
今年の冬は寒さが厳しく、持病をもつ者にとってはつらい日々であった。例年冬場は赤い鳥を探しに、丹沢湖や宮が瀬湖方面に通うのが、このところの30年近くの慣例になっていたが、今年はついに一度も、行くことができなかった。片道一時間半の運転は重労働に思えた。しかし良くしたもので、赤い鳥が三浦半島に来ているとの情報をいただき何度か通って見た。結局赤い鳥には会えなかったが、赤い鳥探しは続けることができた。3月に入ると急に暖かくなり、3月21日というのに、鎌倉山の桜は平均して3分咲き程度、なかには満開に近いものもあった。
目の病気は特別悪化はしていないようであるが、果たして何羽のサシバに出会うことができるのだろうか?春はこれまでも10−15羽程度しか見られなかったので、下手をするとゼロもありうるかもしれない。しかし発想を転換することで、予想外の成果がえられるかもしれないと信じたい。録に目が見えないのにサシバを見る、それは究極のロマンであると、私は思うのだが、残念ながら、まわりでは単なるアホだという声が支配的である。

3月21日(木) 晴。10:30−12:00 笛田公園で観察。
北風が初めは少し強かったが、だんだんと収まってきて絶好の条件となった。いかにもサシバがやってきそうな雰囲気があったが、結局オオタカが一羽通過しただけであった。なおツバメを初認。サシバとツバメの飛来時期はほぼ一緒だと昔聞いたような気がする。いずれにせよサシバがやってくるのは時間の問題だと思われる。なお長谷配水地でも、本日から観察を開始したとのこと。
3月22日(金) 晴 9:00−10:30 笛田公園。
台湾の南端、墾丁春での観察記録によると、今年の春は3月6日の初認以来昨日までに合計2,673羽のサシバが通過している。日本の春は早いが、台湾で見る限りでは、ほぼ平年並みのペースのように見える。日本の西日本各地で観察を開始しているところは、まだ徳島、広島、岐阜等しかなく、サシバはまだどこでも記録されていないようだ。台湾から鎌倉まで、何日かかるのか?仮に2週間としても、そろそろやってきても良い時期である。今日は昼頃から南風が強くなるとの予報であったので、早めに観察してみた。条件は良かったが、サシバはやってこなかった。

