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そして夏休みが終り、新学期が始まる。いつものようにキングズクロス駅からホグワーツ特急に乗って、学校へと戻る。ジェームズの姿を、駅でセブルスは見かけた。彼は目立つから、探そうとするまでもなく目に入った。いつも学校で見かけたように、いつもの仲間達と騒いでいる。目が追ったつもりはないのに、呼ばれたようにジェームズが一瞬セブルスを見た。
そして、ジェームズは目を逸らす。完全にポーカーフェイスだ。
しかしその視線の逸らし方でさえ、もうセブルスにはジェームズの心が伺える。
セブルスも目を逸らせた。
「歓迎会の途中で抜け出せ」
広間に向かう途中、通りすがりにジェームズに囁かれた。彼はさっさとセブルスを追い越し、仲間達とグリフィンドールのテーブルについている。セブルスは重い足取りでスリザリンのテーブルについた。組み分けの儀式が終り、各寮のテーブルには出来立ての料理が山のように並ぶ。皆の目がそこに集中している内に、ジェームズに言われた通り、さりげなくセブルスは席を立った。長い廊下に出る。左右を見てもジェームズの姿はまだ無く、ぼんやり柱の陰で壁に凭れているとやがて足音が聞こえて、ジェームズが現れた。笑って無い。
「新学期早々、何の用――」
険のある言い方で言葉を投げつけかけると、バンッ!と、セブルスを囲むよう、両手を壁についた。セブルスは言葉を飲みこんでしまう。間近でジェームズの瞳がセブルスを捉える。強く、睨みつけるように、それだけで押さえこむように。
「――何の用、でしょうか?」
ジェームズの声はおどけたようだが、何一つ彼は笑っていない。
知らずと呼吸が早くなり、それでもセブルスは、いつもの自分を取り戻そうとする。
「な、何をふざけて……」
「ふざけてるのはどっち」
しかし取り戻そうとしても、もう既に冷静な自分でいられない。動揺が隠せ
ない。身動きせず、ジェームズはセブルスを逃さない。瞳すら離さない。せめて俯いて視線を外したいのに、それすら許してもらえない力。
「答えられないの?」
やがてジェームズの片手が壁から離れ、ローブの上からセブルスの胸に移る。手の平を押し付けられ、びくりとセブルスの身体が震える。ジェームズの大きな手の平が、ローブの上からセブルスの体を滑る。胸を滑り脇腹をなぞり、撫で上げるように動いて、そしてローブの上から胸の先の場所を探り当てられる。指先が押し当てられる。
呼吸が早くなる。
「――何回、ルシウスと会ってたの」
ジェームズの指先が動く。
「……呼び出された…の、は、一回……」
「一回呼び出されて、何回やったの。泊ったの?何日?」
「三……日」
指先が胸から外れても、彼の手はセブルスから離れない。
視線すら外れない。
「あれだけ言ったのに…僕の物だって。せっかくつけた痕も無駄だったな」
ジェームズはセブルスの肩を掴み、壁に向かい合わせる。
「壁に手をついて、体を支えなよ。」
そう言って、セブルスの腰を引く。
「おい、こんな所っ……で……」
歓迎会中の大広間から、そう離れていない。抗議の声を上げるより先にズボンの上から前を弄られ、セブルスの声は切羽詰る。大きな手に掴まれて、力が抜けてしまう。
「おい、……」
逃げようと身を捩っても逃げられた試しが無い。力の無い手が壁にすがりつく。ベルトが緩められ、ファスナーが下ろされ、ジェームズの手が下着の中に入り、直に愛撫されてしまうと、今度は声を殺すのに必死になった。
「っ……」
唇を強く噛んで、堪えるように項垂れた首を横に振る。冷たい壁も床も見ていたくなくて、とにかく強く目を閉じた。ジェームズの手がセブルスを掴んで扱いて、追いたてる。
「やっぱり淫乱だね、君。こんなにもすぐに反応して」
背に覆い被さっているジェームズの声が、冷たくセブルスの耳元で囁かれる。空いているジェームズの片手が、壁で震えているセブルスの手に重なる。そこだけ、やけに優しく温かかった。その指先が、セブルスの手の甲をなぞる。
「ルシウスとは何回やったの。何回イって、君の身体にイかせたの?何回、ここに挿いれさせたのさ」
