巣箱の話(その2)

 

15年以上前から、我が家の楓の木に源氏山公園などに設置されているのと同タイプ(KJG特製)の巣箱が設置されていた。庭が狭い上に近隣も住宅が密集しており、放し飼いのネコなどが多く、決して条件が良いとは思えないのだが、殆ど毎年、シジュウガラがこの巣箱を利用していた。ヒナが巣立つのは丁度5月の連休頃なので、巣立ちを目撃できることもかなり多かった。年によっては、2回目の育雛がおこなわれることもあるが、この場合ヒナの巣立ちは7月頃になる。巣立ちの時期は、毎日気をつけていると親鳥の仕草やヒナの声の様子などから、なんとなくわかるものだ。この巣箱が一昨年、老朽化して壊れてしまったので、補修しようと思ったが、ブキッチョなのに加え体調が優れず、結局諦めてしまった。なんとか自分でも作れるお手軽な巣箱はないものかと、インターネットで調べたり、アメリカから取り寄せた本を読みかえしていたら「How to Atract Birds」という本に面白いことが載っていた。

「野鳥の巣箱を作るのに固定概念は捨てるべきである。例えば牛乳パックだって、ほんのすこし手を加えて補強してやれば、立派な巣箱になる。屋根の部分を強化したり、湿度調節のために穴をあけたり、直射日光には弱いので、日陰に設置するなどの工夫をすることで、Tree Swallow(Tachycineta bicolor)という鳥が巣箱として利用する」といった内容である。

牛乳パックを利用した巣箱なら私でもできそうだったので、昨年一つ試作品を作って、楓の木の巣箱のあとに掛けて見た。勿論日本にはTree Swallowはいないが、運がよければスズメでも利用しないだろうかと期待したが、残念ながら利用された形跡は見られなかった。 どうも牛乳のパックでは小さすぎるようなので、来年は酒のパックとかもう少し大きめなものを使って実験してみようと思っている。

ところでタカ類は巣箱などは利用しないと思っていたが、アメリカで最も小さいハヤブサの仲間である、American Kestrel(FalcoSperverius)は、巣箱を利用するそうである。 AmericanKestrelはカケスぐらいの大きさのタカで、昆虫やスズメ大の鳥等を餌にしており、天然の木の洞とか、崖などに巣を作るが、キツツキの巣の後を利用したりもするそうで、高速道路沿いに設置された人口の巣箱の利用率、および巣箱から巣立ったヒナの生存率はかなり良いようである。

巣箱の研究も特定の鳥についてはかなり進んでいるようだが、まだまだこれからの分野のようである。いずれにせよ鳥の住宅事情を悪化させているのは、人間であるケースが大半であることは間違いないといえるだろう。 私などは個人的に鳥の巣箱に興味をもっているだけであるが、巣箱の普及がすこしでも鳥の住宅事情の改善につながれば結構なことだと思う。

鎌倉には以前は立派な松の木が沢山あったが、今では材木座でも由比ガ浜でも、松の木などめったに見当たらない。松が枯れていった原因は色々あるようだが、松食い虫による被害も無視できない。松食い虫の駆除にはアカゲラが効果を発揮するそうである。アカゲラ用の巣箱は、以前盛岡の城址公園に設置されているのを見たことがあるが、今はどうなっているのだろうか? zai

最近アカゲラが鎌倉にも時々やってくるが、どうも定着しないようだ。アカゲラは枯れ木に巣を作る鳥なので、なかなか適当な営巣場所がないのかもしれない。最近あまり耳にしないが、以前丹沢でブナの木などの立ち枯れが問題になった頃、檜洞丸や丹沢山、大山等に登ると、立派な大木が大量に立枯れている無残な姿が目撃できたが、これらの木を良く見ると、殆どの木にキツツキの巣穴があけられていた。アカゲラやオオアカゲラ、コゲラなどにとっては、住宅事情が改善されるという皮肉な結果になっていたように思われた。鎌倉にもアカゲラ用の巣箱を設置したら、どうだろうかといつも考えているのだが、シジュウガラあ用の巣箱も作れない状況では、自分で試作品を作望むべくもない。 (2002.12)

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自宅に設置するための巣箱を色々検討していたが、妙案がなく行き詰まっていたところ、KJGの川上さんから、お手製の巣箱を寄贈いただき、早速庭のカエデの木に設置したところ、シジュウガラが利用してくれた。本日清掃のため中を空けてみたが、巣材が二重に敷き詰められており、二回利用された形跡が残っていた。ノラネコが多く、条件はあまり良くないのに、嬉しいことである。巣材には下記の写真のような白い化学繊維がかなり用いられていた。

(2003年12月18日)

2004年には狭い庭に2箇所巣箱を設置したところ、両方ともシジュウガラが利用してくれた。それではと2005年はさらに欲張って巣箱を3個設置した。なにせ狭い庭なので、巣箱同志の距離が近すぎたのか、両脇の2個は利用されず、真ん中に位置する一個のみが、シジュウガラに利用されていた。なお端のカエデの木に設置した巣箱(上記写真参照)は利用されなかったが、巣箱の上、1メートル程のところにメジロが巣を作っているのが、葉が散ったあとに発見された。やはり3個は無理のようだが、もう一年試して見たいと思っている。

                                     (2006年1月18日)

 

 

 

 

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