お知らせ

 

(平成28年9月6日更新)

 新装版のお知らせ

C・G・ユング著、林道義訳『個性化とマンダラ』『連想実験』『転移の心理学』(みすず書房)新装版が、2016年8月26日、刊行されました。初版は1991年、93年、94年です。


(平成26年2月22日更新)

 復刊のお知らせ

マックス・ヴェーバー著、林道義訳『理解社会学のカテゴリー』(岩波文庫)が、2014年2月19日、第28刷で「リクエスト復刊」されました。第1刷は1968年です。


(平成22年1月30日更新)

 『正論』平成22年3月号(平成22年2月1日発売)に「亡国の独裁者・小沢一郎を心理分析してみれば」を発表

 剛腕の独裁者を動かしているのは隠された劣等感コンプレックスであり、正体は小心者であることを暴露しました。


(平成21年12月24日更新)

 『正論』平成22年2月号(平成21年12月25日発売)に「心理学が解明する鳩山 "マザコン" 総理の正体」を発表

 「マザー」にオンブにダッコ、「マザー」への無限の甘え、優柔不断で決断のできない性格を、心理学で解明しました。なんでも先送りの秘密が分かります。


(平成21年10月22日更新)

 増刷のお知らせ。

 『日本神話の英雄たち』(文春新書)の第2刷と、『元型論』増補改訂版(紀伊国屋書店)の第5刷が出ました。


(平成19年6月29日更新)

 『正論』平成19年8月号(平成19年7月1日発売)に「親は子供に何をどう教えるべきなのか」を掲載

 家庭教育の大切さは今や誰もが認めるところだが、では家庭で親が何をどう教えたらいいのか。この疑問に対して、とくに基礎となる幼児期にしぼって、感覚的次元への働きかけの大切さを説いている。同じ趣旨の内容をすでに『家庭教育の再生』で述べているが、この論文ではとくに「美的感覚」と「恥の感覚」について今まで以上に詳しく論じている。


(平成18年12月25日更新)

 『諸君 ! 』平成19年2月号(平成18年12月末発売)に「『囲碁戦争』 ─このままでは中韓の餌食になるだけだ」を掲載

 題名は編集部がつけたので少々刺激的だが、内容は日本囲碁の危機とその原因を客観的に分析し、解決方法を提言している。本ホームページの「囲碁 3 」を圧縮したものである。

 

(平成18年10月3日更新)

 ノイマン『意識の起源史』(林道義訳、紀伊国屋書店)の新装・改訂版が発売

 エーリッヒ・ノイマン『意識の起源史』の新装・改訂版が10月3日に発売されました。

 初版以来20数年ぶりの改訂です。訳文を大幅に改定したほか、訳注、解説、索引など、かなり手を加えました。図版も大幅に増やし、カラー口絵も加えました。定価は5.700円+税です。

 表紙折り返しの本書紹介文を以下に再録します。

 「個人の自我意識の発達は、人類が歩んできた意識発達の元型的諸段階を辿る」という雄大な仮説をもとに、その軌跡を世界の神話、宗教・文学・美術に探る。

 神話に、人類に共通の集合的無意識がイメージの形で現れているとはユングの卓見だが、本書で著者ノイマンは、神話的イメージを意識発達史の観点から系統的に並べなおす。すなわち、母子未分離のカオスの状態から、意識が広大な無意識の海に出現し、試練を経て無意識を統合する過程を、ウロボロス、太母、英雄の誕生、母殺し・父殺し、対立の結合による個性化の各段階に分類し分析する。

 この試みは、心理学に歴史的・社会的な観点を導入し、個人心理学の限界を越えて集団や文化の心理学の展望を切り拓くものである。ユング心理学の代表作、堂々刊行。

 

(平成18年5月29日更新)

 『諸君 ! 』平成18年7月号(平成18年6月1日発売)に「理念なき『教育基本法改正案』は破棄せよ」を掲載

 政府案を徹底的に検討し、いわゆる3点セットの問題点だけでなく、多くの問題点があることを指摘し、この改正案を通すべきではない、他日を期すべきだと主張している。

 

 

(平成17年12月22日更新)

 『正論』平成18年2月号(平成17年12月24日発売)に「皇室典範有識者会議とフェミニズムの共振波動が日本を揺るがす」を掲載

 何者が「女系天皇」を必要としているのかという視点から分析し、「天皇は父性原理の体現者でなければならない」ことを強調している。

 

(平成17年12月1日更新)

 『諸君 ! 』平成18年1月号(平成17年12月1日発売)に「東京女子大学よ、私の何処が『不名誉』なのだ」を掲載

 私に対する名誉教授不授与に対する告発と、その不正が起きた背景を分析している。

 

(平成17年10月14日更新)

 新刊のお知らせ 拙著『家族を蔑む人々 ──フェミニズムへの理論的批判』(PHP研究所)が出版されました。

 定価(本体1.400円+税)

 フェミと戦うための教科書 ! フェミニズムを理論的・学問的・方法論的に、徹底的に批判した本である。

 最近フェミニストたちがどんな行き過ぎや悪いことをしているかという事実はたくさん集まっている。自民党のプロジェクトチームのもとに、たとえば極左的性教育の実態も多く集められている。

 しかしそうした歪んだ実践を正当化している理論を論破する必要がある。その間違いを学問的・方法論的に暴露しないかぎり、間違った実践はあとからあとから湧いてくる。だから私はこの本で、フェミニズムを学問的・方法論的に徹底的に批判した。

 見どころの第一は、今ちょうど政治の場でも注目されている「ジェンダー」概念の徹底的な検討と批判を行った第一章である。「ジェンダー」概念の起源から、その概念そのものに含まれる性差否定の思想をあばき、その現実への適用がどんな不幸を引き起こすかを明らかにした。そして「ジェンダー=文化的性差」の人間にとっての必要性をも明らかにしている。とくにマネー・上野千鶴子・大沢真理の「男女の差あいまい論」、すなわちスペクトル=グラデーション論を論破している。また最近その驚くべき実態があばかれている極左的性教育の犯人「性教協」の思想と理論を俎上に乗せている(第二章四)。

 見どころの第二は、参画局や朝日新聞の行った調査や統計のウソや捏造をあばいている第三章。とくに参画局が作った(出生率と女性就労率の)「相関図」が驚くべき改竄だということを、図をもって分かりやすく暴露した部分(p.190以下)。また朝日の世論調査が他の多くの調査とちょうど正反対の結果が出たという不思議な事実(p.195以下)。なぜそんなことになったのかを推理している部分は、朝日が社をあげて調査統計の意識的な操作をやっいる悪質な体質を浮き彫りにしている。

 さらに第二章ではフェミニズムの政治的実践の弊害を、第四章では女性学や男性学が方法論的にいかにデタラメであるかを暴露している。すべて、フェミニズムと戦うための理論的な教科書の役割を果たすように書かれている。『正論』に発表した第二章以外はほとんど書き下ろしである(一部、本HPに発表したものを使っている)。以下、目次を示す。どこからでも、興味をそそられる所から読んでいただきたい。

