陸前高田市復興支援―カリタスジャパン助成事業 第五回訪問活動報告

2014年7月27日~29 
 氏名 専門職種   所属など
川辺美佐   音楽ムーブメント認定指導員・保育士
 音楽療法士
音楽ムーブメント協会 
一般社団法人こども支援チェルク
 木村 順  作業療法士  療育塾ドリームタイム主宰
一般社団法人こども支援チェルク監事
 松本美代子  言語聴覚士・保育士・幼稚園教諭
 社会福祉主事
 Saya-Sayaことばの教室主催
一般社団法人こども支援チェルク理事長
 
7月28日()午前 川辺美佐 松本美代子  ●陸前高田市 地域子育て支援センター「あゆっこ」(竹駒町)親子音楽ムーブメント活動 (親子7組、職員:2名) 
7月28日() 午後   川辺美佐 ●陸前高田市 発達支援事業所「ふれあい教室」
親子音楽ムーブメント活動(親子(祖母含)4組、職員3名)
カンファレンス:職員5名(地域相談支援士含) 
 7月28日() 午後  木村 順 松本 美代子  ●慈愛福祉学園デーサービスセンター(大船渡市)
作業療法士のリハビリテーション(児童4名)のスーパービジョン
7月29()9:00-16:00  木村 順 松本 美代子  ●陸前高田市 発達支援事業所「ふれあい教室」
親子活動の観察と助言―感覚統合療法の視点から
 7月29()午前  川辺美佐  ●陸前高田市 地域子育て支援センター「にこにこ」(広田町)
親子音楽ムーブメント活動 (親子2組 職員:1)
7月29() 午後  川辺美佐   ●就労継続支援B型事業所「あすなろホーム」
・昼休みのレクリエーションでの音楽ムーブメント(約20名)

・利用者の作業に参加
 
 
 3.陸前高田市 発達支援事業所「ふれあい教室」前田先生からの感想文 
7/28(月)川辺先生による「音楽ムーブメント」や翌29日(火)木村順先生のアドバイスの感想です。
お忙しく暑い中の2日間と言う貴重で大切なお時間を私共ふれあいスタッフに助言のお言葉を頂戴し、誠に感謝いたします。
 「川辺先生による「音楽ムーブメント」では私たちや子供たちも、いつもにも増し楽しい時間を過ごさせていただきました。一人一人の子供たちの喜んでいる姿が印象的で忘れられません。

 まず、1つの教材でもいろいろな使い方があり、子供たちの興味のある使い方に合わせて「パラシュート」や「シャボン玉」などを進める方法があるということを学ばせて頂きました。 
 木村先生からの子供たちへの関わり方、目的を持つセッションの仕方、進め方やリーダーの指導員とサブの指導員のサポートの仕方・・他 親子通所で少しずつ目に見える『目的の意識づけ』の大切さを学ぶことが出来ました。今回の学びを活かし今後もふれあい教室に来てくれる子供たちやお家の方と楽しみながら子供との「幸福感」や目に見えてくる子供の姿に喜びを感じてもらえるような教室にしていけたらと思います。 また、注目を促すよう一人一人に目を向けて「静と動」が見てわかる関わりをしていくとのご指摘を頂き、早速セッションの進め方に注意をし、目で見てわかるよう「始まりと終わり=静と動」を取り入れ少しずつではありますが活動を行っております。とても参考になり子供たちの力は「無限」と言うこと。大変勉強になりました。 もし、またこのような機会がありましたならばスタッフ一同嬉しく思っております。
 
4.慈愛福祉学園デイサービスセンター 作業療法士工藤先生よりお礼状
 28日は遠いところありがとうございました。最初にお話しを受けた時は、職員としてだけでなく、震災から時間がたった今でも気にかけて頂いてるのだと思い、大船渡市民としても大変うれしい思いでした。助言を受けた職員も「わかりやすく具体的に教えて頂き、貴重な体験ができました。ありがとうございました。」と言っておりました。今後も何かご縁がありましたら宜しくお願い致します。                    担当: 工藤 
 
