26年春サシバと共に

寒く厳しかった冬が去り、春の兆しが感じられるようになったが、体調が戻らず、サシバ観察にはなかなか踏み切れなかった。例年サシバの先発隊は3月上旬に鎌倉にやってくる。ジャカルタ、東京間、飛行機なら約8時間のフライトであるが、サシバは一体何日かけて飛んでくるのであろうか?「友あり遠方よりきたる。また楽しからずや」論語に記載されているこの言葉は、サシバとの再会にも当てはまるように思う。
鎌倉自主探鳥会グループ(KJG)が「鎌倉周辺におけるタカ類の渡り調査報告」をとりまとめたのは、1987年のことであった。それ以来、神奈川県全体のサシバの動きを検証するような研究、考察といったものには、出会わなかったように思うが、日本野鳥の会神奈川支部報「はばたき」の2013年12月号に掲載された『謎のサシバ大集団を探して」と題する、ふれあい自然探鳥会池上氏の論文は非常に興味深いものであった。同時に今から27年前にkJGで熱く論議されたサシバの謎については、いまだに多くの部分が未解明のままになっていることを実感せざるを得なかった。観察者が多い秋のサシバについても、この状況なので、春のサシバについては、謎の宝庫だと言うしかないようだ。
春のサシバ、元気な頃は週末だけで50〜100羽弱、病気をしてからは,毎日暇なのに、30羽程度しか観察できなかった。とはいえそれなりの満足感は得ることができた。それが最近急激に老化、特に視力の低下が進み昨春は7羽のサシバしか見ることができなかった。果たしで今年は何羽のサシバに出会うことができるのだろうか?
各地の観察記録を見ても、今年はサシバの飛来がかなり遅れているようだ。3月19日、ツバメを初認識。そろそろサシバもやってくる筈だ。
3月21日
3月24日(月) 晴
10:00−11:00 今シーズン初めて笛田公園で観察した。収穫はなかったが、先ずは観察ができたことに感謝。
3月25日(火) 晴
10:30−11:30 藤沢長堀公園で観察。天気は良かったが、南風が強く、サシバは期待薄。こんな日でも菜の花台では飛んでいるのだろか?
3月28日(金) 晴
このところサシバ観察にとって、条件の悪い日が続き、久しぶりの観察となった。鎌倉山のサクラは早いところで2分咲きといったところであったが、風もなく、寒くもなく、今日こそはサシバに会えるものと期待して9:00−10:45笛田公園で観察した。しかし期待に反しサシバの姿は1羽も発見することができなかった。各地の状況を見ると、3月27日に高知を864羽が通過している以外、大きな群れは来ていないようだ。
3月31日(月) 晴
9:30−11:30 湘南平。晴で北東の風3m前後、眺望も良く絶好の条件だと思われた。桜はまだ5分咲き程度であったが、花見客で賑わっていた。メジロやシジュウガラのさえずりの他、珍しくウソの声が聞こえてきた。大いに期待して観察したが、海上を10:53タカspが1羽通過したのみであった。3月中になんとかと、気合を入れて、観察したので、くたくたに疲れた。なお3月29日に菜の花台で100羽のサシバが観察されたとのこと。この日は天候も風向きも悪く、鎌倉では期待度ゼロで観察を見送ったが、秦野でこんなに飛んでいるとは驚きであった。


