法の精神は『ジェンダーフリー』か」とただした。

 内閣府の坂東真理子・男女共同参画局長は「『ジェンダーフリー』という言葉は国連も日本の法令も使っていない」と、公的用語ではないと指摘。その上で「一部に、男女の区別をなくす、男女の違いを画一的に排除しようという意味で使っている人がいるが、男女共同参画社会はこのようなものを目指していない」ときっぱり否定した。

 

文科省と連携

 

 文部科学省の委嘱で発行されたパンフレットが、こいのぼりやひな祭りを否定的に記述するなど伝統的男女観の排除が教育現場に及んでいる実態にも批判が上がっている。これについて、米田建三・内閣府副大臣は「男女共同参画社会に関する教育は、決して画一的・機械的に男女の違いを認めないということではない。誤解を生まないようにしたい」と答弁、文部科学省などと連携して教育現場に趣旨を徹底する意向を示した。

 

(以下は同じ紙面の隣に掲載された記者署名の解説記事)

■男女共同参画行政■

混乱、政府姿勢に問題の声も

 

 日本の男女共同参画行政が「男女の区別を取り払うこと」と解釈され混乱しているのは、政府の姿勢に問題があると指摘する声が多い。

 平成十一年に施行された男女共同参画社会基本法に基づき、翌年、首相の諮問機関「男女共同参画審議会」が出した答申は、男女共同参画社会を「男女が性別に基づく固定的役割分担意識にとらわれず…」と定義付けている。

 この記述について八木秀次・高崎経済大助教授は「男らしさ・女らしさの否定こそが基本法の目指す共同参画社会だ」と批判。林道義・東京女子大教授は基本法の条文について、(1)男女の機会均等と利益享受の均等を混同している(2)専業主婦を認めず、女性を全員働かせようという思想が秘められている(3)家族の一体感や共同性を廃止すべきだとしている−などの問題点を指摘している。

 基本法の施行を受け、自治体でも男女共同参画条例の制定が相次いだ。

 内閣府によると、これまでに三十八都道府県と七十九市区町村で施行。各自治体とも基本法と似た趣旨だが、六月に施行された山口県宇部市の条例には、誤解を招かないためとして「男らしさ、女らしさを一方的に否定することなく男女の特性を認め合う」との文言が盛り込まれた。

 逆に、千葉市では条例案の「女らしさ、男らしさという言葉に端的に表される、性別により男女に一定のあり方を期待する意識は、歴史的、文化的にも根差しており、一方的に否定されるべきではない」との文言が抗議を受け、削除されて九月議会で成立した。

 また、千葉県では(1)女性の雇用に積極的な企業を県が工事請負などで優遇する2)農家の夫と妻の間で収益の分配などを定める家族経営協定を促進する(3)子供を産む産まないは自ら決定できる−などの内容を盛り込んだ突出した条例案が問題化。堂本暁子知事は「日本一の条例」と自負したが最大会派の自民党から反発を受け、一部修正して九月議会に提出したものの継続審議となっている。

 男女共同参画をめぐる議論は今後も各地で続きそうだ。(渡辺浩)

 

(平成14年11月15日加筆)

続報 内閣府、徹底する文書を送付

 

 11月15日の『産経新聞』によれば、内閣府は男女共同参画が「性差の否定ではない」旨を徹底させる文書を都道府県に送ることを決めた。こんな当たり前のことを、わざわざ政府が確認しなければならないほどに、今までが狂っていたということだ。しかしやっと当たり前のことが確認されただけでも、大きな前進である。(しかし他の新聞は依然このことを報道していない。)

 以下は『産経新聞』の記事の全文である。

 

 男女共同参画行政が男らしさ・女らしさの否定ではないかと批判されている問題で、内閣府は14日、「性差否定ではない」との趣旨を徹底する文書を

都道府県に送ることを決めた。内閣府は「従来の姿勢を確認するだけ「としているが、共同参画の意味づけで混乱する自治体の行政がかなり是正されそうだ。

 この問題をめぐっては、男女共同参画審議会の男女共同参画会議・影響調査会会長の大沢真理東大教授が「政府はジェンダー(社会的・文化的な性差)そのものの解消を志向している」と主張。地方自治体の行政や教育現場にも影響を与えてきた。

 このため、「日本の男女共同参画行政は、男女の特性を認める『男女平等』や『男女同権』ではなく、男女の区別そのものを否定する過激なフェミニズムに基づいている」と反発の声が上がっていた。

 しかし、今月12日の参院内閣委員会で福田康夫官房長官と米田建三・内閣府副大臣、板東真理子・内閣府男女共同参画局長が(1)政府が目指す男女共同参画社会は男らしさ・女らしさの否定ではない、(2)「ジェンダーフリー」という言葉は公的用語ではなく、男女の区別をなくすという意味ではない、(3)教育現場などで誤解を生まないようにしたい─との立場を明らかにした。

 内閣府男女共同参画局は「方針転換ではない」としながらも、「国会でまとまった答弁をしたのは初めてなので、内閣委員会でのやりとりを都道府県に送り、趣旨を徹底したい」としている。

Back to Top Page