3月23日(土) 薄曇 10:00−11:15 笛田公園。
鎌倉山の桜がほぼ満開であった。笛田公園のレンギョウ、ユキヤナギも満開、まさに春爛漫で、サシバ日和といった感じであった。北風がやや寒かったが、条件としてはそれほど悪くはなかった。しかしサシバはこの日も姿を現さなかった。この時期は夏鳥が冬鳥と入れ替わる季節であり、さまざまな鳥たちが行き交っているはずである。しかし笛田公園を通過するタカ以外の鳥が年々減少しているようで、寂しい限りである。公園内にネスミモチ、クロガネモチなどを植樹すればレンジャクがやってくるはずなのだが。
3月24日(日) 曇後晴 9:30−11:00 笛田公園
初めのうちは北風が冷たかったが、徐々に気温もあがり、青空が多くなって、条件は良くなってきた。しかしサシバはこの日も現れなかった。今年は観測史上2番目に桜の開花が早い年だそうだ。過去に3月の方が4月より、サシバの観察数が多かった年が一度あったように記憶している。記録を見ると、それは平成18年であった。その年も桜の開花は早かったのかと思い調べてみたが、平年並みであった。
3月25日(月) 曇時々雨 10:00−11:30 笛田公園
昨日は鎌倉でも、静岡でもサシバが飛んだそうだ。しかし生憎この日は、時々雨が落ちてきて、寒く、サシバが飛ぶとは思いにくい日であった。雨の日に公園の駐車場に車をとめて、CDを聴きながらぼんやりと空を見上げていると、最近いつも浮かんでくるのがロバート・ルイス・スティーブンソン `の
The rain is raining all around,
It falls on field and tree,
という詩と、ポール・ベルレーヌの
Il pleure dans mon coeur
Comme il pleut sur la ville
「都に雨の降るごとく わが心にも 涙ふる」という詩である。若い頃学んだ、こんな詩とサシバとなんの関係があるのか?それは良くわかりません。ですがサシバを見るということは、私の中で色々な思い出とか、その他様々なファクターとが密接に関連している、これもその一端であると言う事ができそうです。
ところで、雨の日は探鳥はお手上げというのが、一般的な理解だと思いますが、私は昔元気な頃、敢えて雨の日(小雨)を選んで、山登りをしていました。時期は5月の連休から6月一杯、目的は鳥の声を楽しむためです。丹沢だと堂平とか、鍋割山とか、標高1000m前後のメインルートから少し外れた、秘密の場所でした。下界が小雨ですと、丹沢は1000m程度まで昇ると、大概霧になります。この霧の中がまさに野鳥の楽園で、キビタキ、オオルリ、コマドリ、コルリなどの大合唱が楽しめます。但し、道に迷うと非常に危険ですので、注意が必要です。
なお脱線ついでの余談ですが、クラシック音楽の巨匠の一人であるビバルディの四季という曲の中の春では、野鳥が囀っているところに雨が降ってきて、一旦静寂が訪れますが、雨が上がり、また一斉に鳥たちが歌い始める情景が見事に表現されています。ヨーロッパと丹沢では鳴いている鳥の種類が随分違うとは思いますが、ビバルディという人はきっと野鳥の生態にかなり詳しかったのではないでしょうか?
3月26日(火) 晴 10:00−12:00 笛田公園
鎌倉の天気予報を見ると、絶好の観察日和が予想されたが、10時頃はまだ雲が多く、寒くて震え上がる程であった。しかし僅かの間に気温があがり、青空も増えて絶好の観察日和となった。大いに期待して、かなり集中して観察したが、ノスリが1羽通過したのみであった。収穫はなかったが、笛田公園で時々顔をあわせる鳥好きの人と久し振りに出会って、鳥談義をしながら観察したので、あっという間にときが過ぎたという感じであった。
この日、長谷配水地では2羽のサシバが観察されたとのこと。台湾南部の観察ポイントでは、この日で10,454羽と昨年実績のほぼ半数が通過したすだ。
*******************************************************************************************
私は長い事、サシバの観察数に春と秋とで、大きなギャップが生じるのは神奈川県だけに特有な現象だと思っていた。しかし最近静岡の観察記録を見てみると、神奈川と同様に、あるいはそれ以上のギャップが生じていることがわかった。静岡の春の観察地である平山農道での観察数は平成12年が534羽、11年が685羽、10年が615羽である。これに対し、秋の観察地点である平山林道では平成12年が10,844羽、11年が8655羽、10年が6674羽となっている。
こうしたギャップは静岡以西のどこの地点から生じているのだろうか?これを確かめるべきデータが不足していて、はっきりと掴めないが、もしかしたら日本本土に上陸する時点で、既に春は秋に比べて、大幅に数が少ないのではないのかとも思えるのだ。台湾を通過するサシバは春でも2万羽以上、秋は3万羽以上が確実にカウントされている。しかし日本では高知と、徳島の実績しか公開されていないが、観察ポイントがわかれており、ダブルカウントが起こりうるのかどうか不明である。現地の実情をもっと勉強しないと、簡単には理解できない。
サシバは絶滅危惧種の鳥であるが、その生態は、全く謎だらけである。そしてその謎は過去30年間、私の理解では何一つ解明されていないように思える。謎は早く解明されるべきだと思う反面、解明して欲しくはないとも思う、複雑な鳥なのだ。ミステリアスなのもサシバの魅力?
*********************************************************************************************
3月28日(木) 薄曇 10:00−12:00 笛田公園
予報では曇りであったが、予想外に青空が多く、ほぼ無風で、寒くもなく、いかにもサシバがやってきそうな雰囲気であった。大いに期待してかなり集中して観察したが、この日もサシバ色の輝きを見る事ができなかった。数にはこだわらないが、やはりゼロはダメですね。そろそろセシバに出会いたいものだが。この日はノスリの姿が見られた。
****************************************************************************************************************************************