4月1日(火) 晴
9:30−11:30 笛田公園。この日も晴天で、北の風3m程度でいかにもサシバがやってきそうな雰囲気はあった。しかし、期待に反し、サシバの動きは全く見られなかった。昨日は鎌倉で4羽のサシバが観察されたとのこと。昨日までに台湾最南端の墾丁( Kenting)では既に19,000羽のサシバが通過している。高知では1,200羽、静岡で38羽、秦野で101羽のサシバが観察されている。
4月2日(水) 晴
予報では曇りであったが、晴れ間が多く、北東の風が弱く吹いており、条件は悪くなかった。9:30−10:30 江ノ島外防波堤で観察。最近江ノ島では殆ど実績がないが、やはり一度は来て見たい場所である。この日の収穫といえばイソヒヨドリの美しい囀りとカモメの舞ぐらいしかなかった。
11:00−12:00 笛田公園。鎌倉山の桜が満開で、駐車場は花見客で混み合っていた。ここも北風が弱く、絶好の条件だと思われたが、サシバは1羽もやって来なかった。この条件でゼロとは「おかしいね、不思議だね」高橋真梨子が歌う「コメプリマ」の歌詞が浮かんできたが、本当におかしいのは私の視力なのだろうか?
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心臓病にも色々のタイプがあるようで、手術を受けて、元気を回復した人、ペースメーカーをつけて山野を飛び歩いている人も結構多いが、私のように心臓移植以外に、治療方法がない患者にとって、STAP細胞の発見は夢と希望を与えるものであった。しかし最近論文が不正だとか捏造だとか騒がれている。論文が不正かどうかはともかく、STAP細胞自体の存在は信じたいものだが果たしてどうなのだろうか?
話は変わるが、最近サシバの渡りについて、私としては極めてショッキングなニュースを目にした。台湾の情報を調べているうちに、台湾の研究チームが春の渡りの時期に5羽のサシバに発信装置を取り付けて、放鳥した記事を目にした。これら5羽は当然日本に向うと予測されていたようだが、結果は5羽とも、大陸に渡り、北朝鮮あたりで繁殖を終え、ほぼ同じルートをたどって台湾に戻ってきたそうである。これまで私は台湾を通過するサシバはすべて日本に向うものと考えてきた。台湾を通過するサシバの総数は、観察ポイントが5箇所あり、単純に把握するのは難しいが、概ね3万羽前後で、最近は安定しているようだと考えていた。サシバは韓国でも見られるが、これらのサシバは日本を経由して、関門海峡を越えて朝鮮半島に渡るものと考えてきたが、どうもそうではないようだ。
日本で春にサシバを観察する人は多くはないが、それでも四国、九州、広島などでは継続的に定点観察が行われている。これらの観察ポイントで把握される春のサシバの総数は多くて1万羽程度と思われる。したがって2万羽程度のサシバがどのようなルートで日本に渡ってくるのかが、30年観察していまだに解けぬ謎であった。しかし台湾での実験データから見ると、春に日本にやってくるサシバの数は、大幅に下方修正する必要があるようにも思われる。そうなると春のサシバの謎はかなり減ることになるが、今度は秋のサシバに謎が生じることになるのだろう。30年間、堂々巡りばかりでさっぱり前進せず、原点に戻ってしまうのが悔しい。小保方晴子氏30歳、「何はともあれ、貴方は凄い」と、今の時点では、感心せざるをえない。
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4月6日(日) 晴
10.30−12.00 笛田公園。北風が2m程度、とても寒かったが、空は青空と白い雲が混ざり合って、サシバを見るには良い条件だと思われた。しかし昨日も一昨日も静岡を通過したサシバは各12羽にすぎない。笛田公園にやってくる確率は高くはないが、そろそろやってきそうな気もしていた。しかし収穫はなかった。ひさしぶりにホオジロの囀りをきいた。ヒメアマツバメが時折上空にやってきた。この日は何故かサッカー場にも野球場にも人影がなく、桜見物の人で賑わっていた。気温が低いせいか桜の花はまだ殆ど散っていないようだ。1羽のサシバがこんなに遠い存在だとは???