4.音楽ムーブメント指導員 川辺先生の感想文 
 私が初めて陸前高田市を訪れたのは201165日~6日でした。 被災直後にもかかわらず、子ども達のために5月から活動を再開されたとのこと。日中の数時間でも、親子で集える場所をなんとか確保し、日替わりで拠点を移動しながら工夫して支援されていた職員の方々とお会いしました。当時、都内の療育センターで勤務していた私は自分自身の仕事に対することを含め、色々なことを改めて感じ、考えました。 2011年66日のこの日、青空のもと皆さんで揺らしたパラシュートとシャボン玉の光景、笑顔で同じ時間を共有できたことは今でも忘れません。
 今回、3年前にお会いした職員の皆様がそれぞれの現場で変わらず支援に携わり、笑顔で保護者やお子さんにかかわっている姿、そして、職員間で協力し合いながらひとりひとりの支援について心から向き合っている姿は改めて自分自身への気付きになることが多く貴重な経験をさせて頂いたことに感謝いたします。
 子育て支援広場「あゆっこ」さん、「にこにこ」さんでは、1歳児さんも参加してくれました。いずれも子どもたちが安心して遊べる場、お母様方がお互いの話を気軽にできる場として大切な役割を担って居る場所であると痛感しました。  プログラムは、パラシュートやオーガンジー()を使いました。子ども達に「素材との出会い」―様々な教材と触れ合うことで学ぶ時間―を提供しました。もし、今後も継続的に訪問してこの子ども達と遊べたら、いろいろな動きや表情と出会えるだろうなぁと思いを巡らせました
 
「ふれあい教室」では前回、川上先生、笹原先生が訪問された活動に参加した年中児さんが再び参加してくれました。前回よりも動きが大胆に、また表現豊かになっていたことにこのお子さんの成長の喜びを職員の方と共有しました。 どのお子さんも「遊びたい」気持ちが身体から溢れでていました。 その気持ちをしっかりと職員の方々が受け止めていることで温かい空気感が生まれ、楽しい時間を過ごすことができました。職員の皆様、ありがとうございました。
 「あすなろホーム」では食後のレクリエーションとしてパラシュートで身体を動かしました。この日はとても暑かったので、皆さんの自主的な参加が少ないのではないかと心配しましたが、前回の5月にも同じ活動を経験したことも影響してか、たくさんの方々とパラシュートを囲むことができました。「パラシュートまわし」の活動では、「はんたい!」の掛け声で回す方向を即時に変える遊びをしたのですが、どこからともなく「はんたい!」の掛け声が出てきて、大変盛り上がり、皆さんの自然な笑い声が沢山聞けました。恥ずかしそうな声、勢いのある声、細いけど可愛らしさを持った声、どの声も確かな存在感のある声でした。その後は終了時間まで作業体験をさせて頂き、皆さんの日常の表情と空気感を感じることができました。
3年振りに訪れた陸前高田は道路もお店も整備されつつあり、生活しやくすなった一面を感じましたが、とある職員の方が職場から毎日見える海岸沿いを往来するたくさんの重機を見て、「いつまでこの光景が続くのだろうね…」とつぶやいていたことが印象的でした。私自身は無力です。でも、「音楽ムーブメント」というツールを通して陸前高田のみなさんと交流させて頂いたことで、笑顔の療育・支援が子どもたちの育ちにかけがえのないことを改めて感じさせて頂いた2日間でした。ありがとうございました。 
 
 5.終わりにーチェルク理事長 松本美代子
 今回の訪問を通して得たいくつかの気づきを紹介します。

   町の様子
海岸前の高田市内の地面かさ上げに必要な砂の確保のため、山を崩し砂を運び出すトロッコレールの高架  橋が今の陸前高田市の景色の中心になっているようです。また、沢山の木が切りだされ、高台の山の景色  もずいぶん変わりました。これらすべて、復興の脈動なのでしょう。同時に改めて災害の規模の大きさを  気づかされます。被災直後から通っていますが、最近、様変わりした影響で車移動の道中道に迷うように  なりました。車のナビは被災前、景色は行くたびに変わります。
商店の増加:コンビニエンスストア―の数が非常に増えました。地域住民のためのみならず、復興工事に  携わる人達のためにも必要なのでしょう。
高台の新築の家が増えました。木が伐りだされた高台に訪れるたびに新築の家が建ちます。復興のエネルギー、人の生きるエネルギーを感じます。