この二つの写真、左は昭和24年(1949年)に、右は平成25年(2013年)に、いずれも江ノ島をほぼ同じ場所から写したものである。実は左の写真は昭和24年上映の小津安二郎監督、原節子主演の松竹映画「晩春」の一場面である。この映画は日本でも、あまり多くはない鎌倉をバックとした作品で、若い頃に見たような記憶はあるが、鎌倉駅と横須賀線が印象に残る程度であった。この冬、他にやることもないので、昔見た懐かしい映画のDVDを集めているうちに、見つけたものの一つである。『第三の男」「エデンの東」「チャップリンの殺人狂時代」等々であるが、年齢の若い人にはピンとこないものかもしれません。
私が始めて鎌倉に住んだのは確か昭和31年の筈で、昭和24年の鎌倉とは7年間で随分変化しているように思えたが、とにかく『晩春」という映画はストーリーは別としても、64年前の鎌倉が描かれていて、とても懐かしさを感じる作品です。鎌倉図書館で貸出し可能ですので、ご興味のある方は、是非ご覧ください。右の写真は私が今年の3月13日に撮影したもので、なるべく同じアングルから写そうと思ったのですが、望遠レンズしか持参しなかったので、イメージ通りには行きませんでした。明らかな変化といえば、展望台ができたこと、陸と島とがコンクリート製の橋で、完全につながったことだけのようですが、細かく調べると他にも大きな変化がかくれているのかもしれません。この変化をサシバはどのように受け取ってきたのでしょうか?今から64年前、サシバはどのように渡っていたのでしょうか?


上の写真左側は七里ガ浜です。いまからは想像もできませんね。さらに驚くのが右側の写真です。鎌倉から茅ヶ崎方面にサイクリングに行く場面ですが、このような荒涼とした場所が鎌倉、茅ヶ崎間にあったのでしょうか?もしかするとこれが現在の国道234号線?どなたか解る方アドバイスください。
ところでこの写真とサシバはなんの関係があるのでしょうか?無関係のようで、密接に関連しているようにも思います。秋は幻のタカ柱というテーマがありますが、春は特になにもありません。実績もパッとしたものはないのですが、にも拘らず30年間欠かさずに春も江ノ島に通い続けている原点は案外こんなところにあるのかもわかりません。
それともう一つ気になる事、それは東日本大震災の影響です。今までのところ、顕著な影響は全くといっていいほど、見えていません。しかしある程度長いレンジで考えた場合、何らかの影響が出てくるのではないのでしょうか?江ノ島を見て飛んで行く春のサシバの前方に大きな変化が起こっていることは、紛れもない事実なのですから。
****************************************************************************************************************************************
3月29日(金) 薄曇 9:00−11:00 笛田公園
空は青空の部分はすくなかったが、無風で暖かく、条件的にはそれほど悪くはなかった。トビとカラスが絶えず上空を舞っていたが、サシバはこの日もやってこなかった。
4月1日(月) 晴 9:30−11:30 笛田公園
この日は北東の風がやや強く、空は晴れていたが、ものすごく寒い日であった。グラウンドは風が吹き抜けて、寒かったので、駐車場から公園に上る階段の途中で観察した。しかし初めの内は、全くサシバがやってきそうな気配がなく、体が冷え切ったので、そろそろ切り上げようかと思っていたところ、11:03、突然定番コース中空をサシバ一羽が通過、続いて11:08,11:13と相次いでサシバが通過していった。高度がそれ程高くはなかったので、いずれも写真を撮る事ができた。またはるか上空に合計12羽のタカ柱?ができていた。春でもあり、まさかサシバではないだろうと思ったが、カモメのようであった。3月中は一羽のサシバを見る事もできなかったが、とにかく今シーズンもサシバに出会えてほっとした気分であった。「朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや。」