4月7日(月) 晴
10:30−12:00 鎌倉霊園。 天気は晴朗であったが、南南西の風4〜6mの予報であった。この風では菜の花台まで行かないとサシバに出会える確率はゼロに近いのだろう。大野山も面白そうだが、とてもそこまで行く元気はない。台峰にでも行こうかと思ったが、バイクに乗るのが不安で、取りやめた。「老人の畑」しばらく行っていないがどうなっているのだろうか?下の写真右は昭和26年に製作された小津安二郎監督の映画「麦春」に描かれた北鎌倉駅周辺の風景である。左は数年前に「老人の畑」から撮影した、ほぼ同じ場所の写真である。鎌倉は開発が進み、すっかり変わってしまったが、このあたりは比較的昔の面影がのこっているようである。南風でもサシバがやってきそうなイメージがあるが? 結局鎌倉霊園ではなにも収穫がなかった。

4月8日(火) 晴
9:00−10:30 逗子披露山公園。弱い北風が昼には南に変わるという予報であった。昨日は静岡でも100羽以上飛び、この日は条件的に期待できる日であった。しかし笛田公園での実績を見ると、昨年9月28日を最後に10回連続空振りで、すっかり自信喪失気味であったので、比較的打率が高い、披露山公園に行ってみた。素晴らしい眺望、春爛漫の公園は人出も少なく、絶好の条件であったが、サシバは1羽もやって来なかった。
ぐったり疲れて、笛田公園の野球場で、弁当にしようと思っている時、11:28サシバ1羽が梶原方面から浮き上がってきて、常盤山の上空を通過して東に消えていった。とっさにカメラを取り出したが、春霞にまぎれてシャッターがなかなか下りなかった。やっきになって追いかけて来たのに、ゼロ、全く思いもかけずに1羽、これがサシバであり人生なのだろうか?


4月9日(水) 晴
9:30−12:00 湘南平展望台。初めのうちは北風が5m程度、帽子が飛ぶか飛ばないか限界に近い北風の日、最近湘南平が輝くのはこんな条件の日しかないように思われた。この日はまさにピッタリの条件であったので、二桁を期待して観察した。観察を開始してすぐに9:41,9:42と海側やや遠くをサシバが通過した。しかしその後さっぱり動きがなく、目の調子もおかしくなり、10:30頃から、しばらく休憩11時頃より観察を再開した。11:12,11.32にサシバが中空で現れ、頭上を通過して、まっすぐ東に向かっていった。

4月11日(金) 曇後晴
10:00−12:00 笛田公園。初めの内は、雲も多く、とても寒かったがそのうち良い条件になってきた。この場所で良く会う、鳥に詳しい人と、鳥談義をしながら観察していると11:13サシバが1羽低空で現れ、常盤山の上空付近でハシブトガラスとじゃれあった後東へ消えていった。これでやっと6羽、すべて写真が撮れている。それは言い換えれば写真が撮れる範囲のサシバしか捕捉できていないということで、けっして自慢になる話ではないのである。昔はハルサシ観察にはプロミナが必需品であった。私はプロミナがあると高く飛ぶサシバを見ることができるとは思えない。プロミナが効力を発揮するのは、高さではなく、横の遠くを飛ぶサシバである。もっとも最近では双眼鏡の性能が向上して、プロミナの必要性がないのかもしれないが。
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4月7日と8日合計で約3,300羽のサシバが高知を通過している。総計約5300羽の内62%がこの二日に集中して飛んだことになる。これらのサシバのうち神奈川にやってくる割合はどの程度なのだあろうか?高知から鎌倉迄サシバは何日かけて飛んでくるのだろうか?勿論気象条件によって、大きく左右されるだろうが、当分の間期待できそうだ。
昨年の実績を見ると静岡で492羽弱、これに対し秦野で243羽が観察されている。即ち静岡を通過したサシバの半数は秦野に来ているということになる。勿論神奈川を通過するハルサシは秦野だけではなく、菜の花台と湘南平の間を広範に分散して飛んでいる筈である。また海上を通過しているサシバもありうるだろう。残念ながらその数は鎌倉の一部を除くと正確に把握は出来ないが、静岡を通過するサシバの大部分が神奈川を通過している可能性は十分ありうるのではないだろうか?