 目 次

はじめに――家族を壊すフェミニズム

第一章 ジェンダー論の間違い徹底批判

一 「ジェンダー」という用語が本来的に持っている性差否定思想

二 ジェンダー理論のどこが間違っているか

三 性差は生まれつき――脳科学の成果

四 ジェンダーの必要性

五 性別(ジェンダー)を変えようとした非道な実験 ――「ブレンダと呼ばれた少年」の悲劇

六 本質的には同じことをしているフェミニストたち

七 性差を否定する教育の危険

八 日本の性別文化を守ろう ――男性文化と女性文化は大切な人類の財産

第二章 日本破壊を目論むフェミ・ファシズムの革命戦略 ――政治運動としてのフェミニズムの害毒

一 「男女平等」に隠された革命戦略

1 「崩し」を狙う革命戦略の一環

2 フェミニズム戦略の段階的進化

3 「家族」は天王山

4 権力を掌握したフェミニズム

5 経済界とフェミニズムのいびつな連帯

6 家族破壊・日本破壊の元凶、「共参法」を廃絶し、参画局を廃止せよ

二 フェミ・ファシズムの無法――魑魅魍魎の世界・荒川区の真相

三 フェミニズムは共産勢力の隠れ蓑――ソフト路線の罠

1 「行き過ぎ」ではなく「本質」

2 フェミ・ファシズム戦略の特徴――過激作戦とオブラート作戦の硬軟併用作戦

3 「オブラート作戦」の本家本元・コミンテルン

四 「性教協」が目指す「性革命」の危険――セックス肥大という精神病理

 即物的・技術的性教育と純潔教育

 人格形成・家族形成を前提にしない性教育の危険

 性教協の思想的背景

 セックス肥大の心理的背景

第三章 革命の拠点・内閣府男女共同参画局の謀略 ――統計調査のウソ・デッチ上げ

一 統計でウソを言う内閣府の「調べる詐欺」

二 第二の実例:世論調査のゴマカシ

三 第三の実例:「男は仕事、女は家庭」についての調査

四 第四の実例:出生率と女性労働力率の「相関図」は改竄

五 第五の実例:奇々怪々、『朝日』の世論調査 ――逆転の謎を解く

 フェミニズムの詐欺の軌跡が歴然

 後日談:語るに落ちた『朝日新聞』の言い訳

    ――「世論調査を操作しました」と白状したも同然

六 新聞を使ったデマゴギー――『南日本新聞』「事実なし」のウソ

 『南日本新聞』の記事は問題を狭隘化している

 犯人に「やったか」と聞いたようなもの

 ここまでやるかジェンダーフリー教育

第四章 女性学・男性学という名のエセ学問 ――曲学阿世の徒

一 汚いレトリック――伊藤公雄氏・細谷実氏

二 「敵」を矮小化したい心理の表れ――『〈癒し〉のナショナリズム』の方法論的欠陥

三 男性学の方法論的欠陥

四 イデオロギー主導の偽「研究」――菅原ますみ氏

五 方法論欠落の女性学

 スウェーデンはどこへ行った?

 地上の楽園が実現する?

 汚い卑劣な論法

  1 実際にやっていることとは反対の理想を語る詐欺が二カ所ある

  2 価値観をしのばせた言葉で暗示にかける方法

  3 調査・統計結果のゴマカシ

  4 ウソの弁解

  5 批判をカリカチュアライズするという手口

  6 方法論の間違い

   型に「はまらない」「とらわれない」はよいことか?

   男女の違いと個人の違い――類別はなぜ必要か

   「大多数」と「例外」

   伝統・習慣(祭り)と性別シンボリズム

   色を選ぶ権利?

おわりに

 

(平成17年9月15日更新)

新著『ユングでわかる日本神話』(林道義著、文春新書、 680円+税)が9月20日に発売されます。

 『日本神話の英雄たち』『日本神話の女神たち』に続く三部作 の完結編です。

 今回はとくにユング心理学を前面に出して、日本神話の特徴を明らかにしてい る。

 ただしユング派にときどき見られるように、自分が勝手に空想した物語を日本 神話に押しつけるのではなく、学問的な研究成果をふまえながら、それにユング心理 学の見方を重ね合わせることによって、日本神話の民族固有の特徴をさらに浮き彫り にするという手法を取っている。

 日本神話に現われる代表的な元型的シンボル、「開闢神話」「地下世界」「起 源神話」「異類婚」「悪・破壊」を取り上げて、世界共通の物語の中に、日本独特の 特徴を発見していく。

 

 目次は次のとおり。

 

前夜の話 シンボルを解釈するとはどういうことか

1 心理学的分析で何が分かるか

2 神話をシンボルとして見る

3 シンボルの元型的な意味と個性的な意味

4 シンボルは意識と無意識の関係を表わしている

 

第一話 宇宙開闢と意識の誕生

一 光が先か、天地分離が先か?

1 天地分離過程への関心

2 天地分離後への関心

二 日本神話の特色は?

1 三種が複合

2 「天地初めて発りし時」から始まった

3 イザナギとイザナミが造ったもの

4 元型的イメージを考えるキーワード

 

第二話 地下世界の成立

一 ユングの自伝が象徴するもの

二 地下世界の具体的性格

1 牢獄としての地下世界

2 死者の国としての地下世界

三 イザナギの冥界下り

四 ウロボロスとしての冥界

1 ノイマンの「冥界=ウロボロス」説

2 「恐ろしい太母」としてのイザナミ

3 父ウロボロスとしてのスサノヲ

4 「すでにあるもの」としての地下世界

 

第三話 起源神話を心理学的に考える

一 「死」「性」「文化」は同時に生まれた

二 文化の起源の三類型

三 意識はどう形成されるのか

 

第四話 異類婚――動物シンボルの意味

一 山幸彦とトヨタマビメの場合

二 日本型と西洋型

三 「河合説」を判定する

四 天女と鳥

五 ヤマトタケルの悲劇

 

第五話 影や悪の元型

一 動機なき殺人

二 理由なき破壊

三 理由づけの心理

四 破壊の心理学的意味

 

 

(平成17年9月14日更新)

GHQの検閲=洗脳の実態

 歴史認識について外に向かって主張することももちろん大切だ が、われわれ日本人自身の歴史認識を正すことが先決である。その意味で、たいへん 重要な本を紹介したい。

 その前に断っておくが、当ホームページでは他人の著書の紹介はしない原則に している。紹介してもらえるとなると、候補者が殺到して収拾がつかなくなるからで ある(私には多数の本を取捨選択する能力も時間もない)。ただしこの本は例外であ る。日本人に是非読んでほしいが、出版社がマイナー(失礼!)なために人の目にふれ にくい。それではいけないと思うので、例外として紹介したい。

 前置きが長くなったが、その本とは、勝岡寛次『抹殺された大東亜戦争』(明成 社、平成17年9月2日刊、1.900円+税)である。

 この本は、戦後、日本を占領統治したGHQが行った検閲の具体例を細かに検証 し、その実態を描きだしている。

 戦後の連合軍占領下において、厳しい検閲がなされ、日本を弁護する言論やア メリカはじめ連合国を批判する言論が抑圧さたれたことは知られている。しかし、大 方の日本人は、サヨクの影響もあって、「軍国主義を美化するような言論を取り締ま るのは当然だろう」くらいにしか理解してこなかった。

 その検閲がいかに徹底したものであり、日本人の考え方をどれほど一方的に歪 めたかを文学作品に即して明らかにしたのが、江藤淳氏の『閉ざされた言語空間── 占領軍の検閲と戦後日本』などの研究であった。

 この度の勝岡氏の研究は、その検閲が、短歌の同人誌にまでいたるあらゆる出 版物にわたって、徹底的になされたことが、詳細に検証されている。

 そこから浮かびあがった検閲のあり方は、とにかくアメリカに対する批判や疑 問、また大東亜戦争の正当性やアジア諸民族に対するプラス面を少しでも主張した部 分は、一言半句といえども細大漏らさずすべて削除されるという徹底したものだっ た。

 削除された文章が網掛けで引用されているが、それらを読んでみると、戦争に 負けた直後だというのに、じつに骨のある人士がいて、日本にだって言い分はあるの だと、アメリカが絶対善で日本が絶対悪だという見方に敢然と反論している。しか し、いろいろな刊行物の中に発表されるはずであった、そうした言論は、まったく国 民の目にふれないままに、すべて葬り去られてしまった。じつに優秀な検閲官がい て、細かい言葉まで探しだして、除去してしまったのだ。

 中でもGHQが神経を使ったのが「大東亜戦争」という言葉であった。この言葉は すべて「太平洋戦争」という言葉に変えさせられた。「大東亜」という所には change と書かれて「太平洋」に直すことが命令されている。

 つまり「大東亜共栄圏」だとか「八紘一宇」という言葉に込められた、アジア が西洋の植民地主義に対抗して協力し合って理想の国作りをするという理念を全否定 し、ただ太平洋をはさんでアメリカと間違った戦争をしたという見方を押しつける意 図があったことを示している。

 もちろん、その理念とは反する側面もあったが、しかし「大東亜戦争」によっ てアジア諸民族がヨーロッパの植民地から解放されたことも事実である。その「アジ ア」に目を向けさせないで、ただ太平洋(対アメリカ)にだけ目を向けさせるのは、明 らかに事実に反している。

 占領軍の検閲は、その「大東亜戦争」だという側面を徹底的に消し去り、「太 平洋戦争」だという側面だけを日本人に押しつけ、洗脳しようとしたのである。

 検閲の内容は、もちろんそれだけに留まらず、東京裁判への批判、16世紀以来 の西洋列強によるアジアの植民地支配への批判、支那・朝鮮と日本の関係、アメリカ の太平洋進出への批判、日露戦争と韓国併合、日米交渉と開戦の捉え方など、じつに 多岐に亘っている。