4月4日(木) 晴 9:30−11:30 笛田公園
しばらく天候が悪く、観察ができなかったが、この日は快晴で、北東の微風、寒くもなく絶好の条件であった。大いに期待して、観察したが、サシバは1羽も発見することができなかった。巣材をくわえたトビを何羽か見かけたが、繁殖地に到着したサシバもそろそろ巣作りを初めている頃であろう。
4月5日(金) 晴 10:00−12:00 笛田公園
北北東の風が2m程度、寒くもなく、暑くもなく、絶好のコンディションであった。サシバ大いに期待して、観察したが、一羽も発見できなかった。
昨日までにサシバは静岡を221羽通過している。これは例年の三分の一程度であり、ほぼ順調に飛んでいるようにおもわれる。これに対し秦野では三回の観察で106羽を観察している。4月1日には66羽も飛んでいるが、春としては最高水準だとおもわれる。私はかなり前に春の湘南平で一日に14羽観察したのが最高だと思う。そして4月4日には静岡の34羽を上回る36羽が観察されている。秦野(菜の花台)は、ヤビツ峠に通じる道の途中にあり、眺望が素晴らしい場所であるが、こんなに飛んでいるとは驚きである。
秦野菜の花台からの眺望
4月8日(月) 晴 10:30−12:00 笛田公園
雲ひとつなく晴れ上がった日、南風の日、こんな日にはまず、笛田公園にはサシバがやってこない。昔はサシバが来なくても、ハチクマが来るかもしれないという期待感があった。しかし最近ハチクマを全くといってよいほど見かけない。一体どうなっているのだろうか?昆虫に詳しい友人と話していたら、ハチがいないからハチクマが来ないのは至極当然だとのことであった。ハチが減少した原因の一つに放射能による被害も想定されるとのことであった。この日はノスリとオオタカが見られたのみであった。
4月10日(水) 曇時々晴 10:00−11:30 笛田公園
北東の風が南に変わる瞬間を狙って、この時間帯を選択した。複雑な風向きではあったが、サシバがやってきそうな雰囲気もあり、集中して観察したが、成果はなかった。イワツバメの姿が目についた。
昨日までに、静岡では355羽が通過している。一方秦野の菜の花台では206羽が観察されている。この場所は南風の時の通過場所ではないかと一時注目したことがあるが、風向きに関係なく、コンスタントに飛んでいるのは驚きである。神奈川で200羽以上のハルサシが見られる場所は珍しい。静岡を通過したサシバの一部は山梨県に向かうものと考えられる。そして私は神奈川に向かうものは、風向き等に応じて、湘南平等の太平洋岸から、菜の花台(丹沢)までの間を分散して飛ぶものと考えてきた。しかし今年のこれまでの記録では静岡通過分の内60%弱が、秦野に来ていることになる。仮に40%が山梨に向かうとすれば、神奈川のその他のルートには微々たる数しか来ていないという計算になるが、果たして実際はどうなっているのだろうか?
サシバ観察は総論においても、各論においても想定外のことが、次々と起こって、唖然とすることが多いのも楽しみの一つかもしれない。
4月11日(木) 曇 9:30−11:00 湘南平展望台
昨日まで13日観察して、サシバに出会えたのはたった一度だけ。行き詰まった時の湘南平参りは最近ご利益がないが、気分転換をかねて出かけてみた。9時は北風2m、12時は南風4mという予報であったので、なるべく早くスタートしたかったが、結局現地到着は9:30になってしまった。西の方向は曇っていて、丹沢もはっきりとは見えなかったが、観察に支障はなかった。早速9:47サシバ一羽が海側に現れ、真直ぐ江ノ島方向に消えていった。その後は2羽のハヤブサが絶えず、付近を旋回していたが、10:55旋回するハヤブサのはるか上空をサシバが一羽東に向かって行くのを発見した。
4月12日(金) 晴 9:30−11:00 笛田公園
予報では2〜4mの南風であった。こんな日でも菜の花台では、相当数のサシバが飛ぶのだろう。一度出かけてみたいが、とても遠く感じられる。ほかにもいくつか行って見たい場所はあるが、結局消去法で、笛田公園で観察することにした。しかし、めぼしい鳥の動きは何も見られなかった。
4月15日(月) 晴 9:30−10:30 野村総研跡地、11:00−11:30笛田公園
土日と所用のため観察ができなかった。この日は予報では2〜4mの南風であったので、野村総研の跡地で観察した。しかし、風はまったく無風に感じられた。条件は悪くなかったが、鳥の動きは少なく、ウグイスとコジュケイの声が賑やかであった。この場所は視界があまり開けていないので、観察はしやすいが、この日はサシバがやってきそうな雰囲気は全くなかったので、早めに切り上げた。笛田公園で弁当でも食べようかと、全く期待もせずに行ってみたところ、なんとこちらも殆ど無風状態で、時折南風が吹くが、2m程度と弱かった。思いもかけず、11:07にサシバ一羽が現れ、かろうじて肉眼でも見られる高さを一目散に東に去っていった。これでやっと今シーズン6羽目。犬も歩けば棒にあたるで、とにかくフィールドに出てみないと何事も始まらないことを痛感させられたlucky dayであった。


