常盤山

破壊の裏側に意外な自然が残っている?

今はもう登れないし、バイクで立ち入る道もないが、常盤山は長いこと私のフィールドであった。地元の人には何故かこの山に立ち入ることを嫌う人が多い。過去になにか忌まわしい事件があったようだが、私はそんなことは気にしないで、この山をよく歩いてきた。隣接する源氏山が、ものすごい人出で賑わっているのと対象的に、常盤山を歩く人は、非常に少なかった。入り口が意外に解りにくく、私は、5箇所(梶原口、八雲神社、清光堂薬局の前から入る道、桔梗山、大仏ハイキングコースから入る道)しか知らないが、もっと他にも入り口はあるようだ。常盤山は源氏山、桔梗山に連なり丁度常盤亭跡の裏から梶原口の近くまで続いている。現在は三菱地所が地権者で、鎌倉市が買い上げる方向にあると理解していたところ、南側の斜面が大規模開発で、削り取られあれよあれよという間に、マンションが建設されてしまった。この斜面は以前は、渡りの途中のサシバが羽を休めるポイントであった。

常盤山では特別珍しい鳥に出会ったことはない。私にはタツナミソウの群落があったことぐらいしか印象にのこっていないが、植物好きの人には非常に興味ある場所のようだ。また途中に石畳の道があったり、どこか歴史を感じさせる雰囲気があった。北条氏常盤亭跡が直ぐそばに見下ろせるぐらいだから,あたりまえなのかも知れない。でも何度かトライしてみたが、常盤亭跡に直接通じる道を、見つけることはできなかった。(私は発見できなかったが、ここには間違いなく道があるとのことである。)鎌倉時代に幕府から常盤亭には、どのようなルートで通っていたのであろうか?いまでこそ、トンネルがあるが、昔は七つの切り通し以外、通行することが出来なかった筈である。そうとすれば化粧坂の切り通しから回り込むか、大仏切り通しを通ってくるかしかなかったとも思われるが、果たしてどうだったのだろうか? 野村総合研究所のグラウンドの傍には桜の木が多く、花見をするのに絶好な場所であったが、何人かの常連以外、訪れるひともなく、ひっそりとしていた。 この常盤山が今仲間内でひそかに注目を集めている。この地域である猛禽類 が繁殖している可能性があるからである。果たして現在の鎌倉で猛禽類が繁殖できるのだろうか?科学的な根拠などなにもないのだが、私は夜間活動するフクロウはべつとして、今までとても難しいのではないかと考えていた。たしかにヘビやカエル、昆虫などを主食にするサシバについては、非常に難しいように思う。しかし昨年、笛田公園でサシバの渡りを観察しているとき、鎌倉にはドバトを含め、野鳥の数がものすごく多いことに気ずいた。小鳥を主食とする猛禽類なら、営巣ができる環境さえ確保できれば、十分に繁殖が可能ではないかと思うようになった。実のところ私はトビとフクロウは別として、猛禽類の巣などみたことがないし、想像もできない。常盤山は自宅から遠望は出来るが、残念ながら自分で営巣を確認しに行くことはできないので、ただ朗報を待つのみである。 常盤山は今のところ、忘れ去られたような状態で、真空地帯になっているが、今後更に宅地開発が行われたり、市に寄付された野村総合研究所の建物とセットで、あらぬ方向へ開発が行われたりすることがないように注視していく必要があるのだろう。 (2002年12月)

 

 

 

 

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