平成26年秋サシバとともに

 

「白鳥は悲しからずや、空の青、海のあおにも染まずただよう」若山牧水の有名な短歌である。良い句だなと思いながら、今まであまり深く考えたこともなかった。白鳥は文字通り"、ハクチョウを指すのだろうと思っていたが、シラトリと読み、カモメを指すというのが定説のようだ。これに対しサシバという鳥は、空の青、水の青、白い雲や虹はもとより、樹木や場合によっては都市も含めて、様々な背景に染まって飛ぶ鳥なのだと思える。そしてそれらのバランスがかみ合った時に、サシバは最高に美しく輝いて見えるのだ。

  

 

 

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9月16日(火)  晴    

北東の風が弱くふいていて、絶好の条件であった。10:00−11:00 笛田公園で今シーズン初めて観察した。すっかり常連?になったN氏と久しぶりに情報交換をする。非渡りと思われるサシバは何度か出ているが、渡りはまだのようだ。この日は収穫がなく、ものすごく疲れたが、ともかくも今シーズンもフィールドに戻れたことに、感謝。

9月17日(水) 曇

10:00−11:00 笛田公園。 この日は視界も悪く、ところどころ青空は出ていたが、あまり期待できそうになかった。視力の低下に加え、耳鳴りがひどく、さっぱり集中ができない。数はどうでも良いが、ゼロだけは避けたいものだ。

9月18日(木) 曇後晴

10:30−11:30 夫婦池公園。北東の風がやや強く、涼しい日であった。初めのうちは視界も悪く、渡りは期待できなかったが、居付きのサシバに期待して、久しぶりに夫婦池で観察。10:54笛田公園の上空をサシバが1羽旋回し、最終的には深沢方面に去っていった。非渡りだと思うが、とにかく今シーズンもサシバに出会えて、満足であった。他にオオタカが何度か現れたが、30羽近いカラスにモビングされて、夫婦池には降下できなかった。

9月19日(金)  曇

10:30−11:30 野村総研跡地。 視界が悪く、渡りは期待薄。 それでも、人出が殆どなく、静かな環境で、居付きのサシバが出現しそうな雰囲気はあったが、結局なんの動きもなかった。居付きのサシバは中央公園内にある通称タカの尾根付近が一番期待できる場所だと思うが、駐車場は空いているのに、事前予約が必要とのことで、思い立ったとき、自由に車で利用できないのが残念である。

9月21日(日) 晴

10;30−12:00 笛田公園。北東の風が2,3m、空は晴れて、絶好の条件に思えた。 11:32高空にサシバらしき影を発見したが、高すぎて雲間で見失い確認できなかった。他にノスリとチョウゲンボウが出現した。

9月22日(月) 晴

昨日は稲村ヶ崎で、100羽を超えるサシバが観察された。白樺峠の通過は8,000羽を超えている。各地とも順調のようだ。それに引き換え笛田公園は、さっぱり蚊帳の外状態である。本日も10:30−12:00観察したが、ゼロ回答であった。もっともN氏が10:10前後に常盤山方面から飛来し、西に飛び去ったサシバ2羽を観察している。(N氏は300種近くの野鳥を観察しているベテランで信頼できるデータである。)笛田公園の上空を、昨日も本日もサシバは一定数飛んでいるのだろう。サシバを見つけるのが、こんなに難しいとは???

0月23日 (火)  晴

9:30−11:00 笛田公園。北東の風がやや強かったが、視界も良く、絶好のコンディションであった。途中からはN氏と一緒に観察した。故に見落としは少なかったと思うが、全くタカの動きはみられなかった。最近笛田公園では珍しい鳥の情報がなかったが、N氏が数日前にテニスコートの側でマミチャジナイを観察したとのこと。

9月24日(水)  曇

10:00−11:00 夫婦池公園。視界が悪く成果は期待できなかった。夫婦池のカワセミを眺めながら、僅かばかりの青空を注目してみたが、何の動きもなかった。

9月26日(金) 晴

9:30−11:00 逗子披露山公園。 昨日は悪天候であったので、この日は大渡りが期待できそうな予感はしたが、北風がやや強く笛田公園は飛びそうになかった。久しぶりの披露山公園は、眺望絶佳、絶好のコンディションだと思われた。しかし収穫は10:54サシバ1羽が超高空を通過しただけであった。他にはノスリが、何度か見られた。

 

9月27日(土) 晴

8:40−11:00 笛田公園。 北東の風が5〜6m吹いており、初めのうちは、雲が多く、笛田公園ではかなり厳しい条件であった。しかし8:56サシバ1羽が野球場の上空を高空で西に向った。さらに9:13、サッカー場の上空をサシバが4羽、小さなタカ柱を作りながら西に向っていった。写真がとれる高さであったが、とっさにシャッターが下りず、調整しているうちに見失った。また10:30ヒタキ桜の上空かなり高くを1羽通過した。この場所で、この条件で6羽は思わぬ収穫であった。他にチゴハヤブサが1羽見られた。

10月7日(火)  曇

長いこと体調を崩し、観察が出来なかった。これまでも体調が悪く観察が出来なかったことはあるが、不思議なことにこのシーズンに限り、精々1,2日で回復していたのだが、やはり限界が近づいているのだろう。この日は通院で平塚に行った帰りに、10:30−11:30湘南平展望台で久しぶりに観察した。上空は雲が多く、あまり良い条件ではなかった。既にプローミナーを装備した6名のグループが観察しており、7時台に270羽を観察したとのことであった。私が観察中も、このグループは、プロミナーの威力を発揮し、箱根の上空を11羽の群れが通過するのを観察したり、絶えずタカの動きをマークしていたが、残念ながら私は1羽も確認することができず、挫折感を味わうこととなった。台風が通過した後は二日目が大飛びすると言われるが、一日目は早朝に大群が飛んでいるのだろうか?

