
冬の丹沢湖は私が自信をもって薦めることができる探鳥地の一つです.家内の実家が山北町にある関係で年に何回 となく現地を訪れていますが,冬は訪ねる人も少なく、寒いのさえ我慢すれば快適な探鳥を楽しむことができます.丹沢湖への道のりは小田急線の新松田駅から 西丹沢行のバスで約1時間(片道940円,バスは1時間に2本程度出ています)かかります.車なら鎌倉から順調なら1時間半程で着きます.ところで一口に 丹沢湖といっても結構広くて,余程ポイントを絞って探鳥をしないと時間ばかりかかって成果がでないことになりかねません。
水鳥は中川温泉に向かう中央の橋をはさんで西側に殆どが集まっており東側ではあまり数が見られません。冬の丹 沢湖で特に見事なのがオシドリの群れで、私は約200羽を観察したのが最高ですが、500羽を観察した人もおります。まあよほど運が悪くない限りオシドリ に出会えないということはないでしょう。ポイントは浅瀬入口から世付トンネルを抜けたところから左手の方向です。従って車でない場合はバス停から約15分 程歩くことになります。

この道を世附川に沿ってまっすぐ西に進むと、浅瀬に着きます。この付近ではカワガラスがよく見られ、またミヤマホウジロ等に出会うこともあります。
浅瀬から先は車の進入が禁止されていますが、かなり奥まで林道がのびており徒歩で散策するには絶好な場所で す。10分程歩いて不老山ハイキングコース入り口の吊り橋をこえたところの杉林ではまず確実にキクイタダキが観察できるでしょう。さらに200メートル程 林道を行くと夕滝という滝が見られます。あまり名も知られていませんが実に風情のある滝です。この林道は最終的には駿河小山から山中湖畔の平野に通じる県 道の明神峠に抜けます。また少し戻ったところから分岐した林道も2時間程あるくと信玄平というところに出ますが、そこから更に3時間程歩くと城ヶ尾峠経由 で道志村に抜けます。いずれのコースも鳥が多く、思わぬ発見が期待できますが、かなり健脚向きで、特に冬場はあまり奥までは、立ち入らない方が良いでしょ う。
本格的な装備はなしで山野の鳥を探すには丹沢湖バス停から三保ダムを経由し湖岸に沿って玄倉に向かう道筋がベ ストコースのようです。以前参加した探鳥会は殆ど、このコースでした。このなかでも私が勝手にベニマシコのポイントやヤマセミのポイントと呼んでいる場所 がありますが、特定の場所で特定の鳥が見られる傾向があるようです。
もっとも他の地域には鳥がいないという訳ではなく、交通の便等から未開拓になっているのでしょう。
このコースでは鎌倉ではあまり見られないヤマセミ、ベニマシコ、ルリビタキ、アカゲラ、アトリ、コガラ、ヒガ ラ、キクイタダキ、カヤクグリ、イワヒバリ等に出会うことが期待できます。年にってはベニマシコが多く飛来して、毎回たっぷりと観察出来ることがありま す。タカ類ではクマタカ、ノスリ、ハイタカ、チョウゲンボウ等が見られます。私はまだ出会っていませんが、オオマシコもいる可能性があります。以前オオマ シコは萩の実が大好物なので花が咲いているうちに、萩の木を見つけておいて、実がなる頃に注意していれば、オオマシコに出会える確率が高いと地元の人から 聞いたことがありました。神縄トンネル入り口付近に格好の場所があり、密かにマークしていたのですが、ある年に一帯がすっかり除草されてしまいガックリし た記憶があります。
もう10年近く前になると思いますが、湖畔近くの斜面に今まで見たこともない地味な鳥が止まっているのを発見 しました。図鑑をみても該当する鳥はなく、しばらく疑問のままでしたが、その後藤野町で飼い鳥として輸入されたガビチョウという鳥を、業者が大量に放鳥 し、野生化して丹沢方面に進出しているという記事を見て、その生態を専門に研究されている丹沢湖ビジターセンターの山口さんを訪ね、写真等を見せて頂き、 まさしくガビチョウであったことを確認しました。ガビチョウは素晴らしい美声の持ち主ですが、姿が地味で、不細工な感じなので、飼い鳥としては人気が出な かったのでしょう。当時ガビチョウは既に平塚まで進出しているとの情報がある旨を山口さんから伺った記憶がありますが、この鳥が今年はついに鎌倉に進出し てきたようです。