温かかった手は離れ、今度はセブルスのマントをまくりあげる。ジェームズはセブルスのズボンと下着をまとめて引き摺り下ろす。下ろしきらずに、膝の辺りで止まった。
セブルスの前を弄っていた手が、今度は後ろを這う。全体を撫でるようにして、そして人差し指の先で、入り口をほぐしてくる。少しずつ、押しこむように、優しく。
「……」
セブルスの身体が震える。気を抜けば床に倒れこみそうだった。壁にすがりつく手が、拳の形に変わった。震えながら、必死に愛撫に堪える。
「我慢せずに声を出したら?」
ジェームズが笑う。僅かに歓迎会の賑わいが聞こえる。
「遠慮するなよ、気持ち良いんだろう?」
「っあぁ……っっ!」
慣れてきたそこに、遠慮無く指が突き入れられる。侵入されるそこに全神経が集中して、切ない息が漏れてしまう。
身体を支える腕も足もがくがくと震える。
ジェームズの指は何度も抜き差しされ、セブルスの中を掻き乱す。今は触れられていない前さえも、震えて雫を零す。
「…ここでやめたら、セブルスも困るよねえ?」
意地悪く、ジェームズが笑う。
「誰か来るまで、こうしてようか?」
「…ざ、ける、な……」
喘ぎを堪えて、言葉を搾り出す。すると、中に挿れられる指が予告無しに二本に増やされ、セブルスは悲鳴を上げた。慌てて、再び強く唇を噛んだ。
「この程度で堪えられない君じゃないだろ?もっと太いのをいつも喜んで受け入れてるくせに。それともルシウスに散々可愛がられて、何も無しじゃ我慢できなくなったの?」
指が三本に増やされる。内部を犯す。噛締めた唇から、呻きが漏れる。
「あとどれくらいで、歓迎会は終るかな?」
楽しげなジェームズの声が、セブルスに何を言わせたいのか、セブルスは分かっている。逆らいたくても、言わなければ終らない事も知ってる。ギリギリまで粘れば流石に離れるかもしれないが、そこまで粘る度胸がセブルスには無い。誰か、たった一人にでも見られたら。
ジェームズの指が、言葉を誘うように、蠢く。
「……は、早く……終わらせろ……」
床に置いた手の平を強く握り締めて、吐き捨てるように、言った。一瞬指の動きを止めたジェームズだが、それで満足はしなかった。
「終らせるには?セブルス」
「……いかせろ……」
「頼み方が可愛くないなあ」
ジェームズが、指を引き抜いた。はぁ、と力の抜けた声がセブルスの口から零れた。しかし今度は前を指先で弾かれ、びくりと身体が撥ねた。
「君だけじゃないんだから。二人での行為だろ?君一人勝手に盛り上がるんじゃなくて、ちゃんと僕の面倒も見てくれなくっちゃ」
「さっ…さと、い、挿れたいなら、挿れれば良いだろっ……!!」
優しく前を摩られて、セブルスは叫びながら、悩ましげに首を振る。チチチ、とジェームズは舌を鳴らした。
「『挿れて、イかせて』。言ってごらん」
「……い……」
「お願い事は、ちゃんと僕の目を見て」
悪魔め。そう心の中で毒づきながら、セブルスは震える瞼を開け、潤んだ瞳で背後を緩々と振り返った。冷ややかに見下す目と合って、せめて、睨みつけた。
「『挿れて、イかせて』……」
堪えられなくて、すぐに目を閉じ俯いた。顔が熱い。
見なくても、ジェームズの満足げな笑みが思い浮かぶ。
「よく言えたね、セブルス。良い子だ」
セブルスのズボンは膝あたりで止まっているので、あまり足は開けられない。ジェームズの手が前から離れ、両手がセブルスの双丘を強く開いた。羞恥のあまり、強く瞑り過ぎた瞼から涙が滲み出る。
「君の望み通りにしてあげるよ」
そして間を置かず、後ろに強い圧力を感じた。
「あ…っっっっっっっ…………っっ!!!」
空洞を全て埋めるように、ジェームズが熱く侵入してきた。強く唇を噛んで、無意識で声を殺した。
息ができないほどの充足感に、セブルスの頭が真っ白に弾ける。
重たく強く、何度も突き上げられて、口も瞳も強く閉じて、しかしセブルスの腰は、彼をより深く受け入れようとするが如くに自然に動いた。
真っ白な頭の中に、快楽以外何も入ってこない。
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