 これほど徹底的に一方的な言論の圧殺をし、一方的に日本悪者論のみを強制し ていたのかと、呆然とするばかりである。少しでも日本を弁護したり、アメリカの正 当性に疑問を呈することを、一言半句たりとも許さない検閲。さながら絨毯爆撃のよ うである。これで日本人は徹底的に洗脳されてしまったのだ。

 ここから戦後日本人の自虐史観が生まれ、それが中国や朝鮮や日本の共産党に よって引き継がれ、日本人の道徳的自信を喪失させ、対中国・対朝鮮のぺこぺこ外交 につながっているのである。

 GHQから共産党へと引き継がれた日本悪者論に、日本国民の圧倒的多数が洗脳さ れ、騙されてきた。その下敷きの上に、30万だの40万だのという南京大虐殺の大ウソ や、朝鮮を植民地支配した日本がひどいことだけをしてプラスを与えなかったかのよ うなウソを日本人の大部分が信じこむという事態も生じたのである。

 勝岡氏の研究は、GHQ→サヨクの洗脳の呪縛から日本人の心を解き放ち、あたか も夢を覚ましてくれるような効果をもたらす。われわれは中国や朝鮮の反日感情にど う対処するのかという以前に、その悪感情の元になっている歴史認識の間違いを、わ れわれ自身がまず認識しなければならない。そのためには、本書のような真実を明ら かにする本がもっと読まれなければならない。

 

 

(平成17年9月6日更新)

『家庭教育の再生』(林道義編著・民間教育臨調・家庭教育 部会報告書)(学事出版、2.300円+税)が出版されました。

 家庭教育に関するあらゆる問題について、最新の科学的研究に 基づく分析と提言がなされている。執筆者はそれぞれの分野の第一人者であり、内容 はきわめて充実している。

 民間教育臨調の家庭教育部会長として、私は人選から構成、分担、内容に関わ り、各担当者の皆さんのご協力を得て、いま日本で可能な最高の内容を盛り込むこと ができたと思う。

 特徴としては、母性に関する章を最重要視して他の部分の二倍の分量にした 点、次に家庭教育の内実のみならず、家庭教育を支える国や社会の視点を入れた点で ある。目次と執筆者は次のとおりである。

 第一章 総論 家庭教育の必要性(林道義)

 第二章 子供の心身の発達における母性の重要性(菅原久子、堀内勁、岡本明 子)

 第三章 子供の心の発達における父性の重要性(林道義)

 第四章 家庭における情操教育・宗教教育・性教育(佐藤健二、高橋史朗)

 第五章 家庭における知的教育・教養教育(和田秀樹、勝岡寛次)

 第六章 他の教育主体との連携(菅原久子、長田安司、佐藤健二)

 第七章 健全な家庭教育を支援する体制(山口敏昭)

 第八章 健全な家庭教育を支える労働政策・福祉政策(林道義)

 第九章 現行家庭科教科書の問題点(高橋史朗)

 第十章 家庭教育と法律(山口敏昭)

 

 

 

(平成17年9月2日更新)

 雑誌『LOGOSDON』季刊『ロゴスドン』2005年秋号(ヌース 出版、定価600円)に、私へのインタビュー記事「家庭教育と家族哲学」が掲載さ れています。「家族とは何か」から始まって、「家族の存在意義」「家族の歴史」 「夫婦同姓の歴史的意味」「家庭育児が子供の犯罪率を減らす」「家庭育児こそ少子 化対策になる」「子供の育て方のヒント」等の内容です。

 入手方法は、書店に注文するか、アマゾンか丸善インターネットショッピング で購入できるそうです。

 

 

(平成17年8月1日更新)

『正論』平成17年9月号に「なお衰えぬ『崩しの思想』の破 壊力」を掲載

 「特集 閉ざされた言語空間と『戦後神話』」の中に入ってい る。戦後ますます進行する規範意識・道徳心の乱れ、性風俗の乱れ、若者の無気力な どは、日本人の心の乱れ・崩れに根ざしている。その崩れの中心が戦中・戦後生まれ 世代の感覚的な「崩れ」にあるという視点から、「伝統」や「体制」を無条件に悪と するイデオロギーや政治を分析し、日本を心の内から崩す思想の恐ろしさを明らかに している。

 

 

(平成17年7月1日更新)

 『諸君 ! 』平成17年8月号に「父性なき人権擁護法案に「待った!!」」を掲載

 日本の司法界が人権主義者に占領され、偽善的な法律ばかりが成立し、判例が積み重ねられ、危機的な状況にある。犯罪者の人権ばかりを守る行刑法と人権擁護法案の問題点を明らかにしている。

 

 

(平成17年3月31日更新)

 『正論』平成17年5月号に「ソフト路線に転じたフェミニズムの新たな罠」を掲載

 気違いじみたジェンダーフリーに対する良識の反撃に出会って慌てふためいたフェミニストたちが、急にソフト路線に転じて、「誤解」だとか、「フェミニズムとはいろいろな選択肢を重んずるリベラリズムだ」という弁護論に転じて、本質をごまかそうとしている。その一方で今までどおりの過激な作戦も遂行している。つまり過激とソフトの併用作戦である。そうした欺瞞的論理を暴露し、共産主義的本質はなんら変わっていないことを明らかにしている。

 

 

(平成16年9月19日更新)

 新刊のお知らせ 拙著『日本神話の女神たち』(文春新書)が9月20日に発売になります。

 定価(本体680円+税)

はじめに

 神話は味わい深いし、面白い。神々が人間と同じように考えたり感じたりするかと思うと、人間とはまるで違う行動を取ることもあります。どうして人間と同じところと、違うところがあるのでしょうか。また神話の中に表れている昔の人たちの考え方や感じ方が、今の私たちと同じところもあれば、違うところもあります。それらの同じところと違うところを、どう統一的に理解したらいいのでしょうか。

 たとえば『古事記』や『日本書紀』の原文(または現代語訳)をいきなり読んでみても、誰それという神が何をした、と淡々と事実が書かれているだけで、そのままでは面白さはなかなか分かりません。一方では想像力をふくらませ、その場面を生き生きとイメージしてみることも必要です。また他方ではいろいろと研究書を読んだりして、特殊な言葉の意味を理解したり、また話のもとの形を知ったり、なぜ今の形に変えてしまったのだろうかと考えたりしていくと、次第に面白さが見えてきます。それなりの努力が必要なのです。

 しかし、一般の読者にそういう努力を強いるのは、いささか無理があるかもしれません。それで、私が代わっていろいろと調べたところをもとにして、謎解きをしながら面白さを味わっていただこうというのが、このシリーズの趣旨です。

 そういう作業を前著『日本神話の英雄たち』で試みてみたところ、幸い「面白いし分かりやすい」という評価を広くいただいたので、今回は女神たちを主人公にして、同様の方法で日本神話の謎にせまってみたいと思います。

 取り上げる女神の多くは、英雄神の母・姉妹・伴侶としてすでに前著に登場していますが、今回は女神を主人公にして、女神の側からの視点で見ていくことになります。

 改めて調べてみると、日本の女神たちは英雄神に勝るとも劣らない多彩で独特な性質を持っていることが分かります。これだけの豊かな内容と迫力を持った女神たちは、世界の神話にもそうはありません。日本神話は世界の神話の中でもとくに女神が生き生きと活躍している神話だと言えます。日本の女神たちのどんな特徴が浮かびあがってくるか、どうぞ一緒に楽しんでください。

  目 次

第一話 アマテラス

一 アマテラスの多面的な性格

二 アマテラスの原初的性格

 父は地上的な神/イザナギの「父ウロボロス」的側面/アマテラスの英雄としての弱さ/アテナやマリアとの違い

三 アマテラスの巫女的な性格

 処女にして母である巫女/天女としてのアマテラス/祭る巫女と祭られる女神の同一性/「太陽の妻」から太陽そのものへ

四 天の石屋戸籠りとアメノウズメ

 「夜の航海」の心理学的な意味/豊饒神を復活させる「笑い」/デメテルを笑わせたバウボー/豊饒神を復活させるアメノウズメの役割

五 ツクヨミとは何者か

 ツクヨミとスサノヲの同一性/ツクヨミは原初的なイメージ/アマテラスとツクヨミの関係/アマテラスの後ろ盾

第二話 母元型を表わす女神

 母元型の二面性/二面的母元型の具体例/善母と悪母への分化/日本の女鬼・山姥/産む母としてのイザナミ/冥界でのイザナミの姿/恐ろしい母としてのイザナミ/善母としての母神たち

