最終更新日2021年1月14日

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詳解日本史歴史地図・図解


−大正の文化住宅−



(この画像と説明文は『日本史地図・図解集』に収録されています)


大正の文化住宅

大正の文化住宅
 大正期の文化住宅は、大枠として「大正から昭和にかけて郊外の良い環境の住宅地に建てられたサラリーマンの家で、和風建築と洋風建築の要素をあわせ持っている」といえる住宅です。その間取りは様々なものがあり自由でした。以前は身分、職業で家の間取りが決まっていたことを考えれば、これは画期的なことです。
 そうした意味をもつ文化住宅のなかでも、中心をなしたのが、「中廊下式住宅」と「居間中心型住宅」です。掲げた図版は中廊下式住宅の平面図です。この形式は、家の中央を中廊下が走る、玄関の脇に洋風の応接間がつくという特徴をもちます。日本の伝統的な間取りでは、座敷と居間といった部屋はフスマでつながっていましたが、ここでは中廊下という専用の通路が作られました。どの部屋からも他の部屋を通らずの家のなかを移動できるという利点はありましたが、中廊下が暗く陰気な場所になりがちで、特に湿度の高い夏場は湿りやすいという難点がありました。そのため、戦後はこの形式はすたれていきます。明治の末に登場したこの中廊下式住宅にかわって、大正期になると居間を中心に間取りを考えた居間中心型住宅が現れてきます。ただ、人々は「文化住宅」にあこがれをもちましたが、実際に住んでいる家との落差は大きかったようです。