16
マントを剥ぎ取られる。ベストを脱がされ、ネクタイを乱暴にほどかれる。シャツはボタンが引き千切れそうな勢いで剥ぎ取られ、ベルトもシュッと音を立てて引き抜かれる。一つずつ奪われる衣服が、ジェームズの手によってバサリと床に投げ出される。その音がやけに耳に届いた。
「や、やめ……」
ひきつった声を出し、セブルスの手はせめて抵抗しようと何度も前に出かけるが、ジェームズの動きが素早くて、どう抵抗したら良いのか分からない。怖くもあった。凍りのような目でセブルスを見つめているジェームズが怖くて、萎縮してもいた。
だが、愛撫で身体は熱を発し始める。
ズボンは下着と一緒に勢い良く降ろされ、悲鳴を上げたところで、セブルスは呆気なく全裸にされた。慌てて足を折り曲げて前を隠そうとしても、ジェームズは易々とその足の間に割って入り、まだ反応していないそこを咥えてきた。
「やぁっ……だ……!!」
閉じられない足をばたつかせ、手を伸ばしてジェームズの髪を掴んでも、それは拒否に繋がらない。性急に追い立てられて、素直にセブルスはそれに反応してしまう。ジェームズが与えてくる快楽。足を閉じたくてもそこにあるジェームズの身体。伸ばした手が掴んでいる、撥ね癖のある黒い髪。
全部がジェームズを感じて、身体を熱くさせる。
ジェームズだと思い知るだけで身体が熱くなる。
何度も抱かれて、全身で覚えてる。ジェームズを覚えてる。
そう、誰よりも身体で教えこまれている。
ほんの少し指先で触れれば、それがジェームズだと判るほどに。
「あっ……や、ぁ………」
元より、昨夜ルシウスに抱かれた事で、身体は行為に敏感になっている。
セブルスの膝の裏を持ち上げるように押さえながら、その足の間でジェームズの頭が動く。咥え、舐め上げ、吸い上げられて、セブルスは漏れる声を隠せもしない。呆気なく勃ち上がったそこが、もっと快楽を求めてる。息が苦しい。堪えず喘いで、息が持たない。
「――イきたかったら、お願いしてみな?」
すっかり力の抜けきったセブルスに、ジェームズが意地悪く声をかける。与えられる快楽に少し呆けていたセブルスが、我に返ったかのように、しかし弱弱しく首を振った。抵抗しても無駄な事は分かっている、しかしいつもこれはセブルスの最後の意地だった。
まだ耐えれる。どうせ駄目でも、少しでも長くの抵抗を。
ジェームズが、持ち上げていたセブルスの両足を下ろし体を起こすと、セブルスはぼんやりと不安げにジェームズを見上げた。達しないままセブルスを放置するのかと思ったが、違った。
ジェームズはセブルスの体を起こし背後から抱き締めるようにして抱え、足を大きく開かせた。ジェームズ自身の足がセブルスの両足の間に入り、閉じることを防ぐ。
「あぅ……あ、やっ……、や!!!」
ジェームズの片手が、曝け出されたセブルスの前を掴む。上下に擦られる。
「まだイきたくないんだろ?なら、早くイくように頑張れよ」
耳元で囁かれ、首筋にキスをされる。もう片方の手がセブルスを支えながら、胸の先を摘み上げる。
前に当てられた手は休む事無く激しくセブルスを愛撫する。
「や、あ、あ、あぁ、」
「イきたくなったらいつでも言えよ。昨日はルシウス先輩相手におねだりでもしたんだろ?」
喘ぎながら、後ろに倒れこむ頭はジェームズに凭れてしまいながら、それでもなんとか首を横に振る。
ジェームズの手が止まらない。身体のあちこちから快感を引き出す。
「何て言いながら、何回イったんだ?1回じゃないだろ?」
絶え間無く零れる喘ぎのせいで閉じる事のできない口。ジェームズに何か言い返す事もできない。
「先輩に乗り換えたわりには、こんなに反応が良い。君はもしかして、誰でも良いのかい?イかせてくれるなら、誰でも?」
腰が自然と動いてしまう。出口を求めて。
しかし、愛撫に躍らされながら、セブルスは恐れる。
「淫乱だったんだ、君…あんなに澄ましてるくせにね。淫乱」
快楽に気が狂いそう。
それでも、このままでは。
「さ、早くイきなよ。もうそろそろ限界だろ?遠慮するなよ。僕にこのまま、イかされちまいな……」
ここは――ルシウスのベッドなのだ。
彼のベッドを、ジェームズの手に犯されながら、汚してしまう。
そしてそれは、ジェームズの狙いだ。
「あぁ……い、ぃゃ、やっ……やだぁぁぁ…!!!」
強く先に爪を立てられ、そして激しくしごかれた。
限界だったそこは――次の瞬間、弾けるように精を放った。
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