第三話 父との結びつきの強い女神たち

 トヨタマビメの父とのつながり/スセリビメの父との関係/父と娘だけで母が不在/「上なる父」と「下なる父」/恐ろしい父のプラス面/母親がいないグリム童話の「青髭」/母親が出てこない理由/父権制と母権制のせめぎ合い

第四話 英雄を助ける女神たち

 自立を助ける母性的アニマ――ヤマトヒメ/自立を促す母――サシクニワカヒメ/英雄を助ける典型的アニマ――スセリビメ

第五話 自己犠牲の女神たち

 犠牲の心理学的意味/小児供犠/犠牲になる英雄/母を犠牲にする英雄/自己犠牲/日本神話の自己犠牲――オトタチバナヒメ/アニマを死なせたヤマトタケルの命運/日本神話の自己犠牲――コノハナノサクヤビメ/日本神話の自己犠牲――トヨタマビメ

 

 

(平成16年9月7日更新)

 新刊のお知らせ 拙著『父親のための家庭教育のヒント――幼児期から思春期まで』(日本教文社)が9月13日に発売になります。

 定価1300円(本体1238円+税)、四六判・並製・232頁、ISBN4-531-06394-5 C0037。

   

  「はじめに」より。

 このごろようやく、父親が子供に与える影響の大きいことが理解されるようになってきました。

 しかし、では実際に父親は何をしたらいいのか分からないという声が多く聞かれます。『父性の復権』では原理的な説明をしましたが、もっと具体的に父親に対するアドバイスがほしいという要望が強くなってきました。

 そこで、それに応えるような内容を『光の泉』に三年間にわたって連載しました。子供が乳幼児のときから思春期まで、それぞれの年齢に応じて、父親が子供とどう関わったらいいのか、できるだけ具体的に書きました。

 小さい子供とどう接するか、家族とのコミュニケーションをどう取るか、きょうだい(一人っ子)を育てるときの注意、ルールの教え方、叱り方、思春期の子供との接し方、などテーマごとに分類し、それぞれについてさらに具体的な場面を設定して、お父さんに(ときにはお母さんにも)アドバイスするという内容になっています。

 この度それをテーマごとに編集し直して、一冊の本にまとめることになりました。子供とどう接したらいいか迷っているお父さんの参考になれば、こんな嬉しいことはありません。

 

    目 次

第1章 子供好きになろう

 育児は楽しい!

 子供と遊ぶ

 めざせ! カッコイイお父さん

 教える

第2章 お父さんだからできること

 お父さんが与える自信――肯定感と信頼感

 きたえる

 感動を与える(1)

 感動を与える(2)

第3章 家族のコミュニケーション

 食事を一緒に

 お母さんを大切にするお父さん

 お父さんの良さを引き出すお母さん

 親子の会話ができないお父さんへ――間接的対話のススメ

第4章 「きょうだい」と「一人っ子」の育て方

 きょうだいと平等

 きょうだい喧嘩に親が出る

 長男は神経質

 下の子が生まれたとき

 下の子の育て方

 一人っ子の育て方

第5章 秩序感覚を身につけさせる

 規則正しい生活習慣

 正しい枠づけ

 門限

 「怖い」という感覚

第6章 「叱る」と「見守る」

 嘘はいけないよ

 子供が悪いことをしたとき

 子供がいじめに遭ったとき

 厳しさと見守ること――不登校と引きこもり

 夫婦の考えが違うとき

第7章 子供が思春期になったら

 子供を大人にする役割

 お父さんを避けるようになった

 反抗期になったら

 思春期の悩み

 文化としての男らしさ・女らしさ

 学校教育に関心を

第8章 「父」の意味――「父性」はなぜ大切か

 父性の遺伝的根拠

 父の権威とは

 権威は落ちるもの

 超越への感性

 

 

(平成16年8月1日更新)

『正論』平成16年9月号に「フェミ・ファシズムの無法をあばく ──魑魅魍魎の世界「東京都荒川区」の真相」を掲載

 

 東京都荒川区の男女共同参画社会懇談会をめぐるフェミニストの政略・戦術の全体像を明らかにし、それがいかに異常かつ無法で荒っぽいものであったかを明らかにしている。私は懇談会の会長として、その無法な集中攻撃を直接身に受けた経験から、その本質を分析した。今後フェミ・ファシズムと戦う場合の教訓を引き出していただきたい。

 

 

(平成15年7月24日更新)

 拙著『ユングと学ぶ名画と名曲』(朝日新聞社 )の挿絵をカラー版で出しました。

 

 どんなに言葉で説明しても、カラーの絵を見ないと実 感がわかないものです。とくに絶対カラーが必要だと思われる数枚の絵につい て、カラーで載せてほしいと切望したのですが、費用の関係でカットされてし まいました。せめてこのホームページを見てくださる方々に、カラーでその感 じを味わっていただきたいと思います。「ユング研究」の中の「自著自薦」の 最初の目次の下をご覧ください。

http://www007.upp.so-net.ne.jp/rindou/jung1.html

 

 

(平成15年7月7日更新)

雑誌『諸君!』にシンポジウム「教育とは何か」の記 録

 

 7月1日発売の月刊誌『諸君!』8月号に、3月8日に大阪 で開かれた「心の教育・女性フォーラム」主宰のシンポジウム「教育とは何 か」の記録が掲載されています。私が「家庭が脳を育てる」という基調報告を 行い、そのあと冨田和巳氏(こども心身医療研究所所長)・有村治子氏(参議院 議員)とともにシンポジウムを行いました。

 

 基調報告の見出しは「共参法は憲法違反」「ジェンダー フリーは脳の発達を歪める」「母の愛が秩序感覚の前提」「質の違ういろいろ な刺激が必要」「ジェンダーフリーは文化を壊す」「保育所に預けるのは『両 立』とは言えない」です。

 

 

(平成15年4月15日更新)

 拙著『ユングと学ぶ名画と名曲』(朝日新聞社 )が4月15日に発売になりました。

 

 長らくお待たせしましたが、ご高評、ご感想など寄せ ていただければ幸いです。

 扱っている作者と作品は以下の目次によって示します。

    目 次

 

ムンク 分裂病と画家

 1 不幸な母体験

 2 分裂病からの脱出

 3 統合への努力

 

モーツァルト 『魔笛』に見る成 熟と個性化

 1 ストーリーに矛盾?

 2 豊かな元型的イメージ

 3 排除された「悪」

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ 二母 元型と永遠の少年

 1 フロイトの着眼──複数の母を持つ

 2 ダ・ヴィンチの母イメージ

 3 悪い父イメージの影響

 

マリア信仰 受胎告知図の心理学

 1 マリアと天使の位置関係

 2 異端と正統

 3 マリア信仰の底流

 

ワーグナー 『パルジファル』の救済

 1 聖杯伝説とは

 2 中世の元型的世界

 3 単純化による深化

 

ヘンリー・ムーア 家族崩壊の予感

 1 母と子

 2 不安の時代に

 3 自我の挫折

 

 

 宣伝広告風に、各章の見どころを紹介します。

 第一話。分裂病の体験がムンクの作品にどのような影を落とし、ど のように作風を変化させたか。あの有名な「叫び」は、作中の人物が叫んでい るのではないよ。では、あの顔は何を表わしているの?

 第二話。モーツァルトはフリーメイスンの会員だった。座長で歌詞 を書いたシカネーダーも同じくフリーメイスンの会員だった。二人でフリーメ イスンの思想やシンボルを『魔笛』の中に織り込んだ。その内容とは?

 第三話。レオナルドは二人(フロイト説)どころか四人も「母」がい た。彼がどんな「母」のイメージを持っていたかを作品から探り、「モナ・リ ザ」の微笑の謎にせまる。彼は「母」から離れられない「永遠の少年」タイプ で、いろいろと始めるが、物にできない性格。それに意外に残酷なところがあ った。

 第四話。キリスト教の受胎告知図には、天使とマリアの位置関係に 注目すると、天使上位とマリア上位の二種類がある。それは心理学的に何を意 味しているの?