菜の花台から湘南平方面を望む
長谷配水地では4月9日に13羽のサシバが見られたとのこと。これは同地で一日に見られた数としては新記録であるとのことである。私は長いことハルサシを見てきたが、一日で見たサシバの最高記録は何羽であったかは正確な記録が残っていない。しかし30年近く前に十国峠で見たのが最高であったことは確かである。その時は8羽であったが、春にサシバのタカ柱を見た記憶が鮮明に残っている。少なくとも20羽は見た筈である。もっとも十国峠は静岡県であり、神奈川県内では昔湘南平で何度か二桁をカウントしたような気がするだけである。湘南地方で春一日10羽以上のサシバを見るのは至難なことである。
ところで最近日本にやってくるサシバで西日本にくるものと、東日本にくるものとは種類が違うのではないかという論議があるという話しを耳にした。サシバは渡り鳥であるが、一部には留鳥も存在する。そしてその分布範囲はインドネシアから、中国南西部、南北朝鮮からロシアのアムール河流域、日本に至る広大な地域である。これだけ広い範囲に分布しているワシタカが全て一種類であるとは考えにくい面もあるが、渡りを通じて交流しているから、同一種を維持しているとも考えられる。サシバは日本では絶滅危惧種に指定されているが、多くの国をまたいで生息している鳥の実態調査、保護については、関係国の協力体制が必要不可欠になるのであろう。
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4月12日(土) 晴
11:00−12:30 野村総研跡地。この日も朝は北風、昼の時点で南風3mの予報であった。最近鎌倉地方の天気予報、かなり精度が良くなったように思う。朝の内はかなり期待ができると思ったが、体調がしっくりせず、すっかりスタートが遅れてしまった。笛田公園は駐車ができず、結局野村総研跡地で観察することになったが、弱い南風で、サシバがやってきそうな気配はあった。4月のKJG第二自主探では、鳥合わせの時間にサシバが見られることが多かった?ように記憶している。それらのサシバはここを通過しているのだろうと期待して観察したが、収穫はゼロであった。


4月13日(日) 薄曇
10:30−12:00 笛田公園。 4月7日、8日に高知を通過した3000羽のサシバはどこへ行ったのだろうか?どうも静岡、神奈川には、大波は来なかったようだ。しかし小さい波はまだやってきそうな気はする。この日は青空が殆どみられなかったが、それでもサシバがやってきそうな期待感はあった。しかし成果はなかった。笛田公園のイチョウの木はすこし新芽が出てきた。昨年の写真と比較すると5日位遅れているようだ。

4月14日(月) 晴
予想に反し好天であった。9:30−10:30 葉山城ヶ崎海岸、11:00−12:00 湘南国際村駐車場で観察した。北風がやや強く、少し寒かった。どちらの場所も条件は悪くなかったが、サシバの姿は発見できなかった。静岡が500羽、秦野が200羽弱、数字的には大詰めが近い感じもするが、ハルサシは少し間をおいて、思いがけない群れが来ることもある。高知のデータは静岡とも鎌倉とも、密接にはリンクしていないような気がする。それにしても一日に1500羽も来たら、どうなるのだろうか?想像もできないような現実がハルサシにも起こっているのは、驚きである。