   子育支援センター(2ヶ所)の訪問について
 20116月以来の訪問となりました。保育園に入る前の小さなお子さん、家で過ごすお子さんのための遊び場、お母さんたちのための息抜きの場です。最近は利用者数が減少気味とのこと。つまり、働くお母さんの数が増えたとのことです。働く場が増えたということは、復興しているという印でしょうか。中には、お母さんが働かないと生活が苦しいという事情があるのかもhしれません。それは、災害が経済的な問題に影響したのだろうと思います。また、家族機能においても、様々な問題があるようです。今回、私達の訪問時、祖母との関係で悩んでいる若いお母さんのお話を聞きました。利用者が減少してもこの子育て支援センターの役割は大きいと感じました。 

   慈愛福祉学園デイサービスの訪問について
 このデイサービスの母体は古くから大船渡、陸前高田を含む沿岸地域の福祉事業を担ってきた社会福祉法人です。施設長からの情報では、沿岸部にはもともと専門職が雇用される機会が少ない事情があるとのこと。被災以後、作業療法士を3名雇用したのだそうです。今回訪問して感じたのは、3名の作業療法士は皆さん若いということ。意欲的で素直な若い作業療法士に出会って、木村も私も大変刺激を受けました。そもそも、ヒューマンサービス領域で働く私たちは、学校を卒業してから、現場で先輩達からのOJT受け、ケーススタディーで具体的なスーパービジョンを受けながら、人間的にも専門職としても育ってきました。彼らには、先輩がいないのです。月1回、動作法のスーパーバイザーが継続的に訪問指導しているとのことです。リハビリテーション領域では、自分自身の専門職の先輩のみならず、多職種間のチームワークによって育ちあうことが大切です。若い彼らとの出会いで、この点に改めて気づかされました。木村も私も、都内で日々若い教師やリハビリスタッフのスーパービジョンを行っていますが、慈愛福祉学園での活動は、どう人が育っていくのかについての基本に気づかされました。沢山の人が一時にいなくなる・・・ということは文化の継承にも影響します。調度、広島の原爆記念日に近い時期でしたので、災害、戦争の影響についても考えさせられました。
 
 仮設住宅での経験 
「米崎町西風通地区民有地」仮設住宅
*西風通地(ならいみち)

 今回で2回目の宿泊です。貴重な体験です。今回、静岡から長期的に定期的に支援のために訪問している尼さんと同宿しました。この尼さんは、仮設住宅で生活する女性(お母さん)達の支援をしています。
(その他、必要と思われる処にはどこにでも出かける方なので、こども支援、障害児・者支援、生活支援・・万屋です。)
右の写真は、女性達の手作り品の販売に応じて大量に買い物をした後の写真です。彼女達の商品が、足立区での復興支援事業で販売されると最近連絡が入りました。今後も、私達らしく、計画的な支援と偶然の出会いによる草の根支援を大切にしていきたいと思いを新たにしました
 
   
6.次回の活動助成事業の最後の活動になります。
  109日 社会副法人津山福祉会 高寿園 職員研修会講師派遣 

(特別養護老人ホーム・高齢者福祉センター(デイサービス)・居宅介護支援センター

 (追記)※支援参加者3名ともに活動に集中しており、活動中の写真を撮ることができませんでした。
●ふれあい教室:http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/kategorie/syussan-ikuji/ikuji/shien/pdf/fureai/fureai-pamphlet.pdf

●子育て支援センター「あゆっこ」子育て支援センター「にこにこ」http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/kategorie/syussan-ikuji/ikuji/shien/kosodate-shien.html

慈愛福祉学園デイサービスセンター http://www.taiyokai.or.jp/publics/index/32/