 第五話。ニーチェは『パルジファル』を見て「キリスト教的だ」と 怒ったが、キリスト教的でないところもたくさんあるよ。ではそのキリスト教 的でないところは何を意味しているの?

 第六話。ムーアの彫刻は、初期の「母」を表わすものが有名だけ ど、その後家族を扱うようになり、さらにその後「退行」または「挫折」を表 わすようになる。それは何を意味しているの?

 

 

(平成15年2月12日更新)

新刊のお知らせ

 拙著『囲碁心理の謎を解く』(文春新書)が2月 20日に発売になります。

 以下に内容の特徴を表わしている「まえがき」を引用しま す。

 

「まえがき」より

 かねてより私は囲碁を文化現象として捉え、その文化 史的な面の研究をしてきた。また大学の授業でも「囲碁の文化と歴史」という 科目を十年前に新設し、その中で囲碁そのものを打てるようにすると同時に、 その文化的な面をも教えるという試みをしてきた。幸いこの授業は継続して人 気があり、最近では毎年百五十人が受講している。秋の学園祭には、受講生が 外来者と碁を打つ「囲碁100面打ち」の企画が恒例となり、学園祭の中では 最も賑わう企画になっている。

 この授業で囲碁の文化史を解説する中で、私自身分からないことが 増えていった。たとえば、「尖」をなぜコスミと読むのか、「門」をなぜゲタ と読むのか。また一一九二年に書かれたとされる玄尊の『囲碁式』は本当に一 一九二年の作品なのか。その内容を解明した人はいないのか。あるいは江戸囲 碁川柳がたくさん知られているが、意味が分からないものが多い。どうやらそ の意味は誰も解明していないようだ。

 大学の授業として講義するとなると、こういった囲碁史上の謎の部 分を「知らない」といってすますわけにはいかない。いやしくも学問に携わっ ているかぎり、「分からない」ことを放っておけない性分になっている。そこ でその謎について少しずつ探っていくうちに、思いもかけず謎が解けて興奮す ることを再三ならず体験し、これを囲碁愛好家の皆さんにも味わってほしいと 思うようになった。

 『囲碁式』の現代語訳を作ったり、江戸川柳について調べたりする のはなかなかの苦労であったが、謎が解けたときの快感と喜びは一入(ひとし お)であった。この謎解きの面白さとすっきり感とを、できれば多くの皆さん にも共有していただきたいと思った。

 したがって、本書は囲碁の歴史や文化についての網羅的な解説書で はない。いわば重点的に謎の部分に挑戦した開拓的な研究書とでも言うべきも のである。とはいえ、分かりやすく、読みやすくをモットーにしたので、肩の 凝らない読み物になっていると思う。緊張した勝負のあいまにお茶やコーヒー を飲むような気分で、気楽に楽しんでいただければ幸いである。

 

 内容の特徴を目次の順に概観すると次のようになる。

 

一 囲碁の効用は?

 『ヒカルの碁』などの囲碁マンガを紹介しながら、囲碁のどこが面 白いのか、また本当に頭がよくなるのかなどについて、最近の脳科学の成果を 取り入れながら論じている。

 

二 棋士の心理を解き明かす

 囲碁の対局に現れるさまざまな心理を、無意識心理学の視点から明 らかにしたものである。「着想型と現実型」「右脳と左脳」「自信と劣等感」 「感情とコンプレックス」などが、碁の打ち方に強く影響していることを明ら かにした。とくに囲碁において右脳と左脳の両方をバランスよく使うことにつ いては、このごろでこそ人口に膾炙(かいしゃ)しているが、多分私が初めて体 系的に指摘したものである。これは平成5年に『週刊碁』に22回にわたって 連載されたものを、書き下ろしの形に書き直したものである。連載の当時から 人気が高く、反響も大きかった。

 

三 碁好きの式部と少納言

 清少納言と紫式部の文章は高校で習うので、たいていの人は読んだ ことがあるはずだが、この二人の才女が囲碁を打てた、しかもかなりの腕前で あったことを知る人はあまりいない。囲碁を打つ人でも、そのことを知ってい る人は少ない。

 『枕草子』と『源氏物語』の囲碁が出てくる文章を分析して、彼女 らの棋風から棋力までを推理してみた。清少納言が囲碁用語を使って恋人たち の親密度を表現していたという面白いエピソードも出てくる。

 

四 囲碁史の謎に迫る

 鎌倉時代の最初期の、名人玄尊による『囲碁式』なる文章は、碁を 打つときの心得について書かれているが、今まで誰も現代語訳を試みたことが なく、その内容は知られていなかった。この現代語訳に挑戦し、その内容を解 明してみたところ、囲碁史の大きな変遷とともに、いろいろな文化史的な問題 が浮かび上がってきた。

 たとえば、日本式計算法は古代中国でなされていたとか、いつどの ような理由で先番が白から黒に転換したのか、またなぜ「尖」を「コスミ」 と、「持」を「セキ」と、「門」を「ゲタ」とか「ハカス」と読むのかという、 用語の謎も解明できた。この研究を通じて、囲碁が日本独特の文化になってい く過程を浮き彫りにできた。

 

五 江戸囲碁川柳の謎解きに挑戦

 江戸の囲碁川柳には傑作が多く味わい深い。ただし解説をしないと 分からないものも多い。

 そこで私は「囲碁心理を詠んだ句」「所作の面白さ、碁狂(ごきち )ぶりを詠んだ句」「職業人を詠んだ句」「風俗・世情が詠みこまれた句」 「故事来歴・史実をふまえた句」などに分類し、解説を加えた。

 とくに当時の風俗・生活習慣に関わる部分は現代とは大きく異なっ ているので、それなりの解明が必要になる。また日本史や中国史をふまえてい るものについても解説した。

 

 以上が概要であるが、各章は独立しているので、興味を感ずるとこ ろから読んでいただきたい。

 

「あとがき」より

 本の題名を内容に即したものにするなら、『囲碁の心理と文化の謎 を解く』とすべきが、それだとあまりに長くなるので、表記のようにした。読 者の皆さんのご理解を御願いしたい。

 

 

(平成14年12月14日更新)

新著『家族の復権』(中公新書)が出ます

 

12月20日ころに発売。

これで『父性の復権』『母性の復権』とともに「復権三 部作」が完成します。

特徴

 家族の本質、歴史、家族崩壊に対する対応策を論じな がら、フェミニズムに毒された歪んだ家族論に対抗して、家族の正しい捉え方 を示す。

 第一章「家族は人類の基(もとい)」では、家族が人類の発生以来つ ねに人間の基本単位であったこと、子供を大人にするという大切な機能を持っ ていることを明らかにし、また初期人類には家族がなかったとするモルガン =エンゲルス説の間違いを明らかにしている。(エンゲルスの家族論こそは家族 を間違った支配=被支配の関係で捉え、家族解体=個人単位思想の基礎になって いる)

 第二章「家族の歴史」では、家族の歴史をふまえて、近代家族のプ ラス面とマイナス面を明らかにする。

 第三章「日本の家族の歴史」では日本の家族の歴史を明らかにする ことを通じて、日本家族の特徴を明示する。中世の夫婦同権の伝統が今に生き ている点や、夫婦別姓から同姓への移行が国民の下からの要請に基づくもので あったという事実を示すことによって、日本において夫婦同姓が定着した歴史 的必然性を明らかにし、日本家族のプラス面と夫婦同姓とが深く結びついてい ることを明らかにしている。

 第四章「家族を壊す思想、守る思想」では、家族を壊す思想、とく に「多様な家族」論と「個人単位」思想を批判し、家族を守るためにはどのよ うな精神的態度が必要かを明らかにしている。

 第五章「家族を壊す制度、守る制度」では、家族を壊すように働く フェミニズム主導の制度・政策に変わる、家族を守る制度の実例を示し、具体 的政策を提言している。

 最後に憲法に「家族条項」をもつ世界の例を示し、我が国も憲法に 家族条項を入れることを提案している。

 くわしい目次は次のとおり。

 

 目次

 

序 「一番大切なもの」は「家族」!

