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              いえを建てる!?
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前回の続き、「玄関は、どこ?」です。

前回は明治以降一般に広まった「玄関」は、言葉の意味だけを取ると、形式的
で観念的な物であると説明しました。

それでは、それ以前の「裕福な家」や「上流階級の家」以外の『庶民』の玄関
は、どのような物だったのでしょうか?

実はそのような農家や町家には「玄関」はないんです。もちろん家に出入りす
る出入口はあります、ですが、これは単なる出入口にすぎません。現在の「玄
関」の役割を持っている部分は1箇所ではなく、複数の部分に分散した物にな
ります、

一番大きな部分を占めるのが『土間』です。古い家であれば、家全体の広さの
半分くらい、場合によっては、それ以上の広さの土足で移動することのできる
「土間」があります、
この土間は、靴を脱ぎ上がる部屋と一体になっていて、現在でいうLDKと同
じ様な使われ方をします。この場所が玄関的な役割、「社会の生活を間接的に
繋ぐ場所」「靴を脱ぎ履きする場所」「接客・応対の場所」になります。

また、部屋と外部の間にある『縁先』も同じ様な役割を持ちます、あえていえ
ば、この「出入口」「土間と一体の空間」「縁先」の3つが、玄関ということ
になります。昔の生活からすると、これらの構成は現在の1箇所に固まった
「玄関」よりも、かなり実用的・合理的な物になります。

現在の家には参考にならないのでは?、と思われるかもしれませんが「玄関」
という固定された考えを取り入れた家より、自由度が大きくなり、参考になる
場合もあります。

そこで、突然ですが「例題」です。

ある家族の住宅の「間取り」を考えてみます。この家族は積極的に社会的な関
りを持とうとする「社交的」で、夫婦や個人が「独立した考え」を持っている
が、その間にも家族的な関りを強く持とうとする人達の集まりであるとします
。こんな場合、玄関的な部分は、どのようにしたら良いでしょう?、他の要素
は無視して考えてみます。

まず、積極的に社会的な関りを持とうとするのだとしたら、外部との境界や機
能が1箇所に集中してしまう「玄関」は邪魔な物になってしまいます。
家の公的な部分は、なるべく外に開かれている方が良いはずです。家と外部の
境界は、家自体や敷地から区別させることができるはずですから、極端にいう
と屋外、また半屋外の土間などと連続したLDK、外部とのつながりを意識し
たテラスなどと連続したLDKの形自体を「玄関的な物」とする方が有効にな
ります。
そんな場合、靴を脱ぐという作業も邪魔な物になります、家の出入口で脱ぐ必
要はないはずです、その奥に個人の部屋があれば、出入口となる部分からその
部屋の間に靴を脱ぐ場所があれば良いワケです。

街や都市全体の延長上に1つの家のLDKが連続していて、その先に個人や夫
婦の場所である部屋があることになります。外部とのつながりのあるLDKが
玄関的な物を持っていたとしても、その部屋が現在多くある様な家の様な役割
や、本質的な玄関の役割を持つはずです。

例題に登場した家族の考え方や要素が全く逆であれば、その考え方や要素、使
われ方と、形を一致させれば、出来上がる形も説明の内容とは逆の方向になる
はずです。

では、玄関の役割を持っている複数の場所とは別に、「本質的な玄関」という
のはどこにあるのでしょう?、
これは外部を含めた空間を人間が区切れば、どこにでもあり、どこにもない?
という物だと思います、個人個人の人間自体が持っている「イメージ」の問題
になるのだと思います。電車で隣に立っている他人との間にもあれば、これか
ら取り掛かろうとしている物事の間にもあるのだと思います。


玄関という言葉のみを考えるとと、例題のように、その部分だけではなく、家
や社会、都市など、全体の関係を考えなければいけなくなります、これは本来
「玄関」という『部分的な名前』は家の中の1つの場所を示す言葉ではないと
いうことになるからです。
他にも家には同じ様に部分的な名前がついていますよね、部分的な名前を図に
落とし込む様な方法ではなく、ひとつひとつの本質的な部分から、その使われ
方や考え方を一致させ、全体の計画を考える必要があるはずなのです。

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◇今週のコメント

ということで、私が住宅を計画する時は特別な理由がない限り「玄関の様な場
所?」は『出入口』と書くようにしますね。

あと最初に「裕福な家」や「上流階級の家」の・・と書きましたが、これは使
用人を住み込ませて生活が成り立つような暮らしをしていたような人達になり
ます、それ以外の人達を「庶民」として説明しています。

現在でも、ほとんどの方がこの庶民の流れの生活をしているはずです、使用人
を住み込ませて生活が成り立つような建物に、使用人なしで庶民的な考えの生
活は成り立たないです。
これは現在でも同じなのですが、、あっ、話が戻ってしまいますね。

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      http://www01.u-page.so-net.ne.jp/jb3/k-suda/ie/index.html

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    いえを建てる!?   発行責任者:一級建築士 須田 員行
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