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この日の各地の状況を見ると、実に興味深い結果を示しているように思える。すなわち武山354羽、稲村ガ崎332羽、湘南平280+、矢倉岳47、秦野権現山0、静岡2602羽と報告されているが、湘南平で7時台に観察された270羽は、武山、鎌倉とのタイムラグを考慮すると、大半が別の個体であると推定される。即ちこの日、湘南の海側を約600羽のサシバが移動したと考えられるが、矢倉岳を通過したのはたった47羽に過ぎないというのは、あまり前例のないことのように思われる。湘南を通過したサシバは80%から100%は矢倉岳に向うというのが、過去のパターンであった。この日湘南平から見る限り、矢倉岳が雲に覆われていた訳でもなく、なぜこの日に限り、大半が箱根を越えたのか?また相当数が伊豆半島を通過した可能性もありうるとのことであった。

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10月8日(水)  晴

北東の風がやや強く、快晴であった。9:00−11:00 笛田公園で観察。9:09と9:59にサシバが各1羽定番コースをかなり高く渡っていった。期待できそうな天候であったが、他にはめぼしい動きは見られなかった。これでやっと10羽、笑ってしまうような数だが、それでもそれなりに満足感があるから不思議である。

10月9日(木)  曇後晴

9:30−11:00 長者ヶ崎海岸にて観察。予想に反し、晴れてきたが、サシバは飛ばず、ミサゴとアオサギの華麗な飛翔を鑑賞できたのが収穫であった。

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木曽御嶽山の噴火が白樺峠ルートのタカの渡りに影響を与えるのだろうか?

9月27日に突然発生した木曽御嶽山の噴火は、多くの死者を出す惨事となったが、この噴火が今後も継続的に起こるとした場合、タカの渡りにも変化は生じるのだろうか?今年の白樺峠は9000羽弱のサシバが通過しているが、大半は噴火前に通過したものである。私は昔御嶽山の7合目位まで登ったことがあるが、このあたりの地形について、詳しくもないし、白樺峠はいったことがない。言わばまったく予備知識なしに、地図を眺めているだけだが、影響が全くないとは言えないようにも思える。火山列島日本、サシバのルートに影響するような噴火は他でも起こりうるのだろう。桜島の噴煙に絶えずさらされている鹿児島市、そういえばサシバ情報が少ない?

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10月10日(金) 晴

9:30−11:00 笛田公園。絶好の条件なのにサシバはやってこない。もう渡り終わったのか、もう一山あるのか?That is the question.

10月11日(土) 晴

9:00-10:00 江ノ島の外防波堤で観察。この場所は、奇跡を期待して毎シーズン来ている。この日も成果は何一つなかったが、それでも満足感がある不思議な場所である。超高空の観察は疲労が激しく、一時間で切り上げ、笛田公園で10:55−11:45観察した。弁当を用意しながら、ぼんやり空を見ていると、なんと10:57サシバ1羽が中空で現れ、引き続いて3羽が定番コースを通過していった。その後11:08,11:09,11:14、11:17、11:23、11;24と続けざまにサシバがやってきた。30分も経たないうちに、なんと10羽のサシバを観察することができた。これまで14日観察してたったの10羽、それがあっという間に10羽、いつも思うことだが、これがサシバであり、人生なのだろう。

10月12日(日) 曇時々晴

10:00−11:30 笛田公園。昨日にくらべるとやや雲が多かったが、同じような条件で期待がもてそうだったので、今シーズン初めて500mmのレンズを使用した。10:34 定番コースのかなり高いところをサシバが2羽通過していった。グラウンドの上空をカモの群れが、渡って行くのが見られたが、これも意外に高く、結局カメラは役に立たなかった。稲村ガ崎は昨日までに933羽飛んだとのこと。ここまで来たら是非1000羽を達成して欲しいものだ。

10月14日(火) 晴

9;30−10:30 笛田公園。台風一過で、風がやや強く南に北に、複雑に吹いていて、サシバが飛ぶにせよ、笛田公園にやってきそうな雰囲気ではなかった。1000羽のサシバが見られる観察ポイントは、現時点で、静岡以西では結構見られるが、神奈川より東では、矢倉岳だけのようだ。ただし中国地方と北九州はハチクマが主体でサシバは殆ど飛んでいない。昨日の時点で稲村ガ崎では944羽が通過して、あと57羽、日頃はなんとか笛田に来て欲しいと思いながら観察しているが、この日だけは複雑であった。

10月16日(木) 晴

9:30−11:00 笛田公園。 台風通過2日目の昨日が雨だったので、この日に期待したが、サシバの動きは全くみられなかった。もう渡りきったのだろうか?

 

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このシーズンは、途中で体調を崩し、完結できないまま、時が過ぎてしまいました。こんなことは初めてのことです。事後ながら、皆さまのご協力に感謝もうしあげます。

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