 

第一章 家族は人類の基(もとい)

 1 人類と共に誕生した家族

    最小単位はつねに家族

    人類はゴリラ型とチンパンジー型の合体

 2 命をつなぐ家族の役割

 3 モルガン=エンゲルス説への方法論的疑問

 4 子供を大人にする機能

    ネオテニー化に伴う危険

    「しつけ」をするシステムが「父性」である

 

第二章 家族の歴史

 1 古代における家族

 2 中世封建制における家族  ──小家族化の意味

 3 近代家族の特徴 ──「子育て」の意識化と性別役割分業

 4 近代家族のプラス面とマイナス面

    男女の心理的区別は生まれつきのもの

    性別役割分担は生得的な男女区別に基づいている

    近代家族のマイナス面

 

第三章 日本の家族の歴史

 

 1 母権的南方型と父権的北方型

    母権制から父権制へ

    血縁重視から共住重視へ

 2 古代における家族

 3 個人単位制の悲劇 ──律令国家の家族破壊

 4 中世武士団の家の原理

 5 中世初期における夫婦同権

   「お袋」「奥様」の語源

    苗字と家紋の発達

 6 江戸時代における生産力の増進と小家族化

 7 明治政府による家族強化政策

 8 新憲法と新民法の問題点

 9 夫婦別姓・同姓をめぐる歴史

    姓は記号であり、まとまりのシンボルである

    日本人は同居型を発達させた

    家族同姓は国民からの要請

    父権制の強化と夫婦同姓

    近代化を先取りしていた日本の家族

10 日本の家族の特徴

    日本人の家族思い

    血縁擬制と共住原理 ──家族同姓

    祖先祭祀の伝統

    独特の子育て法

    男女の分業を素直に認めてきた

  

第四章 家族を壊す思想、守る思想

 1 「若者文化」と「一家団欒文化」

    「若者文化」への迎合

     流行追随の精神 ──「若者文化」の罠

    ボス猿の保守性には意味がある

    一家団欒文化を取り戻すために

 2 近代家族の否定から家族そのものの否定へ

    近代家族は支配機構なのか

    「外注」思想の弊害

    弊害の大きい「子育ての外注」

    外注思想は家族を空洞化する

    手作り思想の大切さ

 3 「崩しの思想」としての「多様な家族」論

    近代家族の歴史的進歩性

    「多様な家族」は欠陥形態

    「崩しの思想」

 4 家族を破壊する「個人単位」思想

    家族を敵対視する「個人単位」思想

    婚姻・戸籍制度への批判

    婚姻・戸籍制度はなぜ必要か

    国家社会主義の幻影

    近代以前の思想

    社会の「白アリ」としての個人単位思想

 

第五章 家族を壊す制度、守る制度

 1 スウェーデン型福祉国家の破綻

    高度福祉社会の残酷な現実

    スウェーデンモデルはなぜ破綻したか

    女性の労働力かの家族破壊作用

    福祉優先と軍事優先 ──経済的マイナス効果は同じ

 

 2 家族にやさしい新モデル

    家族中心思想 ──家族の役割を増やし支援する体勢

    働き方の多様化 ──「短時間正社員」のメリット

    父母単位という発想

    子育て中の母親は働かなくてもいい制度

    「女性の地位が低いと出生率が低い」は本当か

    長野県に学べ ──家庭中心の高齢者福祉

    国家財政の構造改革

 

 3 家族を大切にする制度の成功例 ──オランダ

    「オランダの奇跡」

    労働形態の見直しと男女平等の新形態

    子育てと老人介護は家庭の中で

    家族論から見たオランダモデルの長所

    家族を基盤にした社会作りを ──命をつなぐ家族の役割

 

おわりに ──憲法に家族条項を

    憲法に家族条項がある国々

    家族条項がない日本国憲法

    家族条項削除の真相

    家族条項の復活を

あとがき

 

 

 

(平成14年8月19日更新)

『文芸春秋』9月号に囲碁評論

 

 8月10日発売の『文芸春秋』9月号に囲碁に関する評論 「囲碁は子どもの頭を鍛える」を発表しています。子どものあいだでの囲碁ブ ームの分析にはじまつて、囲碁の魅力、囲碁の効用、とくに「囲碁はなぜ頭を よくするのか」について論じています。

 

(平成14年7月2日更新)

サッカー論に大反響

 

 6月30日に発表した「勝ち負けよりも大切なもの─サッ カーの審判について」は発表と同時にアクセスが殺到し、「よく言ってくれ た」「そのとおり!」「胸のつかえが取れた」というメールをたくさんいただ きました。一晩で5000ものアクセスがあり、その勢いはまだ続いています。い かに日本国民が韓国への不審な審判や韓国サポーターの「勝ちさえすれば喜 ぶ」という態度、それを詭弁で正当化するマスコミや「識者」に腹を立ててい たかが、うかがわれます。

 

 W杯を通じて、韓国嫌いになったという人も多いようで す。イタリアやスペインのすばらしい選手たちに対して少しも尊敬や敬意をは らわず、勝ったといってはしゃぎまわる韓国人にも、それを「韓国の躍進はす ばらしい」と持ち上げるマスコミに対しても、怒っている人が圧倒的に多いよ うです。

 

 審判への疑問を口にする者に、「負け惜しみ」とか「審 判のせいにする卑怯者」という言葉を投げつけるのは、スポーツ愛好者とは言 えないアンフェアな態度です。こういう自分勝手な態度を続けるようでは、韓 国は世界の嫌われ者になるでしょう。

 

 韓国の赤一色の応援に、北朝鮮と同じものを見た人も多 く、またファシズム的なものを感じとった人も多かったようです。

 「韓国を応援する」ことに決めていたマスコミは、完 全に国民から浮き上がり、「好きなチームに応援する」内面的自由に反するも のとして、不評を買いました。

 それはともかく、多くの方たちから賛成や励ましのメ ールをいただきました。個人的にはお返事を差し上げられませんが、ここにお 礼を申し上げます。

 

(平成14年6月28日更新)

雑誌『正論』に評論を発表します

 

 7月1日発売の月刊誌『正論』8月号に評論  

「男女平等」に隠された革命戦略

 

 これは8月号の特集「フェミニズム批判」の一つとして 書いたもの。

 フェミニズム運動、とくにジェンダーフリー教育は男女平等を目指 すだけの単純な運動ではなく、その背後には日本の革命を目指す勢力、または 日本の健全な文化と秩序を内部から崩し、力を弱めようという勢力が隠れてい ることを暴いている。ジェンダーフリー運動はその勢力が周到に準備し遂行し ている革命戦略の一環なのである。

 この革命勢力の常套手段は、口当たりのいいテーマ(たとえば平和と 民主主義)を選んで運動をすすめ、その中で秩序や道徳を腐蝕させていくとい う戦略である。いまは「男女平等」や「ジェンダーフリー」という言葉を隠れ 蓑として利用しているにすぎない。

 「それは結構なことだ」と誰もが思う意識の隙をつき、彼らは官僚 機構を占拠して(男女共同参画社会基本法をたてに)上から命令を下し、ついに は学校教育を握って子供の洗脳をもくろむ所まで来ている。いまや日本中が 「文化大革命」の様相を呈しているのである。

 家族を破壊し日本を腐蝕させる彼らの隠された革命戦略を暴き、警 告を発する内容である。

 「革命」と聞くと「何をそんな大袈裟な」と思われるかもしれないが、 それが決して「大袈裟」な表現でないことは、この評論を読めば分かっていた だけるであろう。

 

 ときあたかも、本日付の『産経新聞』によれば、民主党員の4割にあ たる78議員が新たに「健全な教育を考える会」を発足させたという。

 ジェンダーフリー教育がよい意味での性差までも否定することを批 判して、家族愛をはぐくむ教育の必要性を求めたそうである。

 今まで夫婦別姓に賛成してきた民主党の中に、こうした健全な動き が出てきたことは、日本の明るい未来への希望が見えてきた気がする。

 歪んだ精神の持ち主たちに日本を占拠されないように、こうした動 きがもっともっと広がることを期待したい。

 

 もう一つ、すばらしいニュースがある。

 山口県の宇部市議会で、きわめて良識的な内容の男女共同参画推進 条例が可決、成立した。

 この条例では、思想・良心の自由に配慮することを明記し、「男ら しさ・女らしさを一方的に否定することなく」「専業主婦を否定することな く」「家庭尊重の精神に基づいた」なども加え、日本の伝統文化を大切にする 立場が貫かれている。

 こうした動きを突破口にして、今後は「男女共同参画社会基本法」 自体の改正をはじめ、全国各地で良識的な条例の制定または修正を行うなどの 運動が出てくることを期待したい。