丹沢湖には、まれにシジュウガラガン(カナダガン)が飛来することもあります。大柄でなかなか見事な鳥です。
それに鹿やカモシカ、ホンドリス等の姿をみかけることもあります。西丹沢でサルを見たという人がいますが、私はサルと出会ったことはありません。
玄倉にある丹沢湖ビジターセンターは、設備がよく無料で西丹沢の自然に関する様々なデータが見られますので、 是非訪れることをお薦めします。近くにある森林あ記念館は有料ですが、またちがった趣きがあり、休憩するには良いところです。帰りは玄倉からバスに乗るこ とが出来ます。なお丹沢湖周辺にはてごろなハイキングコースが多く、大野山とか、山神峠、不老山等は比較的楽なコースです。でも気候が変わりやすく甘く見 ると危険ですので、装備には十分気お付けて下さい。もし車なら玄倉から林道をユーシン・ロッジまでさかのぼるコース(現在は途中でロックされています。) や中川温泉から西丹沢まで行くコースがお薦めです。また大野山は山頂まで車で登ることが出来ます。丹沢湖ビジターセンターの横から、松田町の寄(ヤドロ ギ)まで、秦野峠を巻くようなかたちで、素晴らしい林道が通じています。この林道は丹沢でも第一級の山岳ドライブコースで、以前はバイクでよく出入りして いましたが、残念ながら数年前に両方の入り口がロックされてしまいました。
中川温泉にはペヘレイの寿司を食べさせる店があります。また谷峨駅からリバーサカワゴルフクラブに向かって、 渓流沿いに車で5分ほど走ったところにヤマメの里という小料理屋があって、新鮮な川魚料理を手頃な値段で賞味でき、一押しの店でしたが、最近残念なことに 団体予約専用になってしまいました。この店の店内には鹿や狸やヤマドリとならんで、何故かタカの剥製がおかれていました。
なお中川温泉は日帰りで入浴することも出来ますので、探鳥のあとで一汗流して帰るのも悪くありません。町営の 日帰り入浴施設ブナの湯(入浴料700円)のほか、あしがら荘,丹沢荘,山水楼等が入浴可能のはずです。 (2002年11月)
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2003年11月12日の昼過 ぎ、全く久しぶりに丹沢湖を訪れてみました。心臓発作が頻発しており、一人で車を運転するのはヒヤヒヤ物ですが、この道は通いなれているせいか、安心感が あります。先ず荒井沢洞門付近のオシドリのポイントに行ってみましたが、オシドリはまだ10羽程しか来ていないようでした。その後神縄入口のベニマシコの ポイントに行って見ましたが、すっかり草木がはびこってしまって様相がかなり変わっていました。突然キジのメスが飛び出したのにはびっくり。フィフィとい うベニマシコ特有の鳴き声がしていたので、しばらく粘っているとオスが2羽視界に現れたましたが、遠すぎて、写真は撮れませんでした。その後玄倉方面に向 かう右手の斜面にカモシカの姿を発見しました。カモシカが見られる場所はいつもきまっており、湖畔まで獣道が通じているので、雪の日などは湖畔まで下りて くることがあります。カモシカはシカほどは神経質ではないようで、かなり側まで接近は出来ましたが、薄暗いところで、草の葉を食べていてなかなか良い写真 は撮れません。時々イカルやガビチョウの囀りが聞こえていました。


以前冬場に丹沢湖に行けば80%以上の確率でベ ニマシコに出会うことができた。ところ が、病気をしてから丹沢湖に行ってもベニマシコ に出会えた試しがない。数が減少しているのかと思って、丹沢湖のビジターセンターで確認しても、そのような 顕著な傾向は見られないようだ。良く考えてみる と以前はベニマシコを探しにいくと、最低でも2時間は、寒さに絶えて、しっと待っていたし、か なり奥地まで 踏み込んでいた。それが最近は15分程度しか、体力的にねばれない。ベニマシコが 減少したのではなく、私の体力が低下していただけのようだ。(2007年9月5日)