4月15日(火) 晴
10:00−11:30 秦野菜の花台。 晴れてはいたが、南風が吹いており、笛田公園は期待薄であったので、思い切って菜の花台に行って見た。道路は空いていたが、それでも片道一時間半はかなりつらかった。現地に着くと、ふれあい探鳥会の人が一名観察中であったので、一緒に観察させていただいた。既にサシバは渡りきったのか、条件は悪くなかったが、この期間にはサシバを発見することはできなかった。昨年は243羽、今年は昨日迄に201羽、この場所は神奈川では春に一番多くサシバが飛ぶ場所として注目されつつある。もう一人観察者がいたが、鎌倉から来た人だそうだ。観察の邪魔をしたとすれば心苦しいが、サシバ談義をしたり、ふれあい探鳥会(創設期に私もメンバーだった)の古いメンバーの動静を聞いたり、楽しい時間を過ごすことができたことに感謝したい。
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今年の4月7日にハルサシが1500羽飛んだ場所は高知県香味市の有瀬という標高160mの場所である。私は高知には一度行ったことはあるが、土地勘は全くないに等しい。google earthで場所を辿っていっても、なかなかその場所の特質をつかむ事は難しい。秋のサシバは上昇気流を利用して渡っていくので、大群が見られる場所は上昇気流が発生しやすい場所だといえるのだろう。白樺峠、静岡の杉尾山など内陸部の場合はある程度、標高が高い場所なのだろう。伊良湖は海洋性の気候なので、何となく理解できる。有瀬という場所はどのような条件が整っているからこんな多くのハルサシが飛ぶのだろうか?
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4月16日(水) 晴
10:00−11:00 笛田公園。弱い北風で晴てはいたが、青空も少なく、絶好の条件とは言えない日であった。サシバは飛ばず、他にも見るべき動きは見られなかった。常識的には、大半のサシバがほぼ渡りきって、あと小さい群れが一度くるかこないか?といった状況だと思われる。それにしても2000kmの旅を終え、私の頭上に来てくれた6羽のサシバ、並の縁ではないような気がしてくる。
4月17日(木) 晴
9:30−11:30 逗子披露山公園。 この日は視界がそれほど良い訳ではなかったが、上空は透けるような青空で、トビなど高く舞っており、観察するには絶好の条件に思えた。10;21サシバ1羽が上空をやや高く通過した。これも写真を撮ることができた。今シーズン7羽目のサシバで、数から言えば、昨年と同数になった。
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5月のサシバ
静岡の昨年の記録を見ると、5月中に129羽が観察されている。パラパラと飛ぶケースが多いが、一日で26羽、、21羽、19羽が観察された日があり、ある程度まとまって飛ぶ日もあるようだ。静岡の4月の記録が約500羽だから5月の129羽も決して軽視できる数字ではない。以前港南台で5月にサシバを観察されて、相当数をカウントされた人がいたことを思い出す。もしかすると5月に飛ぶ若鳥グループは、通常のハルサシとは違ったルートを飛んでいるのかも知れない。そして、港南台以外でも、幾つかの決まったルートをある程度まとまった数とんでいることも、考えられる。もしそんなルートを発見できたら、5月にも、相当数のサシバが見られる可能性がある。3,4月で7羽、5月に8羽以上のサシバをカウントできたら、さぞ痛快であろう。なおタカの渡り全国ネットワークの中で対馬内山峠という観察ポイントがある。この場所の昨年の観察結果を見ると、5月中の観察で1056羽のサシバが記録されている。これらのサシバは日本から韓国に渡る幼鳥グループだろうと、思っていたが、どうもその逆で韓国から5月に渡ってくるサシバのようである。台湾では5月初めに観察を止めてしまうので、はっきりしないが、もしかすると5月に日本で観察されるサシバの幼鳥は、成鳥とは、異なり、韓国経由で日本にやってくるのだろうか?
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4月19日(土) 晴 笛田公園 11:00−12:00
北風がやや強く、予想外に寒い日であった。サシバがいかにもやってきそうな雰囲気であったが、やってこなかった。過去の実績から見ても、連休前までは笛田公園をサシバが通過している。しかし5月は実績がないというより観察したことがない。
4月22日(火) 薄曇
通院で平塚に行った。こんな日は帰りに湘南平と決めていたが、この日は視界が悪そうだったので、茅ヶ崎の里山公園にて、10;45−12:00観察した。これまでこの公園にほぼ毎年来ているが、殆どが南風の日であった。したがって北北東の風の日に観察するのは初めてのような気がする。この場所をハルサシが飛んでいるのは、確かであるが、実績として、その数は非常に少なかった。さほど期待もせずに観察したが、サシバは1羽もやって来なかった。むしろ5月の方が期待できるのかもしれない。
なお茅ヶ崎里山公園は神奈川県でも有数のサシバが繁殖できる環境をそなえた、公園である。県内には他にも数多くの公園があり、公園の敷地内だけを考えると、現状でも座間谷戸山公園、舞岡公園等々サシバが繁殖できる環境を備えているように思える公園も幾つかある。しかし公園内だけではなく周辺の環境も整備されなければサシバはなかなか戻ってはこないだろう。その点で茅ヶ崎里山公園は、モデルケースとして注視すべき公園だといえるのではないだろうか?