 

 

(平成14年6月23日更新)

近況・おことわり

 

 本ホームページの「時事評論」への期待が大きいらし く、いろいろと注文メールが来ています。たとえば、有事法案や個人情報保護 法案について論じてほしいとか、心神喪失者法案の問題も論じてほしいという 要望が届いています。

 

 しかし、これらの問題について論ずるとなると、よく調 べ、考えなければならず、今のところ公私ともにたいへん忙しく、それだけの 余裕がありません。したがって当分のあいだは夫婦別姓や家族問題、父性や母 性の問題、ジェンダーフリー教育に焦点を絞って論じていきます。ご了承くだ さい。

 

 なお田中真紀子問題を最近論じていないことについて、 「あのピンハネ、ドロボー、ウソツキ真紀子に何故遠慮するのかさっぱり分か らない。しっかりして下さい。」というメールをもらいました。真紀子氏を批 判してほしいという期待の強さを感じますが、ちょっと誤解もあるようです。 私は真紀子氏に遠慮して批判を出さないのではありません。

 

 私は真紀子氏の支持率が70パーセントというときには、 果敢に批判しました。ほとんど誰も批判していなかったときです。しかしこの ごろは「週刊新潮」や「週刊文春」でくわしく事実が暴露され、真紀子氏が 「ピンハネ、ドロボー、ウソツキ」であることはあまりにも明かです。

 

 本ホームページの価値は、世間が気づいていない真実を 明らかにして、警鐘を鳴らすところにあります。誰の目にも明かなことをわざ わざ論ずるようなことはしません。真紀子問題についてこのごろ論じていない のは、忙しい上に、今さら私が論ずるほどのこともない分かりきったことだか らです。

 

 なお、忙しい理由の一つに、いま大切な本を書いている こともあります。出版できるようになったら、改めてお知らせします。ご期待 ください。

 

 もう一つは残念なお知らせです。『立派な父親になる』 (童話屋)の続編・母親編を2月末に出版する予定だったのですが、内容に関し て出版社とのあいだに意見の相違があり、童話屋からは出版できないことにな りました。今のところ出版の目処はついていません。せっかく母親編を出すよ うにというご意見をたくさんいただきましたのに、残念な結果になりました。 悪しからずご了承ください。

 

 

(平成14年3月30日更新)

雑誌『正論』に評論を発表します

 

 4月1日発売の月刊誌『正論』5月号に評論  

「構造改革」議論に潜む家族破壊の罠

  ──八代尚宏氏の「人間を忘れた経済学」を批判する

を発表します。

 

 八代尚宏氏は経済学者(上智大学教授を経て、現在は日 本経済研究センター理事長)で、とくに労働政策が専門。小泉首相の「構造改 革」路線に便乗して、「暮らしの構造改革」を唱え、マスコミや政府の各種審 議委員会を通じて活躍している。

 

 氏の理論は「フェミニズム原理主義」と名づけたいほど にフェミニズム理論そのものであり、フェミニズムに媚びることでマスコミに 頻繁に登場している。

 

 氏の「暮らしの構造改革」とは、フェミニズムの理論に 従って暮らしを変えていくことを意味しており、「夫婦別姓も構造改革の一 貫」だと言っている。その理論のままに政策が決められると、家族も生活もフ ェミニズム理論にそって変えられてしまうだろう。

 

 拙論では、この危険な経済政策論を詳しく批判してい る。

 

 

(平成14年3月23日更新)

Net Club JUNG の「入門クラス」新規募集締め切り

 

 14名になったので、締め切りました。次の新規募集は未 定です。ただし申し込みは受付ます。待機していただくことになります。

 

 申し込みは林道義のメール rindou@ka2.so-net.ne.jp まで、送ってください。

 

 なお、会の詳しいことは、本HPの「C.G.ユング研究」の 9をご覧ください。

 

 

(平成14年1月24日更新)

Net Club JUNG 「入門クラス1」の内容一部公開

 

Net Club JUNG は昨年7月に発足して以来、ふたつの「入門クラ ス」「初中級クラス」「上級クラス」の4クラスで学習が続けられています。このう ち、各クラスの内容のエッセンスの部分を順次公開していきます。

 最初は「クラス1」のテキスト『無意識の扉をひらく』第一話 の中の「イメージ」についての討論を公開しました。

 「イメージ」とは何かという問題は、ユング心理学の、とい うより心理学は言うに及ばず、多くの学問の根幹とも言えるテーマですが、これまで 十分に論議されてこなかった問題です。

 この問題について、非常に実りある意見が多く出されていま す。下記のサイトでご覧ください。

 http://jung.circle.ne.jp/

 なお、近いうちに、「入門クラス2」の「自我」をめぐる討論 を公開します。

 

 

(平成13年12月10日更新)

『正論』平成14年1月号に夫婦別姓批判論文「そんなに家族 を壊したいのか」発表

 

内容的にはこれまで本HPで発表してきたものと同じだが、全体を 整理して提示している。別姓法案は臨時国会では提出を見送られたが、来年一月に始 まる通常国会で提出することを狙っており、そこが正念場となるであろう。

 

 

(平成13年10月7日更新)

『立派な父親になる』を『京都新聞』平成13年9月23日付「 凡語」欄で紹介

 初版十万部。しかも「完売を確信し ている」と聞いて耳を疑ったものだ。この春、東京の出版社・童話屋が子ども向け文 庫を創刊したときのこと。

 先人の精神の結晶を子どもたちに伝 えようと企画し「小さな学問の書」と銘打ったシリーズ。初回配本が『日本国憲法』 と『新しい憲法の話』。だが児童書としても文庫本としても常識はずれの部数であっ た。

 その志は壮大。採算を度外視して、 未来の世代にかけた小さな出版社の試みが成功してほしいと願った。でも文庫版で八 十ページそこそことはいえ、いかにも歯ごたえのありそうな本がこの活字離れの時代 に売れるだろうか。

 そう思ったのは誤算だった。三ヶ月 足らずで完売、八月末で十四万部に達するベストセラーになった。最初から読者健在 を信じた版元だが、子どもより大人の読者が多かったのだけは誤算だったとか。

 初秋に二回目の配本があった。画家 の安野光雅さんが自由平等論を、心理学者の林道義さんが父親論を書き下ろした。企 画に共鳴して執筆しただけに力がこもっている。売れ行き好調と聞く。

 「『自由』はそこら中にありそうで なかなかない」(安野さん)、「本当の『よい子』は、主体的な判断力も精神的な強さ もあり、勉強でも運動でも努力する子、思いやりのある子」(林さん)─こんなメッセ ージの数々を受け止める世であることがうれしい。

 

 

(平成13年8月28日更新)

『熊本日々新聞』平成13年8月28日付「新生面」で紹介< /font>

<新生面> 「立派な父親になろう」

 街を歩いていて、気になるのはジベ タリアンだ。道路などに平気で座っている。将来の日本が心配になってくるが、その 一方、子どもを遊ばせるのがとてもうまい父親が増えているような気がする。茶髪の 若い父親と小さな子が一緒に釣りをしている光景などに出あうとついほほえんでしま う▼もともと父親とは子ぼんのうである。子ぼんのうな父は、子どもにいろんなこと を教えたがる。これは「本能」に近いと東京女子大の林道義教授は言う。深層心理学 が専門のユングの研究家だが、『立派な父親になる』(童話屋)という百円玉三個で 買える小さな本を出した▼「男の子たち、立派な父親になろう。なぜなら、子どもと いうものは、立派な父親を必要としているものだから」と少年向けに書かれている。 大人が読んでもいい。ときどき耳が痛い。「君たちが自分のお父さんを立派だと思え る人も、思えない人も、『自分は立派な父親になろう』と努力すべきだ」▼ゴリラの 父親は、子どもが乳幼児のときは見向きもしない。ところが、子どもが三歳ぐらいか らあとはみな父親ゴリラのまわりに集まり、そこで生活をする。子どもたちに食べて よいものを教え、寝床の作り方を教え、またけんかをすると仲裁したり、悪い方をし かったりする▼つまり仲間としての付き合い方や社会的正義を教えているのだ。進化 論的に見てゴリラはチンパンジーに次いで人間に近い種である。ゴリラにできて人間 にできないはずはない▼もう夏休みも残るところわずかだ。子どもの自由研究の手伝 いを兼ねて動物園にゴリラを見に出かけるか。