4月18日(火) 晴 10:00−11:30 笛田公園
昨日に比べると、今日は弱い北風で、条件的には格段上であった。既に台湾では16000羽、静岡では約400羽が飛び、例年の80%程度は通過したように思える。しかしまだ20%は残っている筈なので、大いに期待して観察したが、サシバは一羽も発見できなかった。イチョウの木に止まったメジロのさえずりが見事であった。
4月22日(月) 晴 10:00−12:00 江ノ島外防波堤
暫くの間、体調を崩し、久し振りの観察となった。笛田公園は4m程度の風が吹いていて、期待薄であったので、江ノ島で観察した。江ノ島も昔はかなり飛んだ時期があったが、それは湘南平が好調であった時期とリンクしているように思う。今年の秦野菜の花台の記録を見ると、昔、湘南平もこの程度の数が飛んでいたのではないかと思える。ルートが丹沢よりに変わったのか?それとも菜の花台でも昔からこの程度は飛んでいて、湘南平だけが減少したのか?
この日は視界が良好で条件としては悪くなかったが、トビ以外のタカは全く発見することができなかった。成果はなかったが、満足感のある一日であった。


4月23日(火) 晴 10:00−11:15 笛田公園
長谷配水地では今春23羽のサシバを観察し、昨日で観察を終了した。この場所ではサシバの他にも、各種のタカや、レンジャク、コマドリ、キビタキ、オオルリなどが、観察されており、古き良き鎌倉の自然環境を残した、素晴らしい場所のようである。昔元気な時に付近を歩いた記憶はあるが、かなりの急坂で、、とても行けそうにないのが残念である。
この日は弱い南風で、条件的には悪くはなかったが、サシバは一羽もやってこなかった。


笛田公園の主役は、ガビチョウ(友人K氏が撮影したもの)と、コジュケイ?
4月25日(木) 晴 10:00−11:15 葉山長者ヶ崎海岸
北の風4m、飛ぶとすればここかなと、来て見たが、サシバらしきものは、全く見当たらなかった。サシバは5月一杯は渡り続けるだろうが、繁殖に参加しない若鳥が主体で、その数はあまり多くはない。港南台などはルートになっているようで、相当数が観察されている。そのほかにもルートはあるのだろうが、広範囲に分散して飛んでいる可能性もある。研究課題としては興味深いが、とても体力がついていかない。葉山はサツキが満開であった。