4月23日(水) 晴
10:00−11:30 笛田公園。昨日は長谷配水地で3羽が観察され、合計で40羽となったとのこと。これは同地での新記録とのことであるが、私の記憶では鎌倉の他の場所でも30羽台は聞いたような気がするが、40羽は記憶がない。本日は初めは弱い北風で、空も澄んでおり、笛田公園にもやってくるのではと期待して観察したが、結局収穫はなかった。
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4月も下旬となると、飛ぶサシバの数が少なくなるが、このような状況下であるが故に、見えてくるものもある筈だ。飛ぶ数が多いと、1羽毎にサシバの特徴などを認識することは至難であるが、最近はデータが少ないので、個々のサシバが静岡を通過後にどのような動きをするのかを掴みやすいように思う。静岡では4月22日に6羽、23日に17羽のサシバが通過している。静岡・大船間の距離は東海道線だと177kmであるが、実際サシバは若干迂回して飛ぶ筈なので、200km程度と仮定する。秦野もほぼ同距離と仮定。サシバの飛行速度を時速40kmと仮定すると、最速で7時前に静岡を通過したサシバが昼前には、鎌倉にやってくる可能性があることになる。一方秦野では23日に5羽、鎌倉(長谷配水地)では22日に3羽、23日に3羽が通過している。これら各日の気象条件とも照らし合わせれば、何かが見えてくるような気がしている。
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4月24日(木) 晴
9.30−11:00 笛田公園。この日も弱い北風で条件は悪くなかったが、収穫はなかった。もう少し早い時間帯に観察したかったが、体が動かないのが悔しい。
4月25日(金) 晴
9:00−10:30 逗子披露山公園。これ以上ない絶好の条件だと思われた。昨日は静岡も秦野もまだ飛んでいる。1羽ぐらいやってきそうな気がしていたが、収穫はなかった。アオゲラのドラミングを久しぶりに聞いた。
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今年も思うような活動ができぬままに春のシーズンが過ぎてしまった。観察できたサシバの数は昨年同様7羽にすぎなかったが、ボロボロの体調を考えると、まがりなりにも観察ができたこと、ゼロではなかったことで満足すべきだと思う。思いがけぬ病に倒れてから、10年間サシバ観察記録を続けてきたが、2年前に目に変調のため、サシバと共にというタイトルに変えた。中身がどうちがうのか?という質問をいただいたが、代わり映えのしない内容であることに変わりはないが、一つだけ決定的な違いがあると私は考えている。それはサシバが見られなかったという場合、観察記録においては、実際はともかく、自分としては特別注記してないかぎり、見落としがないと確信した記録である。観察はしたけれどもゼロであったという記録が、未来の研究者にとって意味のある記録になることがあればハッピーなことである。その点、サシバとともには単なるSasiba Love Storyにすぎません。
蛇足であるが、世界で一番美しい[Love story]はなにか?私は1970年に製作されたアメリカ映画「ある愛の詩」ではないかと思う。日本で公開されたときにLove means never having to say you!re sorry.という言葉が有名になったそうである。ストーリーも素晴らしいが、なんといってもフランシス・レイの作曲した数々の音楽が素晴らしい。サシバとは何の関係もありませんが、ご参考まで。

今シーズンも本当に色々とありがとうございました。また秋にフィールドでお会いできたら幸いです。
完