 

 

(平成13年8月25日加筆)

 

『毎日新聞』平成13年8月25日付「余録」で紹介

 

 8月25日付けの「余録」欄で本書が取り上げられました。たい へん的確に本書の特徴を紹介してくださっていますので、全文引用させていただきま す。

 

 「男の子たち、立派な父親になろう 。なぜなら、子どもというものは、立派な父親を必要としているものだから」。こう 呼びかけているのは林道義さんだ。

 

 「父性の復権」「母性の復権」の著 者で深層心理学が専門の東京女子大学教授。「立派な父親になろう」と言われて、男 の子たちはさぞどきまぎしていることだろうが「君たち自身の心の中をじっと素直に 見つめてみれば、必ず立派な父親を求めていることに気づくはずだ」

 

 父親にではなく、子どもたちという ところが面白い。いまの父親たちが立派でないから、子どもたちに希望を託したのか 。著者は言う。「君たちが自分のお父さんを立派と思える人も、思えない人も、自分 は立派な父親になろうと努力すべきだ」

 

 では、立派な父親とは何だろうか、 それをめぐって林さんが書き下ろしたのが童話屋の「小さな学問の書」シリーズの新 刊「立派な父親になる」だ。さっそく読んで男の子OBとして同感する点が多々あった 。林さんによると、父親の役目として大切なのは子どもを大人にする役割という。

 

 人間は草食動物と違って未熟なまま で生まれてくる。自我や社会的知性をつかさどる脳領域が刺激を受けて発達しないと 、社会性や恥の感覚が働かなくなる。恥の感覚や社会性は生得のものではない。人間 はほうっておくと恥知らずになるように生まれついていると林さんは言う。< /p>  

 大人になる訓練は、大体10歳くらい までに済ませておかないといけない。そのあとでも訓練は可能だがひどく難しくなる し、完全にはできないそうだ。そういえば、成熟がうまくいかずに、恥の感覚と社会 性を喪失してしまった、大人の恰好をした幼児がかなりいるようだ。大人たち、立派 な大人になろう。

 

 

(平成13年8月23日更新)

新著のお知らせ

 

新著『立派な父親になる』(童話屋)が発行されます。

 

 この本は「小さな学問の書」シリーズの 4 として出されるも のです。「小さな学問の書」とは、小学校高学年から中学生を対象にした「分かりや すい学問の書」という意味で、この美しい地球をなんとしても子孫に引きつぎたいと いう願いをこめて、童話屋の社長、田中和雄さんが企画したものです。半年ごとに二 冊ずつ出していくのだそうです。第一弾の二冊は憲法そのものと、子ども向けの憲法 の解説書でした。

 

 この企画のことを田中さんは「夢ですけど」とおっしゃるの で、私もその意気に感じて「では、私も一緒に夢を見させていただきます」と言って 引き受けました。本書は男の子たちに「立派な父親になりなさい」と呼びかけていま すが、じつは大人にも読んでほしい内容になっています。

 

 「立派」という言葉がきっと反発を呼ぶと思いますが、あえ てこの言葉を使いました。「立派な」父親とは、どういう父親か、なぜ必要か、是非 読んでみてください。身近な子どもたちに勧めてください。

 

 値段は300円。文庫版、76ページ。大きな書店だと、レジの横 に置くそうです。

 

週明けに書店店頭に本が並ぶそうす。29日と30日に『朝日新聞 』と『毎日新聞』に一面の大型広告も出されるそうですので、見てください。

 

 目次

 

 一 子どもは立派な父親を求めている

 

 二 立派な父親とはどういう人か

 

 三 立派な父親になるにはどうしたらよいか

 

 (次は『立派な母親になる』を出す予定です。)

 

 

(平成13年6月13日更新)

Net Club JUNG 第一次募集の締め切り

 

Net Club JUNG の第一次募集は6月25日で一応締め切ります。 それまでに手続きをした人は、7月1日の発足に間に合います。もちろん、それ以降も 入会申し込みを受け付けます。

 

(平成13年6月1日更新)

新著のお知らせ

 

PHP新書の「ユング心理学入門シリーズ」の第三巻『心の不思議 を解き明かす』が6月15日発売となります。(都心以外は2、3日遅れるかも)  

心が演出する不思議な現象、たとえば神経症、分裂病、錬金術 、個性化、ナチスを取り上げて、ユング心理学の眼で見るとどのように謎解きができ るかを明らかにしたものです。詳しい内容はおって「自著自薦」の中で取り上げます 。

 

(平成13年5月26日更新)

新設ネットのお知らせ

 

 以下のネットを近く開設します。

 

Net Club JUNG

 日本ユング研究会主催

  責任者: 林道義

 

 

性格  C.G. ユングの心理学と思想を学びたい人、研究したい 人のためのメーリングリストおよびメールマガジンを併用したインターネットの会

 

 

有料 年3.000円

 

 

内容  学習部門、研究部門を置く

 

 

 学習部門

 

 学習部門には「入門クラス」「初級クラス」「中級クラス」 「上級クラス」を置く。1クラスはほぼ10名程度とし、人数が多くなればそれぞれ複 数のクラスを作る。とくに「入門クラス」に力を入れる。

 

 学習部門は主として読書会方式で勉強をする。

 

 どのクラスから始めるか、またテキストの選定に関しては会 員の希望を優先する(各クラスに適切な程度のテキストサンプルを示す)。

 

 参加者の自主的な学習を尊重する。単に読むだけという参加 は認めない。必ず全員発言することとする。

 

 各クラスにインストラクターを付ける。インストラクターは 各学習クラスの性格との相性を考えて責任者が選ぶ。

 

 インストラクターはあまり発言せず、質問に答えたり、参加 者が気がついていないことを指摘したり、大きな間違いがあるときにだけ介入する。 一方的な講義はしない。

 

 

 研究部門

 

テーマ別に研究会を組織する

 

論文、書評を発表することができる(まとまった論文や書評は、 研究部門に登録した人にメールマガジンによって配信する)

 

 

 研究部門においては

 

1 ユング心理学を応用したテーマについて研究、発表ができる

 

2 ユング解釈の違いについて論争することができる

 

3 ユング派以外からの相互交流も受け入れる

 

 

 その他

 

 その他、ユングに関する情報や、ユングを応用しての雑学雑 談に類することを話題にすることができる。

 

 

 規約

 

1 モラルとマナーを守ること。

 

2 林道義が責任者として入会、退会、注意、警告、インストラ クターの指名等、すべての権限をもつ。(権限を一人に集中したのは、指導力を高め るためと、基準を首尾一貫したものにするため、および有事のさいに迅速に対応する ため)

 

 

 どの部門、どのクラスに属するかは、会員自身の自主的判断 を尊重する。(ただし明らかに無理があると思われるケースについては変更をアドバ イスすることがある。)

 

 

 詳細についてはおってお知らせします。それまででも参加希 望を寄せていただいても結構ですが、正式には書いていただく項目を発表しますので 、改めて加入希望を送っていただきます。

 

 

 

(平成13年5月20日更新)

「女性と仕事の未来館」への質問状

 

「ご意見紹介」の19と20で扱った「女性と仕事の未来館」へ、 e-mail で下記のような質問を二回にわたって送りましたが、今もってなんの返事も ありません。完全にほおかむりを決め込むつもりのようです。

 

 樋口恵子氏が館長のこの組織は情報公開には応じないという ことを、我々は記憶にとどめておきたいと思います。樋口恵子氏は今後、いかなる組 織に対しても情報公開を求める権利はないことになります。

 

 それにしても、都合の悪いことは秘密にしておこうという態 度には、あきれました。

 

質問状

 

前略

 

 昨年の8月23日に下記のような質問を送りましたが、いまだに ご返事をいただいておりません。

 

無視されるおつもりでしょうか。

 

情報公開の時代にふさわしくない態度と思います。

 

ご返事をいただけるように、もう一度お願い致します。

 

 01/4/4 林道義

 

 

前略

 

「女性と仕事の未来館」について、以下の質問にお答えいただ きたく、お便りします。

 

質問

 

1 設立年度

 

2 予算規模の推移

 

3 スタッフの人員

 

4 館長の給料

 

5 相談室のスタッフの数(女性のみか否か)

 

6 相談件数の推移

 

 

以上よろしくお願い致します。

 

 

 00/8/23  東京女子大学教授 林道義