4月26日(金) 曇時々晴 10:30−12:00 秦野菜の花台
南の風が5〜6m吹いており、車が揺れるように感じられた。こんな日、しかも今の時期にサシバが見られる場所があるとは思えなかったが、一番可能性がありそうなのは菜の花台(標高358m)だと思われたので、思い切って出かけてみた。連休前のためか予想外に道が混んでいて現地到着が予定より一時間遅れてしまった。流石に現地で観察している人はいなかった。イカルやホオジロ、ヤマガラなどの囀りが絶えず、聞こえており、上空はアマツバメが飛び交っていた。しかしこの風ではサシバを無理だろうとおもっていたところ、11.32上空にサシバ1羽が現れ、悠然と東の方向に一直線で消え去っていった。
************************************************************************************************************************************************************
ハヤブサ悲歌
ハヤブサは昔から、日本における代表的なタカの一つであると思われてきた筈だ。(少なくとも私は信じて疑っていなかった) 特急ハヤブサ、隼戦闘機などの名称はタカをイメージしてつけられたものであろう。ところが今年の4月に日本鳥学会の決定で、ハヤブサはタカの仲間ではなく、インコとかスズメなどに近い種であると定義つけられたことは、私にとっては大きな驚きであった。勿論その決定は遺伝子工学等科学の進歩による当然の帰結なのだろう。コンドルはタカかコウノトリかという論議は長年にわたり、繰り広げらられてきたが、ハヤブサについてそのような論争は以前からあったのだろうか?

このニュースを見て、私が一番初めに思ったことは、かりにハヤブサではなくサシバがタカではないと結論ずけられたらとしたら、どのようなインパクトがあるのだろうかということであった。仮定の話はあまり意味がないが、サシバを見始めて間もない頃であれば、恐らくサシバ観察を止めているだろうと思う。なぜならば私が追いかけている鳥の枕詞はタカだからである。現在ならどうであろうか?私が追いかけているのはサシバであって、サシバ以外の何者でもない。故にサシバがタカであろうが、なんであろうが、サシバ観察を続けて行くと、単純に割り切る事はやはりできないだろう。恐らくしばらくの間は何も手につかないぐらいのショックを受けるだろう。しかし結局はサシバ観察を続けていくことになるであろう。なぜならば、私はサシバとともにあまりにも遠くまで、来すぎてしまって、もはや引き返す道がないからである。
******************************************************************************************************************
今年の春は、体調の良くない日が多かったが、目の調子自体は悪くなかったので、もしかしたら二桁はいけるかなと思ったが、結局7羽しか観察できなかった。しかし4月26日に秦野の菜の花台で見た7羽目のサシバはまさにラッキーセブン、非常に印象に残るものであった。春のサシバの主要なテーマの一つである、南風が強い日の動きの一端が今年の秦野での観察結果から、相当程度解明できたような気がしていたが、実際現地で、強い南風をものともせずに悠然と飛んで行く、サシバを目にすることができたのは感激であった。
春のサシバで、今一番印象に残るのは、30年近く前に、多分3月下旬だったと思うが、足柄峠で見たサシバである。とにかくものすごく寒い日で、、トラツグミが直ぐ近くまでやってきたのを記憶している。野鳥の会のメンバーに聞いても、春はそんなところをサシバは飛ばないのではないかという回答であったが、地元の猟友会の人は、間違いなく飛んでいるということであったので、それを信じて待っていると、金時山の方向に次々に何羽かのサシバが現れた。その時の感動は今でも忘れる事ができない。でもとにかく寒かった。サシバはこんな寒いところに飛んできて、果たして餌を見つけられるのか心配になったことも、ついこの間のことのように思い出される。


今シーズンも、多くの方から、色々な情報やアドバイスをいただき、ありがとうございました。
平成25年4月28日