
ブンチョウはマレーシアでは野鳥。
野鳥と飼い鳥、なにか次元がちがうような気がしないでもないが、鳥であることに変わりはないし、その境目も必ずしも定かでない面があるようだ。
今でも小鳥売り場の前を通るときに、素晴らしいカナリヤの鳴き声がきこえたりすると、思わず衝動買いをしたくなる。
私は今までにキンカチョウ、ジュウシマツ、ベニスズメ、ブンチョウ、セキセイインコ、カナリヤ、伝書バト、ヒメウズラ、ニワトリ、メジロ、ウグイスを飼育したことがある。
ジュウシマツは姿も地味だし、声も良い訳ではないが、なにか印象に残る鳥だった。ブンチョウには桜ブンチョウと白ブンチョウがあるが、いずれもなかなかきれいな鳥である。やや神経質で、抱卵中に驚くと巣を放棄することが多かった。セキセイインコは巣引きが上手で、飼いやすい鳥であった。増えすぎて引き取り先をさがすのに困ったぐらいだった。ローラー・カナリヤは、黄色と緑色が混ざったものとレモン色があり、まれに白色が濃いものもあるようだ。いずれも素晴らしい美声の持ち主である。最近ではオレンジカナリヤが良く出回っている。いずれのカナリヤも意外に神経質でなく、良いペアさえ見つければ、繁殖も思いのほか楽であった。ほかに姿が美しい巻き毛カナリヤなどもあるが、これは飼育したことがない。
ニワトリは夜店で買ったヒヨコが成長したもので、100%オスであった。ヒヨコは可愛いいが、育てるのは難しいといわれていた。始めは何匹か死なせてしまったが、そのうち育て方が上手くなり、ほぼ100%成功する自信がもてるようになった。ただ都会に住んでいたので、鳴き声がうるさいと近所迷惑なので、殆どが完全に成長するまでに、引き取られてしまった。まだ食糧難の時代だったので、引き取り手は多かったが、当然のことながらいい気分はしなかった。
私は今でもニワトリが自由に飼えるところに住むのが夢である。ところで最近珍しく、元の会社の同僚が我が家を訪ねてくれた。長年同じ釜の飯を食ってきて、特別鳥に関心があるとも思えなかったのだが、意外なことに彼の夢も私と全く同じであったのだ。夢を共有する人が身近にいるということは、非常に嬉しい気分になるが、現実問題として、ある程度田舎暮らしをしないと、ニワトリを飼うのは無理だろう。南房総での田舎暮らしをenjoyしている友人もいるが、健康な体と家族の協力がないと夢の実現は至難のようだ。
メジロ、ウグイスは飼い鳥ではないが、40年程前までは自由に飼育することが認められていたのであろう。日本橋の三越などのデパートや横浜の坂田種苗などで、ウソやイカル、ホオジロ、ヒバリなどとともに、沢山陳列されていたし、多数の野鳥を飼育して鳴き声などを自慢する老人も多かったように思う。
今でも小鳥売り場に行くと、多種多様な野鳥が並んでいる。なかには明らかに、国内産の鳥とは、少し違うものもあるが、殆どは国内産と変わらないように見える。一応輸入許可書はあるようだが、問題が多いようだ。こうした鳥が店頭に沢山並んでいるのは、やはり需要があるからなのだろう。鎌倉でもオオルリなどをカゴで飼っている人が何人かいるようだ。思わぬところから、思わぬ鳥の声が聞こえてきたら、ひとまず飼い鳥でないかを疑ってみる必要がある。
飼い鳥といっても、原産地では野鳥であるものが大半のようである。カナリヤとかジュウシマツとかニワトリのように、改良が進んでいて、今では野生としては生息していない鳥というのは、割合少ないようだ。したがって現地での生育環境が日本の風土に似ているような鳥が放鳥されれば、野生化する可能性は十分ありうることである。ガビチョウ、ソウシチョウの野生化が最近話題になっているが、ベニスズメやワカケホンセイインコとか、セキセイインコ、ブンチョウ、ハッカチョウなども一部で野生化が定着しているようだ。
佐渡のトキのように本来野生の鳥であっても、今の環境下では人間の保護がないと生きられないものがある。今後野鳥の飼い鳥化も意外な方向に進むかもしれない。ペットブームの延長で、最近外国産のフクロウなどが、輸入されかなりの高価で取引されているようだ。最近「よこはま動物園ズーラシア」に併設された「横浜市繁殖センター」でインドネシアのバリ島で絶滅寸前になっているカンムリシクロという鳥を繁殖させて、故郷に戻す計画を近く実行に移すというニュースを耳にしたが、このように原産地では絶滅の危機にある鳥が、ペットとして、または動物園などで、相当数飼われているケースもかなりあるのだろう。
日本の野鳥は600種程度なのに世界には、約9、000種の鳥が生息しているといわれる。鳥には国境線がないので、自然状態で海を越えてやってくる鳥も増えるだろう。一方趣向の変化によって、飼い鳥の種類も今後ペットブームを反映して、どんどん変わっていくかもしれない。新たな種類がどんどん輸入され、反面廃れていく飼い鳥もでてくるのだろう。
以前は坂田種苗や横浜高島屋などに良くでかけていたが、最近遠出が出来ないので、飼い鳥を沢山並べている店の状況は良くわからないが、戸塚の原宿交差点のそばにある、ヨネヤマ・プランテーションに時々通っている。飼い鳥の数は物足りないが、犬,ネコや魚類や爬虫類,昆虫類もいて、私にとっては結構楽しめる場所である。 (2003年1月)